07/09/06 00:29:53
ガキの頃、不思議な物を見た。
そう、あの年の夏も連日熱帯夜が続くなか受験勉強に疲れていた俺は机から離れて窓際に立った。
当時、俺の部屋は道に面した二階建ての家の二階部分にあった。
その開け放した窓から前方を見ると、遠くに○○半島が見え、微かではあるが海に浮かぶ船の集魚灯らしきものが
チラチラと瞬いているのも確認できた。
窓から下を見下ろせば、街灯に照らし出された道がまるでスポットライトでもあてられている様にぼんやりと浮かび上がっている。
ゆっくりと流れる夜風を感じながら、船の明かりに目を凝らしているとなにやら下のほう、そう、道から乾いた足音が聞こえてきた。
それは、窓の下を左右方向に走る道の左側から聞こえてくる。
「 カサッ カサッ カサッ 」という音に混じって 「サッ サッ サッ サッ サッ」という音がする。
目を凝らして道の左方向を見たが、街灯の照射範囲には何も見えなかった。
「 カサッ カサッ カサッ 」
「サッ サッ サッ サッ サッ」
だんだんと音が近づいてきた。
「 カサッ カサッ カサッ 」
「サッ サッ サッ サッ サッ」
音の主が、街灯の下まで来るのにそれほど時間はかからなかった。
街灯の光に映し出されたその音の主の正体は・・・