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自殺サイト殺人：中３男子とみられる遺体の一部発見 大阪
インターネットの自殺サイトで誘い出した無職女性（当時２５歳）に対する殺人・死体遺棄容疑で逮捕され、他に２人の殺害を認めている大阪府堺市鴨谷台１丁、派遣会社員、
前上（まえうえ）博容疑者（３６）が「３人とも連れ出した直後に殺害した」と供述していることが６日、分かった。
府警河内長野署捜査本部は６日、供述に基づいて捜索を実施。同府和泉市の山中で、神戸市北区の中学３年の男子生徒（１４）とみられる遺体の一部を発見した。
河内長野市で実施予定だった東大阪市の大学生の男性（２１）とみられる遺体の捜索は、荒天のため中止された。
男子生徒は５月２１日未明に、大学生は６月上旬に失跡している。前上容疑者は普段は中型バイクに乗り、事件では相手を誘い込むためレンタカーを利用していた。
捜査本部はレンタカーが毎回、短期間で返却されていることを確認。前上容疑者が殺害自体を目的に、次々に相手を誘い出していたとみて追及する。
捜査本部は６日夕、前上容疑者を同行して遺棄現場を確認。男子生徒とみられる遺体は和歌山県境に近い和泉市父鬼町の斜面で発見された。
頭と胸の骨などが確認されたが、衣服は見つかっておらず、身元を隠すために裸にして捨てた可能性が高い。歯型などを照合し、身元確認を急ぐ。
また、前上容疑者は「殺害したあと女性や中学生の遺体を撮影した」と供述していることも判明。
捜査本部が押収したデジタルカメラはデータが一部消去されていたが、分析を進める。
◇「まじめな社員」ネットでは倒錯の世界に
前上容疑者は、自殺志願者をターゲットにゆがんだ欲望を次々と暴発させていたのか。
前上容疑者は４人家族の長男で、父親は元警察官。堺市内の府立高校を卒業後、石川県の工業系大学に進学したが中退した。
タクシー運転手など職業を転々としたが、昨年５月からは大阪狭山市の大手カメラメーカーの工場に派遣社員として勤務、生産ラインに従事していた。
メーカーの総務担当者は「非常にまじめな人だったと聞いている」と困惑した様子だった。
一方で、ネットの世界では倒錯に浸っていた。３年ほど前には自分を主人公に、女性を窒息させて苦しめる内容の物語を自分のホームページ（ＨＰ）に掲載。
最近もＳＭ愛好家のＨＰにアクセスし「窒息プレーをしませんか」などと募っていた。自宅の離れの小屋からは、大量のビデオや書き込み可能なＣＤなどが押収された。
一方、身元が分からないよう無料メールのアドレスを使い、自宅にパソコンがあるにもかかわらず、近所のネットカフェを利用した。
店員は「昨年から週に２、３回は来ていた。ネットの履歴も削除するなどマナーのよい客と思っていたが、羊の皮をかぶっていたのか」と驚いた様子だった。
連絡にはプリペイド式の携帯電話を使うなど隠ぺい工作も徹底していた。
殺害されたとみられる神戸市の中学３年の男子生徒（１４）は５月２０日までは普通に登校しており、翌２１日未明に家出したらしい。
校長は「美術部に所属し、おとなしくまじめな性格だった。警察から連絡もなく、心配」と語った。学校のＨＰ作成も手伝うなどパソコンに熱中。
自分が管理人となったＨＰも開設していたが、「自分が死んだら誰がこのページを管理するんだろう」と、死を連想させる書き込みもあった。
自殺願望をネットで吐露するうち、わなにはまったのだろうか。
URLﾘﾝｸ(www.mainichi-msn.co.jp)