06/09/18 22:28:15 FeaY7R71 BE:11236526-2BP(630)
参考記事 URLリンク(www.nikkeibp.co.jp)
STOP!自殺
書評
仕事関係の打ち合わせが終わると、多くの場合、後は雑談となる。ある時、ハードワークでうつ病を患うビジネスマンが多いという話題から、たまたま自殺の話になった。
すると打ち合わせの相手の言うことには「多いんですよ、自殺。私の知人でもいますし。たいていの場合、誰か一人は知った人が自殺していますよ」。
あなたには、自殺した知人がいるだろうか。私にはいる。中学からの親友が32歳で自ら命を絶った。長くうつを病み、少し回復したと思ったら、踏切から列車に飛び込んでしまったのだ。
こういう死に方は、後に残された者に傷を残す。私は10年以上が経った今も、心のどこかでは彼が死んだとは信じられないでいる
。囲碁を好んだ彼が、まだどこかでいつもの物静かな笑いを浮かべながら、ぱちんぱちんと碁石を置いているような気がする。
「自殺した友人」は私の専有物ではない。何しろ日本は世界でもかなり上位に位置する自殺大国だ。
日本の年間自殺者数は、1998年度に3万人を超えて以来、ずっと3万人超の高い水準を保っている。
2003年度には過去最高の3万4427人となった。同じ年の交通事故死者数は7702人だから、確率的には交通事故よりも自殺で死ぬ方が4倍もあり得るのだ。
人口 10万人当たりの自殺者は25.5人で、世界10位である。
誰もが「自殺した知人」を心のなかに抱えていておかしくはない状況なのだ。
友よ、私は考える。あの自殺は彼の運命だったのか。彼の自己責任だったのか。
本書はこの問いに対して、「違う」と明確に答える。なぜなら、自殺は社会的に包括的な対策を取ることで減らせるから。
自己責任の部分はあるかも知れないが、すべてではない。そして、運命などでは絶対にない。自殺は、個人の事情である以上に、社会的な現象なのだ。