13/05/10 23:58:10.25 jP6Sx6PV0
>>759の続き
そのファイルを取り出し、数字を計算してエクセルに入力すると、なんと、それが正しい数字なら結果欄に「○」が、
1円でも違うと「×」が出るのだ。これは、誰かがあらかじめ、ちゃんと計算して正解を出している、ということに
ほかならない。ならば、その計算をした人間が、その時に書き込んでおけばよかっただけの話である。その「誰か」とは、
恐らく東電社員だろう。PDFファイルにはその東電社員と思われる、この請求書類をもともと計算し、決定した担当者の
名前まで入っていた。まるで出題者が東電で、われわれに「この数字は、どうやって出したでしょう?」と
クイズを出しているような仕事だった。
こうしたことだけでもストレスの多い仕事だったが、ある時、それすら吹き飛ぶ決定的な書類を発見してしまった。
資料の中にあった「同意書」というファイルを、たまたま開くと、なんと、計算で「○」となった数字の金額で
同意する─という請求者の署名付きの書類があり、しかも、その支払日が昨年1月から8月。つまり、もうとっくに
支払いが済んでいる案件だったのだ。支払い済みの計算を、なぜもう1回やるのか。研修資料には「過去請求書のPDFから、
データ化を行う」という一文があった。過去の請求資料をデータ化するというのが目的だったとしても、あまりにも時間と
カネと労力がかかっている。
これは壮大な無駄ではないのか。耐えきれず、派遣会社社員を問いただすと、「見てはいけない資料を見た!」と逆ギレされた。
しかし、不信感は私だけではなく、オフィスの一部で確実に漂っていた。
これに続く仕事はさらにひどいものだった。生年月日を調べて転記する、という作業だったが、そもそも年齢で補償金額が
変わることはない。元資料を見ると、東電とかかわること自体が嫌で、委任状添付で弁護士に任せているような人たちを
分別したものだった。
当然、それらの人たちに委任状以外の資料は何もなく、従って生年月日など探しようもない。まれに生年月日を手書きで
記した書類が含まれていて、その取り扱いを巡って何度も会議が開かれ、結局、2日を費やしてようやく方針が決まり、
本作業となった。