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***惑星フェザーン***
夫であるラインハルトの子を自らの胎内に宿していた
ヒルダこと皇妃ヒルデガルド・フォン・ローエングラムは、
仮の皇宮である『柊館(シュテッヒバルム・シュロス)』にて
間近に迫る出産の日に備えていた。来月末になれば、
フェザーン医科大学附属病院の特別病棟に移る予定であった。
ラインハルトの姉アンネローゼ・フォン・グリューネワルト大公妃も
ヒルダの出産の手伝いのためにフェザーンを訪れ、柊館に滞在していた。
この時、憲兵総監ウルリッヒ・ケスラー上級大将は、
新帝都フェザーンの防衛司令官を兼ねており、大本営や柊館の警備司令部も
彼の隷下にある。すなわち、ラインハルトの妻と、その胎内の子と、そして
ラインハルトの姉の計2名半の人間を、ケスラーは守護しなくてはならないのだった。
柊館の警備兵にも救護の心得がある者を選び、一日一回は自ら皇妃のもとに
足を運んで皇帝の家族が安全である事を確認した。
ケスラーは初めて憲兵総監に任じられた時に、憲兵隊内の人事を刷新し、
造反した守旧派の憲兵を懲罰・追放して、旧ゴールデンバウム王朝時代の腐敗を一掃した。
ケスラーの巧妙且つ大胆な人事配置と機構改革によって、組織内によどんでいた
古い血が排出され、現在のところ成功していた。