12/03/08 22:59:43.74
その喫茶店に行くのは1年半ぶりぐらいか。確か妻が闘病中にも一緒に1回来たはずだ。
外見はすっかり変わってしまったが、中の狭さ、雰囲気、そしてなにより女主人の、
何もかも包み込んでしまうような佇まいは変わらなかった。
さすがにモデルになったということで、例の喫茶店の小説が5~6冊置いてあった。
話を聞くと分けてもらえるそうなので、1冊買って帰ることにした。
すると、この作者の先日出たばかりの新刊があるという。しかも夏に映画化されるそうだ。
へぇ、すごいですねぇ。と、女主人が手渡してくれた新刊の文庫本を見て、俺は今度はドキッとした。