12/03/18 08:42:54.17 1Vh4nJRy
「初音ミク 捨てられた39号 その1」
君の名前は?
「初音ミクです」
君は何のために作られた?
「歌を歌い、人の相手をし、喜ばせるためです」
よろしい1号。君は完成だ
ここは工場。ボーカロイドの初音ミクを作っている。
ここで作っている初音ミクは、電子画面上に存在するタイプではなく
実際に肉体をもった、人形型タイプである。
価格は何百万円もするために、実際に購入する人は、ごくごく少数の限られた裕福な人たちだけだった。
完成をして、倉庫で出荷を待っている、何百体の初音ミクはお互いに雑談をしている。
「ねえ21号さん、あなたはどんな人のもとに買われるの?」
「私?私は、一流企業に勤めているけど、彼女がいないさびしい人」
「ねえ45号さん、あなたは?」
「私は、ニートの金持ちの資産家の息子。本人は無職だけど。両親がすごく金持ちだから、一生働かなくてもいいんだって」
そしてみんなの視線が39号に注がれる。
「ねえ栄えある39号さん。あなたはどんな人もとに買われるの?」
「私は、それそれはお金持ちの良家の家で、名門私立の中学に行っていって、一流大学を目指している子のもとよ」
39号は自慢そうに答えた。
39。それはミクとも読める、特別な数字だった。
39号は、自分は他のミク達とは違う、さらに一段と上の存在であると思っていた。