日本の教育に消費者主権の市場原理の導入を◆at EDU
日本の教育に消費者主権の市場原理の導入を◆ - 暇つぶし2ch150: ◆RRvyEK5G6s
07/07/14 20:32:27 gnulYjU0

/// 国公立学校・学校法人至上主義の破綻 56 /////

 文部科学省の主張は、憲法遵守義務があるはずの公務員の憲法の読み方
としてもずさん極まりない。しかし、より問題なのは、いったん学校法人という
形式さえ備えればその主体の行なうことを無限定に許し、さまざまな恩典どころか、
法律によって参入規制の権限まで与えるのに、株式会社という形式による
学校に対してはとことん冷たい仕打ちをし続けてもかまわない、というその
思考法である。これはおよそ、社会科学的な方法とは相容れない。文部科学省には、
「自らの信じたい世界」ではなく「現実の変化」に基づいた施策を望みたい。
 学校法人や公立学校という「物」や制度それ自体が立派で貴いわけではない。
NPOだろうが、株式会社だろうが、改育を営むという「働き」が適切でさえあれば、
それによって貴さを備えるのである。「物」にこだわり、「働き」を軽んじる
考え方からは、消費者を満足させる教育など生じようがないはずだ。

////////////////////////// 福井 秀夫 (著) ///



151:実習生さん
07/07/14 22:02:20 K0IPavrY
1円拾って猫ばばしても犯罪は犯罪。
でも、立件されるかどうかは別だろ。
犯罪と犯罪者の区別も付かないとは、
聞いたよってここまで馬鹿だったとは・・・。

152: ◆RRvyEK5G6s
07/07/21 18:46:55 RSwVdJ9y

/////////////////////////////// 官の詭弁学 ///

 官の詭弁学―誰が規制を変えたくないのか
 福井 秀夫 (著)、価格:¥1,680(税込)
 日本経済新聞社、2004年8月発行、 ISBN:4532351049

URLリンク(item.rakuten.co.jp)
URLリンク(www.bk1.co.jp)
URLリンク(bookweb.kinokuniya.co.jp)
URLリンク(www.amazon.co.jp)
URLリンク(www.7andy.jp)

/// 日本経済新聞社より絶賛発売中! ///////////



153: ◆RRvyEK5G6s
07/07/25 21:27:51 Cu53euMT

/// 国公立学校・学校法人至上主義の破綻 57 //////

    バウチャーの正当性

 バウチャー(教育切符)は、消費者に分配するものであって、消費者が
学校選択の自由を保持している以上、「公金……は、……教育……の
事業に対し……支出し……てはならない」として、事業者への公金支出を
禁じる憲法八十九条後段の問題とはなり得ない。特定の宗教教育学校への
入学が有利になるような特殊な条件を付したバウチャーである限りにおいて、
憲法八十九条後段の違憲問題が発生し得るのみである。

/////////////////////////// 日本経済新聞社 ///




154: ◆RRvyEK5G6s
07/07/28 22:17:17 WHRFf2Le

/// 国公立学校・学校法人至上主義の破綻 58 ////////

 そのような意味で、実は憲法八十九条は、バウチャー制度に対してきわめて
好意的である。憲法ニ十六条を考え合わせても、消費者の教育を受ける権利を
助長するのは、本来消費者に対する補助であって、消費者が供給者たる学校や
教師を選択し得るという自由が確保されて初めて、教育機関間、教師間相互の
競争が発生する。バウチャーは、憲法が想定する健全な市場経済秩序とも
親和的であって、政策的にみれば、バウチャーのシステムには、憲法との関係でも、
社会的余剰の増大という経済学的福利厚生の観点でも、合理性こそ認められても、
不都合は認められない。

///////////////////////////// 2004年8月発行 ///




155: ◆RRvyEK5G6s
07/08/01 22:15:59 eAgudk6k

/// 国公立学校・学校法人至上主義の破綻 59 /////////

 現在、生徒・学生一人当たりの年間公的補助額は、私立中学二十七.六万円に対して
公立中学百五.六万円。私立高校二十八.三万円に対して公立高校八十二.九万円、
私立大学十七万円に対して国立大学百六十七.六万円(規制改革・民間開放推進会議調べ)
であり、私立学校の生徒・学生は公的補助で極端に冷遇されている。
 私立学校の生徒や保護者は、授業料を通じて、ほとんど自前でサービスの対価を
支払うのに加え、納税を通じて公立学校の生徒・学生のための多額の助成金まで
支払っており、二重の負担を強いられているのである。

