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エヴァQが微妙な理由 続き
・カヲルがシンジに対して、シンジ自身がサードインパクトを起こして世界を壊したと語っている。
しかし実際には破のラストで、カヲルが槍を投げ、サードインパクトを途中で止めている
にもかかわらず、そのような説明はカヲルからは一切なされない。
前作のラストがなかったことになっている。
・槍を2本抜けば世界をやり直せるというが、そもそもなんで槍を抜けば皆幸せに
なれるのか?その意味や原理が皆目わからない。その行為によって世界が再構築できる
というなら、観客やシンジがそれを信じるに足る説得力のある描写・説明をしろよ。
思いつきレベルの設定をクライマックスにもってくるのは勘弁。
・序や破は、多くの伏線や謎があっても、「襲来する正体不明の敵を倒す」という明快な
シナリオの縦軸があり、エンタメとして十分楽しめた。
しかしQは、登場人物が何の大義名分で戦っているのかまるでわからず不快。
環境破壊は極度に進み、絶滅寸前の人類。その中にあって、ヴィレに戦う意義などあるのか。
ゲンドウに至っては、ユイのことしか頭にない。そんな人々が対立しても内ゲバみたいなもの。
要するに、クズの大人達のエゴに子どもが翻弄されているだけの構図。
こんなクズばかりなら、もうきれいさっぱり絶滅したほうがいいのではないか。
・シンジの行動原理が破のときより幼くなっている。
破は「綾波を助けたい」という、単純ではあるが力強い動機で動いていた。
他人の言動や顔色に依存していた少年が、自らの意思で他者を救う為に立ち上がった話だった。
しかしQは、「自分が世界を壊したんだから、槍を抜いて世界をリセットしてやりなおそう」という、
後ろ向きで、根拠のあいまいな希望にすがっているようにしか見えない。
したがって、Qのシンジは、破の時点に比べると精神的に退行しているように見える。
シンジを取り巻く状況からすれば、シンジが鬱傾向になることも同情できるが、そもそも、
そこまでシンジを追い詰める状況にした脚本構成そのものに難があると言える。