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韓国サムスングループが日本人技術者の引き抜き攻勢を強めている。
巨額の赤字に苦しむ国内電機各社による事業縮小と人員削減。
開発環境や処遇が悪化すれば優秀な技術者が自ら会社を離れても不思議はない。
日本が先行する技術が人材とともに流出すれば、大きな競争力格差が生じかねず、
逆境の今こそ持ち前の技術をビジネスに活かす人材戦略が必要だ。
「ここ半年、人事担当役員が直接、コンタクトしてくる」―。某大手ヘッドハンターがサムスン電子
などサムスングループによる日本人技術者引き抜きの様子を打ち明ける。
これまでは日本に常駐するヘッドハンティング専門部隊が打診してきたが、
最近は給与を即決できる役員からの「一本釣り」も多いと語る。
ハイテク業界で10年以上のキャリアを持つこのヘッドハンターによると、
普段は東京、横浜、大阪に常駐している各10人前後のサムスンのヘッドハンティング部隊が独自に作成した
人材候補リストを手に定期的に電話をかけてくる。だが、このところは役員が直々にヘッドハンターに働きかけ、
年収の交渉に応じるなど採用のスピードを早めているという。
ロイターが独自に入手したサムスンの人材候補者リストには数十人の名前が並ぶ。
社名、所属部署、年齢(30―50代)、会社と自宅の電話番号、メールアドレス、実家の住所まで入っている人もいる。
技術者の担当分野はリチウムイオン電池、太陽光発電、エアコンのインバータ技術などで、
いずれも日本企業が最先端の領域。勤務先はパナソニック、シャープ、東芝、ダイキン工業、三菱電機などだ。
ある技術者に提示されたサムスンの処遇はこうだ。役職は取締役。年収は6000万―1億円で、契約期間は3―5年。
年収とは別に、転職に伴う契約金が数千万円支払われる。
URLリンク(jp.reuters.com)