/////////////////////////////// ¥1,680(税込) ///




156: ◆RRvyEK5G6s
07/08/05 22:45:21 VHm0faIC

/// 国公立学校・学校法人至上主義の破綻 60 ///////////

サービス内容が相互に代替的であるにもかかわらず、一方を選ぶときだけ
自ら納めた税金に見合う分すら取り上げるという仕打ちは不公正そのもの
である。バウチャーは、生徒や学生の一人一人を平等に扱うものであり、
現行のように恣意的な助成制度よりもはるかに健全な制度といえる。
 なお、バウチャーに対しては、手続きが煩雑になり、内政支出の拡大に
つながるという批判が見られるが、基本的には学校や義務教育制度が
ある以上、どちらにせよ対象となる児童生徒の公的なデータベースは
存在しなければならない。

/////////////////////////////////// 官の詭弁学 ///




157:実習生さん
07/08/12 10:44:46 cnhNLfCQ
市場原理→(総理の)私情原理

158: ◆RRvyEK5G6s
07/08/12 19:44:40 rEywOErq

/// 国公立学校・学校法人至上主義の破綻 61 ///////

バウチャー制度の設計いかんによって、技術的に容易な方法とすることは
可能であって、事務量の増大など想定できない。むしろ現行の補助金交付
手続きの不透明、煩瑣さや、学校法人への補助金を通じて一部官僚の天下りの
温床が形成されているという実態よりは、はるかに健全で民主主義的な制度であると
想定できよう。現実的には、学生一人当たり単価に在学生数を乗じた金額を
基準として学校に交付される助成は、バウチャーと同じである。
 また、文科省は、「利用者補助では、著しく少人数しか学生が在籍しておらず、
教育効果が上がっているとは言い難いような学校に対しても、当該人数分の
補助金が流れることになるため、競争がもたらす効率化が損なわれる」
(総合規制改革会議への提出資料)と批判するが、理由がない。

///////////////// 誰が規制を変えたくないのか ///





159:実習生さん
07/08/12 19:47:02 uMeRKgUQ
「日本は自由主義であるが、教育界・学界・出版界ではいまだに『マルクスとフロイト
に代表される迷信の時代』(ハイエク)が続いており、日本は今も『思想における北朝
鮮』の観を呈している。日本人の頭が左翼イデオロギーの思想に汚染された、奇怪な状
況を見るにつけ、二十一世紀日本とは自由社会ではなく、一九九一年に滅んだ”二〇世
紀のソ連”が再来していると思わざるをえない」


160: ◆RRvyEK5G6s
07/08/18 18:57:18 AMdngxIO

/// 国公立学校・学校法人至上主義の破綻 62 //////

 情報開示の徹底がない場合には、そのような誤った選択が情報の非対称により
消費者に発生する可能性はある。これに対する手当ては、むしろ文科省自身が、
自らの責任として情報開示を図る政策を徹底的に講じることである。他の条件が
一定のとき、官僚の裁量による供給者への助成よりも客観基準による消費者への
バウチャー交付の方が「競争がもたらす効率化」効果は大きい。その逆の主張は
笑止というほかない。
 過疎地域等の小規模校の場合、規模の関係から十分な資金を得ることができない、
という文科省の批判も当たらない。学校を維持する政策的な必然性がある場合に
おいて、過疎地域等の生徒が当該地域内の学校を選択するときには、バウチャーを
増額すればよいだけのことだ。

//////////////////////////// 福井 秀夫 (著) ///




161: ◆RRvyEK5G6s
07/08/22 23:03:11 Ui8c8ZGi

/// 国公立学校・学校法人至上主義の破綻 63 ///////

 教育条件の格差が生じたり、学生の志望に応じての機動的な対応が困難と
なったりするという批判も当たらない。そのような対応が可能となるようにするために、
すべての学校法人に対してでさえあれば、政府機関が完全に消費者の利害を
代弁して監督できる、と想定することこそ空想にほかならない。文科省は、
消費者自身よりも消費者の効用に関する判断が賢明にできる、という命題が
成り立たない限り、消費者の選択肢を政府が、否定することの合理性はない。
情報開示の徹底がある限り、消費者自身の選択にゆだねるバウチャー制度の方が、
文科省という、消費者としての利害のない政府機関の恩恵措置に頼る制度よりは、
少なくともよりましな制度であることは疑いない。・・・・・

