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自殺対策法案:今国会にも提出へ「国と自治体の責務」明記
自殺者が8年連続で3万人超になりそうな社会情勢の中、超党派の国会議員が自殺対策の基本法案策定に向け具体的作業に着手し、
議員立法として今国会にも提出する見通しであることが分かった。
政府は05年12月、自殺予防の総合対策を発表したが、法的根拠がないため、実体のない掛け声だけで終わりかねないとの声があがっていた。
基本法案では自殺対策を「国と自治体の責務」と明記するほか、政府に対し、対策の実施状況に関する年次報告の義務付けなどを盛り込み、総合的な対策の推進を目指す。
関係者によると、検討中の法案は基本理念として、自殺は「個人的な問題としてのみとらえるのではなく、
その背景に社会的な要因がある」と指摘し、社会問題と位置づける。そのうえで、国と自治体に「自殺防止対策を策定し、実施する責務がある」ことを条文化する。
さらに政府に対しては、毎年、国会に政府が行った自殺防止対策の実施状況に関する報告書の提出を義務付けることとしている。
また、自殺未遂者へのケアとして、国と自治体は「再び自殺を図ることのないように、必要な措置を講ずるものとする」とし、
自殺者の遺族に対しても、「深刻な心理的影響が緩和される」ことを目指して、適切な対策をとるように求める。
自殺防止に取り組む民間団体へは、活動を支援するために必要な施策を行うとしている。
このほか、国と自治体は、自殺防止に関して調査研究を推進し、情報の収集や分析、提供を行うとする。
一般国民に対して、教育や広報などを通じて、必要な施策を実施することも明文化する。
超党派で構成される国会議員には、閣僚経験者も含まれている。
法制化を目指すある与党議員は「3万人以上の人が7年も連続で自殺する状況は、大きな社会問題。与野党を超えて賛同を集め、今国会で法案を成立させたい」と語り、
ある野党議員も「法的根拠があれば、施策の推進にとても力になるのは間違いない。自殺対策は待ったなしの状況だ」と話している。
法制化を巡っては、NPO法人「自殺対策支援センター ライフリンク」(東京都)が05年5月、シンポジウムを開催。
尾辻秀久・厚生労働相(当時)や衆参両院議員ら約200人以上が参加し、自殺防止について話し合われた。
現在、ライフは年間の自殺者数にあたる3万人を目標に署名活動を行い、その実現を求めている。【玉木達也】
毎日新聞 2006年5月14日 3時00分
URLリンク(www.mainichi-msn.co.jp)