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事故当日の２３日午後１１時３０分頃。運転していた少年（１８）（逮捕）の父親（４７）は亀岡署に電話した。
「おわびしたいので、情報が欲しい」。父親は被害者の連絡先の提供を依頼した。
日付が変わった２４日午前０時過ぎ。同署を訪れた父親と少年の伯父（５１）に、応対した交通課の係長（警部補）は
１枚のメモ（Ａ４判）を手渡した。わざわざ部下に指示して作らせた１０人の全被害者のリストだった。
わずか３０分ほどで、被害者らの個人情報が集められていた。リストには求められた連絡先だけでなく、
全員の生年月日や搬送先の病院名までも載っていた。
「係長はリストを渡してもいいと安易に判断したのだろう」と府警幹部は言う。
当時は、多くの署員が署に残り、暴走事故の処理や捜査に当たっていた。係長もその一人だった。
リストには犠牲になった松村幸姫(ゆきひ)さん（２６）の電話番号だけがなく父親はＮＴＴの番号案内サービスなどで
調べたがわからなかった。
そこで伯父が思い出したのが安詳小の東佳明教頭（５１）だった。
東教頭は十数年前、別の小学校時代、子どもの担任教諭だった。
伯父は２４日午後、安詳小にいた東教頭に数年ぶりに電話をかけた。少年の親戚だと明かし、「松村さんの
連絡先と葬儀日程を教えてほしい」と頼んだという。
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