/////////////////////////// 日本経済新聞社 ///




162: ◆RRvyEK5G6s
07/08/25 21:27:36 ViNfbtQd

/////////////////////////////// 官の詭弁学 ///

 官の詭弁学―誰が規制を変えたくないのか
 福井 秀夫 (著)、価格:¥1,680(税込)
 日本経済新聞社、2004年8月発行、 ISBN:4532351049

URLリンク(item.rakuten.co.jp)
URLリンク(www.bk1.co.jp)
URLリンク(bookweb.kinokuniya.co.jp)
URLリンク(www.amazon.co.jp)
URLリンク(www.7andy.jp)

/// 日本経済新聞社より絶賛発売中! ///////////



163: ◆RRvyEK5G6s
07/09/04 22:17:14 c6jjj9sU

/// 国公立学校・学校法人至上主義の破綻 64 /////

    4 NPO法人をなぜいじめるのか

 構造改革特区では、株式会社、NPO法人による学校設置が認められたが、
実は設置できる学校の範囲には両者で大きな違いがある。株式会社については、
「地域の特性を生かした教育の実施の必要性、地域産業を担う人材の育成の
必要性その他の特別の事情に対応するための教育又は研究」(構造改革特別区域法
十二条一項)を行う場合とされ、事実上その教育内容に制約はない。

/////////////////////////// 2004年8月発行 ///





164: ◆RRvyEK5G6s
07/09/11 22:13:58 LBF3y+zf

/// 国公立学校・学校法人至上主義の破綻 65 /////

 これに村して、NPO法人が特区で営む学校の教育については、学校生活への
適応が困難であるため相当の期間学校……を欠席していると認められる児童……
又は発達の障害により学習上若しくは行動上著しい困難を伴うため教育上特別の
指導が必要であると認められる児童……を対象として、当該構造改革特別区域に
所在する学校の設置者による教育によっては満たされない特別の需要に応ずる
ための教育」(同法十三条一項)という限定がなされている。
 実際にはNPO法人は、地道だが重要な成果を収めている。不登校児等の
教育に限らず、地域住民のニーズに応えて、英語教育、理数科教育、スポーツ、
芸術等に重点を置く教育においても実績を上げてきている。しかし、これらの多くは
「不登校児等」という極端に狭い制約の下で、学校教育としての認知を受ける
ことができないままだ。

//////////////////////////// ¥1,680(税込) ///





165: ◆RRvyEK5G6s
07/09/13 23:14:30 1mxycQ3n

/// 国公立学校・学校法人至上主義の破綻 66 ///////////

 二〇〇三年十一月に行われた構造改革特区第四次提案募集では、全国
十一もの主体から不登校児等を対象とするのでなくてもNPO法人による学校設置を
容認すべき旨の提案が寄せられた。これに対して文部科学省は、「NPO法人は
法人としての継続性・安定性に不安がある」としており、「特区における実施状況
についての評価が必要であり、実施状況の評価を経ないまま対象範囲を拡大する
ことは困難」だと答えている。
 要するにNPO法人に対する規制の根拠は、「法人としての継続性・安定性に
不安があること」の一言だけだ。これに対して内閣官房構造改革特区推進室から
「継続性・安定性の確保と不登校児童生徒等対象に限定することとは関連性は
見られない」との指摘がなされているが、文部科学省からは支離滅裂な説明しか
聞くことはできない。

////////////////////////////////// 官の詭弁学 ///




166: ◆RRvyEK5G6s
07/09/17 23:07:52 d+x8BzSH

/// 国公立学校・学校法人至上主義の破綻 67 /////

        口から出まかせ

【八代尚宏主査】 もともと不登校児については、継続性・安定性の不安が
あるにもかかわらず認めたと、それについて何らの弊害も、特にNPO法人の方が
学校法人よりも経営の不安定性があるということは別に立証されていないわけ
ですから、特にそれを関連づける必要性はないのではないか。なぜNPOがもっと
いろいろ多様な、例えばスポーツであるとか、理数科教育であるとか、いろんな
形の提案が出ているわけで、広く認めることで、どういう弊害があるのか
ということを、そちらの方からむしろ立証していただく必要があるのではないか
というふうに考えるわけです。
 もう一つは、株式会社を認めていただいたわけなのですが、なぜ株式会社の
方は不登校児以外でもできて、NPOでやってはいけないのかという、この
株式会社の対比についてもご説明いただきたい。

