07/09/25 23:06:57
>3 ハジ
>つ【サンタフレシュゴールド 3ダース】
>4 小夜
>お疲れ様…。そしてどうもありがとう。
――ハジ。いくらで購入したのかねそのまがい物は?
気の毒な男だ。お前は赤い盾をはじめ、そうやってずっと人間に騙され
利用されて来たのだろうな。…小夜。君はチェロを教えるより先に、ハジに
嘘をつく人間の見抜き方を教育するべきだった。おそらくハジは君が休眠して
おる間ずっと、ひたすら人間に酷使され続けてきたに違いない。おそらくは
流されるままに家屋の整備を手伝い、命じられるままに庭木を手入れし……。
―…なに?子供に花冠まで乗せられた?困った奴だ。人間の成すがままか!
いったいシュヴァリエの道、その翼手の誇りは何処にあるというのだね?
…ああ。そういえば小夜、君自身もジョエルの箱入り娘だったな。
………これでは無理もない。あるじもそうならシュヴァリエもまた然りか。
お前たちは主従そろって人が良すぎる。翼手ではあるが…まあ言葉の比喩だ。
他人を出し抜き、蹴落としてまでも――はしょせん無理だろうからあえて
言いはしないがね。しかしあまりに人間の成すがままでは――…。
…まあいい。結局はそれも全てジョエルの責任だ。
あれだけの男でも情を移す事があるのだな。おかげですっかり人の良い翼手が
二人も誕生してしまった。古馴染みのよしみで珍しく善意で忠告するがね。
私の経験上、「貴方の味方だ。どうか私を信用して欲しい」などと自分から
申し出る相手は……間違いなくこちらを利用しようとする敵だ。グラントと
いう男を知っているかね?固く握手を交わしながら暗殺者を差し向けるのが
ああした手合いの常套手段だよ。まあ手始めに………
「美味しい物をあげるからおいで、と言う大人を一切信用してはいけない。」
……まずここから助言せねばならんとはな。やれやれ。ジョエルが悪いのだ。