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蝦夷そだちのクマタンは、じどうしゃがとおるのを見るのがだいすきです
きょうもみちのよこに立って、一日中じどうしゃをながめています
「はやいなあ、かっこいいなあ
うんてんしゅさんとお友だちになったら、ボクものせてくれるかなあ」
やさしそうなおじさんがのったじどうしゃを見つけると、思わず手をあげてみちにとびだしたクマタン
でも、つぎのしゅんかん…
「ああっ!」
はげしいしょうげきとともに、クマタンのからだはちゅうにまいました
おじさんのじどうしゃは、そのまま走りさっていきます
「いたいよう、いたいよう
ボク、なんにもわるいことしてないのに…
はやくママンのところに帰りたいよう」
いたみをがまんして、ひっしでからだをひきずるクマタン
でも、なかなか前にすすみません
そんなクマタンの方に、たくさんのにんげんが近づいてきます
先頭では、さっきのじどうしゃのおじさんが、こちらをゆびさしています
「おじさん、もどってきてくれたんだね…」
でもそのおじさんがつれてきた人たちは、手に手にかやくのにおいのするてつのぼうをもっていました
だーん!
とつぜん、今までよりもっとはげしいいたみが、クマタンのからだをつらぬきました
「あれ、ボクどうしたんだろう…
目が見えなくなってきたよ…
おじさん、じどうしゃでママンのところにつれて帰ってよ…」
山のおうちでは、やさしいママンが、いつまでもクマタンの帰りをまっていました