/////////////// 誰が規制を変えたくないのか ///





167: ◆RRvyEK5G6s
07/09/27 23:17:50 vg/jGyvr

/// 国公立学校・学校法人至上主義の破綻 68 /////////

【岩本健吾文部科学省行政改革推進室長】 やはりそれなりの政策上の必要性、
株式会社でないとできないようなものがかなりあるのではないかということも
あって、そういうふうな特別なニーズということでとらえているわけでございます。

【久保公人文部科学省高等教育局私学行政課長】 そもそも学校法人になれば
財政的税制上も優遇……。

【八代主査】 公的資金、私的助成の話は別途議論しています。

【久保課長】 別にNPOで学校経営をできるようにだけ認めたわけではなくて、
学校法人もなりやすく、土地、建物も、借用でもNPOのままで学校法人に
なれるようにしたわけですから、現にその方向でもいける……。

/////////////////////////////// 福井 秀夫 (著) ///




168: ◆RRvyEK5G6s
07/10/02 23:03:43 Hh5jEoXj

/// 国公立学校・学校法人至上主義の破綻 69 ///////

【八代主査】 関係ない意見なので、ちょっと議論を混乱させるので
やめていただきたいのですけれども。

【久保課長】 そのままで、なぜそうなるかというと、NPO法人は、基本的に
NPO団体は学校法人になりたい、だから、そういうふうに動いておられる……。

【八代主査】 それは余計な話で、そういう学校法人になりたいNPOもあるかも
しれませんけれども、別に考えていないNPOもあるわけですから、なぜそう
学校法人至上主義なのですか。学校法人ができないことしかNPOにやらせない
のではなくて、学校法人ができることだってNPOにやらせて、対等な競争を
やらすという考え方がなぜないかということです。

【福井専門委員】 (著者)だんだんずれるので、もう一回もとに戻しますが、
何でNPO法人は継続性・安定性に不安があって、何で株式会社には
不安がないのですか。

/////////////////////////// 日本経済新聞社 ///




169: ◆RRvyEK5G6s
07/10/06 21:51:08 FqgMSVmB

/// 国公立学校・学校法人至上主義の破綻 70 ////////

【岩本室長】 特に株式会社に不安がないというふうに思っているわけでは
ございません。それは度合いの問題でございまして、当然、株式会社にも
不安があるからこそ、すぐ設置主体として認められていないという部分があって、
特区で試みをしていこうということでございまして。

【福井専門委員】 そういう話じゃなくて、ここでの論点は、特区の中で株式会社に
ついては不登校児以外も含めて認められていて、NPO法人は不登校児等だけが
認められていることの理由でしょう。その二つの違いを説明される根拠が
継統牲・安定性にNPO法人は不安があるというのだから、その限りにおいて
何が違うのか具体的に教えていただけませんか。

【岩本室長】 私どもはいろいろ制度設計した際に、株式会社については、先ほど
学校法人至上主義という話がございましたけれども、基本的に株式会社の
場合は、なかなか学校法人の方に転換するのは難しいのではないかと。

//////////////////////////// 2004年8月発行 ///




170: ◆RRvyEK5G6s
07/10/09 23:27:16 DXa/Y9vu

/// 国公立学校・学校法人至上主義の破綻 71 ///////

【福井専門委員】 そうじゃなくて、NPOと株式会社の違いを教えてください
というのが質問です。

【岩本室長】 一つは、NPOは非営利類型であると、それから株式会社は
営利類型である。

【福井専門委員】 非営利類型の方が継続性・安定性に不安があるということは、
学校法人も同じではないのですか。

【岩本室長】 株式会社の方は、やはり相当ないろんなニーズがあるわけですね。

【福井専門委員】 ニーズじゃなくて、これは弊害でしょう。継続性・安定性に
不安がある方の程度の高いのがNPOで、株式会社はそうではないということを
自ら宣言されているのだから、宣言していることの論拠ぐらい示せなくて
どうするのですか。

///////////////////////////// ¥1,680(税込) ///




171: ◆RRvyEK5G6s
07/10/11 22:56:32 DaIBHeu+

/// 国公立学校・学校法人至上主義の破綻 72 /////

【岩本室長】 それで、答えになってているかあれなのですが、私どもの考え方
としては一方で継続・安定性に不安があるけれども、それなりのニーズが
あれば特区として試みていこうというような……。

