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朝日新聞コラム「be on Saturday」
2010-10-23
柳井正の希望を持とう
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偏狭な愛国心排すべき
もはや行き着くところまで行くしかないのだろうか。一時はそう思わせるほどの緊張が走った。尖閣諸島沖の
漁船衝突事件、日中関係のゆくえが依然、気にかかっている。
ビジネスに携わる者の目からみると、今回は日中両国政府とも「まずいやりかただな」と感じることが多かった。
お互い、主張をぶつけるが、相手の言い分には耳を貸さず、ただ非難しあうだけ。これでは対話の糸口が
見つかるはずもない。自国のみが正しいという、偏狭な愛国心ばかりがヒステリー気味に増幅することになった。
特に危うさを感じたのは、不用意に勇ましい発言を繰り返した日中双方の政治家の態度だ。勇ましい話は一見、
格好がいい。国民にも受ける。人気とりにしか思えない発言で火に油を注ぎ、メディアも「非国民」「売国奴」といった
言葉で煽った。
アジアは共存共栄をめざすしかない。すでに日中は互いに切っても切れない関係を築いている。その原点に立ち戻り、
冷静に対処することが大切だと思う。現在の結びつきの重要性に比べれば、摩擦によって失うものが、どれほど
大きいか。異論は多々あるだろうが、大局的なところで、今回の件が決定的な問題とは言えない。
実際、一部を除けば両国民とも冷静に受け止めていると聞く。メディアよりも人々の方が冷静なのだ。大国意識を
もつようになった中国、そして日本も、大国にふさわしい、大人の外交が求められる時代である。