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「卑弥呼の鏡」は「魔鏡」 3Dプリンターで復元し確認
2014/1/29 17:00
3次元(3D)プリンターを使って「卑弥呼の鏡」との説がある古代の青銅鏡「三角縁神獣鏡」の精巧な金属製レプリカを製作したところ、壁に投影した反射光の中に鏡の背面に刻んだ文様が浮かび上がる「魔鏡」と呼ばれる現象がおきることが分かり、
調査した京都国立博物館の村上隆学芸部長が29日発表した。
URLリンク(www.nikkei.com)
3Dプリンターで作ったレプリカの実験で、背面の文様が反射光に浮き出る「魔鏡」だとわかった三角縁神獣鏡(29日、京都市東山区の京都国立博物館)
鏡は古代の祭祀(さいし)で用いたと考えられているが、具体的役割は不明だった。この現象は太陽光線など平行光で特に顕著で、太陽信仰との関連を指摘する意見もあり、古代鏡の研究に新局面をもたらしそうだ。
こうした現象をおこす鏡は古代中国の漢代に登場。日本では江戸時代に隠れキリシタンが用いたものなどが知られるが、国内の古代鏡で確認されたのは初めて。
レプリカは、愛知県犬山市の東之宮古墳から完全な形で出土した鏡2面(直径はそれぞれ約24センチ、約21センチ)を復元したもの。
三角縁神獣鏡の平均的な組成と同じ比率の銅、スズ、鉛の金属粉を材料にレーザー積層造形法で製作した。
この現象は背面に凹凸があり、厚みが不均一な鏡を研磨する際、鏡本体にひずみが生じて厚い部分がかすかに凹面に、薄い部分が凸面になって反射光にムラがでることが原因。
全体が薄く、背面に彫りが深い突出した文様があるなど厚みに幅がある鏡だと現れるという。
三角縁神獣鏡は背面の中央や三角形の縁部、神獣像などが厚く、中央の最厚部は約2センチあるのに対し最も薄い部分は1ミリ以下。
村上部長は「他の古代鏡でも同じ現象がおきる可能性はあるが、三角縁神獣鏡は特に条件がそろっている。なぜこんなに薄く仕上げたのか謎だったが、現象がおきるまで研磨した可能性もある」と指摘。
「古代鏡の役割を考え直す手掛かりになれば」と話している。
URLリンク(www.nikkei.com)