【福井専門委員】 分けて議論してください。ニーズじゃなくて、弊害のことだけ
お聞きしているので、そこで違いがあるのかないのか端的にお答えください。

【八代主査】 これはなぜ株式会社で認めたことをNPOでは認められないのか
という非常にシンプルな疑問なのですね。つまり、不登校という制約がなぜ
NPO法人だけにあって株式会社にないのか。その論拠を教えていただきたい
ということなのです。

//////////////////////////// 官の詭弁学 ///




172: ◆RRvyEK5G6s
07/10/13 21:54:54 LxIf5biu

/// 国公立学校・学校法人至上主義の破綻 73 ////////

【岩本室長】 NPO法人についても、株式会社についても、具体的に法人格を
取得するという点においては、どららも、特に簡便になれるという意味では同じ
だと思うのですけれども、ただ、株式会社は経営的には、株式を発行したりとか、
ガバナンスの点でも、それなりの基盤というのはあるのではないか、そういう
議論をしてきたのではないかと思うのですね。ただ、NPOについては、やっぱり
実態から見てみますと、極めて簡便に法人格を取得し、かつ規制もほとんど
ない状態なのですね。

【福井専門委員】 株式会社に対する規制とNPOに対する規制と法令の根拠に
即して具体的に幾つか拳げていただけませんか。

/////////////////// 誰が規制を変えたくないのか ///




173:実習生さん
07/10/13 23:38:58 t/R2LvOE
市場原理にした方が
有能は教員が報われるかもね
でも
DQN親子の学校は、誰も相手にしなくなるわ

174: ◆RRvyEK5G6s
07/10/16 23:13:41 vDf7cOoS

/// 国公立学校・学校法人至上主義の破綻 74 ///////

【岩本室長】 私は規制の違いを申し上げているわけではありません。したがって
手元に条文で整理してきておりません。

【福井専門委員】 法文じゃなくても、具体例を一つも拳げられないのに、何で
ごまかそうというような、そういういい加減な発言されるのですか。前提は
法令なのだから、根拠のあることだけ発言してください。

【久保課長】 増資ができるとかいろいろあるでしょう。

【福井専門委員】 今、NPOは規制がいい加減で、株式会社はガバナンスが
しっかりしているとおっしゃったから、だったら、それを称する具体的な例を
幾つかでも拳げてくださいということです。

【久保課長】 取締役会を置くとか、情報公開とか……。

///////////////////////////// 福井 秀夫 (著) ///




175:実習生さん
07/10/16 23:32:37 2UtsUVq2
やればわかるけど塾と違いが無くなるし、
生徒も親も余計コントロール不能になり失望やウツ病、過労で教師が辞める。

176: ◆RRvyEK5G6s
07/10/19 22:25:29 3g1F2GgO

/// 国公立学校・学校法人至上主義の破綻 75 /////////

【福井専門委員】 発言された御本人にお聞きしたいですね、何か考えがあって
おっしゃったのでしょうから。

【久保課長】 文科省で我々は同じなのですよ。

【福井専門委員】 発言者がわかって言っておられないということは、こういう
公開の場の公式見解を述べる場として極めて不適切じゃないでしょうか。
事前に勉強もされていないし、思いつきのことを、法令の根拠もないのに
公開ヒアリングの場でおっしゃるということ自休が私は非常に不思議に思います。
 (中略)

【福井専門委員】 NPO法人の善し悪しについて議論しているのだから、
株式会社はよくて、NPOがだめだということの中身を議論するのが建設的
だと思います。

////////////////////////// 日本経済新聞社 ///



177: ◆RRvyEK5G6s
07/10/21 21:43:08 p1aVYykz

/// 国公立学校・学校法人至上主義の破綻 76 /////

【久保課長】 それは実態を踏まえて、やるべきで、そういう観念論だけで言っても
仕方がないのではないですか。

【福井専門委員】 この回答自体が観念論じゃないですか。法人としての継統性・
安定性に不安があると、何度聞いても具体的な答えができないような、そういう
抽象論を一行書いておられるだけだから、それを説明するのが先決でしょう。

【久保課長】 一行?この再回答を見てください。十数行、これを見てわかりませんか。

【福井専門委員】 弊害について、この一行以外にどこに書いてあるのですか。

 (二〇〇四年一一月二日総合規制改革会議第二回構造改革特区提案および
規制改革全国要望に関する意見交換会議事概要より)

////////////////////////// 2004年8月発行 ///




178:実習生さん
07/10/21 22:22:11 dQJ8KNi2
消費者も勉強して賢くならなきゃね
イツまでも学校におんぶにだっこじゃぁーねぇー
自己努力も必要だと思いますよ、

