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社会学者・宮台真司さんへ「脱いいね!」に関するインタビューを行いました。
宮台:今お話したオフラインとオンラインのコミュニケーションの違いを踏まえていうと、ツイッターのフォロワー数を競うとか、
Facebookのお友達が何人いるかを自慢するなんていうのは、僕にとっては何を意味するのかまったくわかりません。
嫌なのは、「自分は友達多いぞアピール」や「自分は知的だぞアピール」や「自分はイケてるぞアピール」の浅ましさです。
要は「自分はすごいぞアピール」。人を幸せにすることじゃなく、自分が幸せになることだけ考える連中から漂う腐臭が、嫌なんです。
―その「自分はイケてるぞアピール」は、世界でも行われているのですか?
宮台:ヨーロッパやアメリカの人たちには、元々は貴族文化に由来する社交の伝統があります。
知らない人たちの間で互いの尊厳を保ちつつ関係を深める作法です。だから、知り合いしか前提にできない日本人の大方がやるような、杜撰なアピールをしないんです。
三年前にアメリカの大学で連続講演をしたとき、日本の2ちゃんねるに似たサイトがあるものの全然広がらない理由を尋ねると、
「逆にアメリカ人の我々から見ると、なんで2ちゃんねるにああいう書き込みができるのかわからない」と問い返されました。
「アメリカだと、匿名性に守られて居丈高に誹謗中傷すると、友達がいないか、頭が悪いか、性格がチキンか、どれかだというふうに思われるので、
とてもじゃないが2ちゃんねるのような書き込みはできない」と言われました。本質的なコメントだと思いませんか。
Facebookも同じことです。Facebookの使い方を見ると、日本はとりわけ杜撰なアピールが多くて、腐臭が漂うので見るに耐えません(笑)。
こうした独特の腐臭と、先に話した自己情報制御コストの高さゆえに、情報感度の高い人は日本ではFacebookをやりません。
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