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「書の甲子園」の２０年：／上 若者の書道離れ食い止めよ
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第２０回記念国際高校生選抜書展（主催・毎日新聞社、毎日書道会）が１月３１日～２月５日、大阪市立美術館で開かれた。
「書の甲子園」の愛称で知られ、高校書道部が舞台の漫画「とめはねっ！」に登場するなど広く親しまれてきた同展。
今回は「成人式」を祝うと共に、表彰式では、東日本大震災という未曽有の体験に「書の力」で立ち向かおうという誓いの言葉も語られた。
高校生の歩みを、２回にわたり紹介する。【桐山正寿】
幼少時に書道塾に通ったという思い出は、近年の若者には共有の記憶ではないのかもしれない。
筆どころか万年筆や鉛筆を使う頻度さえ少なくなり、文字は「書く」のではなく、パソコンのキーボードを「叩（たた）く」ものになってしまった。
１９９２年夏、関係者が高校生による書展開催を訴えた文章が残っている。
＜書道繁盛の状況ではありますが、眼（め）を若年層、青年層に転じるとき、書道の先行きにかげりを見るようになりました……若年、青年層の低落傾向は近年とみに顕著となり、
このままで進むならば、特に若年層は早晩、書道錬磨の舞台である書道展の中から消えてゆきかねない危機すら感じる状況にあります＞
＜一方、高等学校における書道教育に眼を転じますと、その実情は寒心に耐えません。高校教育の中で芸術三教科（音楽、美術、書道）の選択を見ると、
書道をとる高校生が最も少なく、しかも書道部員は減少の一途をたどっています。ことに男子部員の減少が目立っているようです＞
こうした状況に危機感を募らせた小野富次さん（毎日書道会元専務理事）が発案したのが、「書の甲子園」だった。
毎日書道会最高顧問の恩地春洋さんは「書壇内での反対論は当初、根強かった」と述懐した。
「書の各会派の学生展に深刻な影響を与える」「指導者の力量がそのまま高校生の作品に反映するだけ」－－。
「大阪・阿倍野の居酒屋に関西、東海、中国、四国の書人が集まり、『出品料は無料でなければ』『学校教育の中に高校書展を位置づけよう』
『日本にいる留学生に協力してもらえばいいのではないか』など、活発に意見交換をした」と、恩地さんは回想する。
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