07/10/02 19:20:31
そうしたら、こうしてすこし屈んで、彼女と目の高さを合わせましょう
彼女の意思を尊重する言い回しで、優しく囁いて差し上げましょう
「私と踊って下さいませんか」
彼女はほんのり頬を赤らめて手を差し出すでしょう。ええ、手を出して。早く。
そうしたら、感謝を込めて「ありがとう。」そのまま彼女の手を引いて…!
いかにも楽しそうに、些か強引に彼女を…すべての参加者の目に触れるような
ダンスホールの真ん中へ…連れて行ってしまいましょう、
今度は子供のように無邪気な様子を見せて、彼女の心がきゅんとなるように。
目的地に着いたら、彼女が慣性で転んでしまわないように、
抱きとめて差し上げましょう…こうしてそっと腰を引き寄せて、あとは
音楽に乗ってワルツのステップを踏むだけです…いち、に、さん…おや、
ダンスがお上手ですねえ名無しさん。
けれど…ただ漫然と踊っていたのではいけません。もし彼女が
いまの君のように、相手の顔を見上げていたら…さりげなく視線を合わせて、
「ワルツの時は…パートナーの顔をじろじろ見るものではありません」
そっと窘めて差し上げましょう。彼女は恥ずかしそうに目を逸らす…
そうしておいて、今度はこちらから…彼女の伏せたまつげに視線を注ぎましょう
彼女はそれに気付いて…詰るようにこちらを見上げるでしょう
そうしたら、「御免なさい、つい」とでも言うように微笑みかけましょう
それから「僕と貴女は、相性がいいのかもしれませんね」とでも
付け加えてしまうことです…彼女はきっと心から嬉しそうに――、おや
どうしました、お顔の色がすぐれませんけれど。…もう解ったから
それ以上近寄らないでくれ、と仰る…?はは、お解りになったなら、それは良かった。