07/07/23 22:09:47 0
あははっ…僕がうたた寝してた間にずいぶんたくさんのお客さんが来てたんだね。
ここは僕たち翼手の集まる楽園、僕と小夜姉さまと子供たち、
そして守ってくれるシュヴァリエ達の、ただ一つの住処なんだけど……。
来てくれたお客さんで、僕に温かい目を向けてくれる人たちは解ってくれてると思うけど、
女王の僕のことを解っていない人も多いようだから、改めて言わせてもらうよ。
僕は、翼手なんだよ。
そして次の女王になる子供たちと、血を分けたシュヴァリエ達のあるじなんだ。
人間じゃないんだよ。シュヴァリエ達と違って人間だったこともないんだ。
僕はお前たちの考えてることなんか、解らないし……
お前たちも僕のことを、ちっともわかってないんだ。
僕は翼手の満ちた世界で、子供たちみんなが安心して暮らせるようにしたいんだけど、
女王の翼手、すなわち子供をつくれるのは僕と小夜姉さまのふたりしかいないから、
なかなか子供たちを増やすことはできない。でも血を与えた人間を僕の子供にすることはできる。
彼らシュヴァリエも僕の子供なんだよ。
彼らには僕と僕が生んだ子供たちを守ってもらいたいんだ……生きている限り、ずうっとね。
でも途中で戦いに敗れた弱いシュヴァリエにそれができると思う？
きっと無理だろうね。
だから、強いシュヴァリエに僕と子供たちの身を委ねたいんだ。
僕はシュヴァリエ達にそう望んでいるだけだよ。
でも別に…僕のシュヴァリエだからって……従う気のない者の後を追うつもりは無いよ。
僕から去りたい者は好きにするがいいよ。
でも、これだけは言っておくよ。
今さら人間に戻れるわけでもない、小夜姉さまのシュヴァリエにもなれない、
道を外れたシュヴァリエの取る道は、ただひとつ。
小夜姉さまにお願いして、花婿にでもしてもらうんだね。ふふっ。
ソロモンにも言ったことがあるけど、本当に姉さまに子供でも産ませてしまうかい？
まああのハジが許さないと思うけど……そんなことまで僕は知らないよ。
ああ…カイが来てくれてたんだね。リクは来ないのかな？
こうしてリクの姿になった姿を鏡で見ると、
僕もリクみたいに綺麗になったみたいで嬉しいんだ。
あ、リクが来たらこの姿はやめるよ。びっくりするもんね。