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2002年、大阪で1歳の男の子と母親が殺害された事件で、いったん死刑判決を受けた義理の父親に、無罪が言い渡された。
逆転判決の決め手となったのは、たばこの吸い殻をめぐる、大阪府警のずさんな証拠管理だった。
つい先日、警部による証拠捏造(ねつぞう)が発覚したばかりで、またもや消せぬ失態が加わった。
無罪判決を受けたのは、大阪刑務所の刑務官・森 健充(たけみつ)被告(54)。
森被告は2002年、大阪市のマンションで、義理の娘の森 まゆみさん(当時28)と、当時1歳の孫・瞳真(とうま)ちゃんを殺害し、部屋に放火したとして、殺人などの罪に問われていた。
森被告は「その日にマンションに行っていない」と、無罪を主張していたが、現場のマンションで見つかった72本のたばこの吸い殻の1本に、森被告の唾液がついていたことなどから、これまでに死刑判決を受けていた。
しかし、そのたばこの吸い殻について、最高裁判所が「事件より前に捨てられた可能性が指摘されているのに、審理が尽くされていない」と、裁判のやり直しを命じていた。
15日の判決で、大阪地裁は「森被告が事件当時、現場にいたと認識するのは困難」などと結論。
また、大阪府警が71本の吸い殻を紛失し、再鑑定できなくなったことについて「繰り返されてはならない」と苦言を呈した。
まゆみさんの母・明石隆子さんは「10年目に下された刑が無罪だなんて、残酷ですよね。現にこの子らは亡くなっているんですからね」などと話した。
無罪判決について、森被告は弁護人を通じて「必ずこの日が来ると信じていました」とコメントを発表している。
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