12/08/13 17:49:49.87 sK2bGEyv0
>>628続き
Tは一時期、生徒会の役員を務めたこともあるが、その事実すら覚えている者は少ない。
「生徒会なんて誰もやりたがらない雑用係みたいなものだったから、みんなでTに押し付けたに違いない」と断言する元同級生もいた。
存在感のなさ―その一点のみで、Tは同じ教室で過ごした者たちの記憶の端に、かろうじてぶら下がっているだけだ。
卒業アルバムにはTのあどけない笑顔の写真が収められている。高校生にしてはやけに幼く、突けばすぐにでも泣き出しそうなその表情に、
私は気の遠くなるような“距離感”を覚えた。
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