13/05/09 00:31:46.72 58siRUkm0
>>758、の続き
一つの作業項目は長くて1週間、短いと1日で終わり、また研修、そして作業と続く。ただでさえ効率が悪い上、
なにか起きれば会議で中断され、おまけにエクセルのソフト不具合やサーバー不具合で半日から数日、作業が止まる
こともざら。さらには、作業のためのデータがそろっていなくて進められない、という事態も頻発した。
結局、私が在籍した5カ月間で、“有意義”な仕事をしたのは全就労時間の3分の1程度だったのではないか。事実、
作業が中断するたびに、派遣社員の間から「1日でできることを4日でやる会社」という声が囁かれ始めた。
その後ろめたさのせいか、体力的にはラクな仕事だったが、辞めていく人が相次いだ。派遣会社は人員増に躍起に
なっていて、昨夏には、われわれに対して、誰かが面接に来てくれたら5千円、契約したら3万円という破格の
“紹介キャンペーン”まで提示。昨年9月ごろには、ほかの派遣会社も含めて人員は2千人ほどにまで膨らんだ。
単純計算すれば、派遣会社がわれわれに支払う人件費だけでも月3億~4億円。東電につぎ込んだ税金が、こんな形で
使われていたのである。
人員増に比例して、仕事内容はずさんさを増した。
たとえば、被災後、時間がたってからの慰謝料請求の書類には、避難先の住民票が添付されているが、これには別途、
震災時に被災地に住んでいたという証明が必要となる。
マニュアルには“従前住所を記載”とあるが、住民票には「従前住所」とか「転出元住所」とか「以前の住所」とか、
自治体によって呼び方が違っていた。そのためマニュアルにない文言をどう解釈するかで、また何日も潰れるのだ。
コントのようなことを真顔で相談する派遣会社の社員たち。私はたまりかねて、
「それぞれの役場に電話して聞けば、1分で答えが出ますよ」
と提案したが、あっさり無視された。
そして秋になり、決定的な“事件”が起きた。「就労不能損害請求」を処理する作業をしていた時のことだ。これは
震災でもらえなくなった賃金を補填する請求で、震災前の収入の平均をもとに計算するのだが、マニュアルには、指定の
PDFファイル以外からの転記禁止となっていた。