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10月決断、「年内に…」米中韓関係見極め「空白」断つ
靖国神社で秋季例大祭が行われていた前後、10月中下旬のことだ。
安倍晋三首相と数人の知人が会食し、うち1人が帰り際に「靖国参拝はどうするのか」と尋ねると、首相は気負うでもなく淡々と答えた。
「年内に必ず参拝する」
おそらくこの頃には、刻々と移り変わる内外の諸情勢をなお慎重に見極めつつも、年内参拝の腹を固めていたとみられる。
首相はこれまで靖国参拝の政治問題化・外交問題化を避けるため、参拝するしないを明言しない「あいまい戦術」をとってきた。
国のために命をささげた英霊には、できるだけ静謐(せいひつ)な環境で安らいでもらいたいという思いからだ。
「御霊(みたま)安らかなれと、手を合わせてまいりました」
首相が26日の靖国参拝後、記者団にこう語ったのもその延長線上の理由からだろう。そうであっても、
このまま一国の首相が官邸にほど近い日本の領土に足を踏み入れられず、
戦没者の慰霊・追悼も自由にできない異常事態が続くことは看過できなかったのだ。
首相は平成23年11月の産経新聞のインタビューで、第1次政権で参拝できなかった自身の責任についてこう述べている。
「それ以来、首相の靖国参拝が途絶えたことでは禍根を残したと思っている」
靖国参拝のマイナス面も考え抜いた。参拝すれば中国や韓国の強い反発は避けられない。
さらに、東アジア地域に波風が立つのを嫌う同盟国の米国からも厳しい反応が飛び出すことが予想される。
首相は、特に韓国の感情的な反発に対しては「日本は韓国と戦ったわけではないし、本当に疲れる」とこぼしもした。
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