179: ◆RRvyEK5G6s
07/10/25 22:31:53 qP+dXEnd

/// 国公立学校・学校法人至上主義の破綻 77 /////

 ここでの論点は、言うまでもなく、株式会社であれば対象の限定なくあらゆる種類の
学校教育ができるのに対して、NPO法人が行う場合に限っては不登校児等を対象
とした教育しかできないことの論拠は何か、ということである。
 壊れたテープレコーダーのように繰り返し議論で出てくるのは、とにかくNPO法人は
継続性・安定性の面で不安がある、NPO法人のまま教育を行わなくても、学校法人に
なりやすくしてやったのだから学校法人になればよい、株式会社とNPO法人との規制の
違いは具体的には一つも答えられないが、NPO法人は簡単に法人格を取れるし、
規制もほとんどない、一行どころか実際には一言にすぎない、自らが公文書で示した
NPO法人の弊害の論拠を十数行と言いくるめようとする、などの的を射ない答弁である。

////////////////////////// ¥1,680(税込) ///



180: ◆RRvyEK5G6s
07/10/27 22:55:33 7fV2VSzQ

/// 国公立学校・学校法人至上主義の破綻 78 /////

 文部科学省は、自己の直接の支配下にある「学校法人」形態に何とかして学校を誘導
したいのかもしれないが、当事者はNPO法人のまま多様な教育を行いたいと要望している
のだから、それに対してまともに応えるのがまともな官庁のあり方だろう。どの法人形態を
選ぶかは当事者が決めることだ。問題は、NPO法人という形態で不登校児等向け以外の
学校教育を行うことに具体的に何らかの弊害があるかどうかなのである。その点に
答えたくないせいか、答えられないせいかはわからないが、論点をはぐらかし続ける
のでは、政策に責任を持つ行政庁職員の態度とは到底思えない。
 いみじくも非営利法人のNPO法人は、営利法人の株式会社よりも「継続性・安定性」に
不安がある、と自白しているのは笑止である。それが正しいなら、文部科学省の愛して
やまない学校法人という非営利法人の方が、営利法人の株式会社よりもはるかに
「継続性・安定性」に不安があることになる。つじつまの合う説明を聞きたいものである。

///////////////////////////// 官の詭弁学 ///



181: ◆RRvyEK5G6s
07/10/31 22:59:55 mGsMhJfn

/// 国公立学校・学校法人至上主義の破綻 79 /////

 NPOは簡便に法人格を取得し、規制もほとんどないなどという発言にいたっては
恐れ入るというほかない。株式会社の設立に当たって、主務官庁の関与なしに
公証人の認証だけで当然に法人になれる。これに対して、NPO法人の認証は国や
都道府県が行っているという事実を承知していないのか。
 しかも、NPO法人には事業報告書等の備え置きや閲覧の義務があり、所轄庁による
一般国民への閲覧義務、検査・改善命令、設立認証の取消しなどの監督措置が
存在している。何を根拠に株式会社のガバナンスシステムと比べて「規制もほとんどない」
などという評価ができるのか。当の争点に関して、法制度の基本すら理解していない
担当職員が、根拠なくNPO法人は継続性・安定性に不安があるとひたすら連呼
し続けるのだから、これではせっかくできたNPO法人制度も救われまい。
 また、文科省は、特区提案とは現行の規制の合理性を問い直す手続きだという
仕組みそのものも理解できないらしい。・・・・・

//////////////// 誰が規制を変えたくないのか ///




182: ◆RRvyEK5G6s
07/11/04 22:35:03 LpNhQnW/

/// 国公立学校・学校法人至上主義の破綻 80 /////

福井 秀夫 (著)、官の詭弁学―誰が規制を変えたくないのか
日本経済新聞社、2004年8月発行、¥1,680(税込) より

・・・・・
    私学助成の論理矛盾

 文部科学省は、株式会社やNPO法人の設置する学校に対しては、一切私学助成は
できないとがんばっている。ところが、その理由として憲法八十九条(宗教又は慈善・
教育・博愛事業に対する公金支出等の制限)の牽強付会な独自解釈を示す以外には、
なぜそうでなければならないのかという点に関して、理論的にも実質的にも一切
答えられないのである。

【八代尚宏主査】 改めて補助金をよこせと言っているのではなくて、同じ学校教育法
第一条の学校であれば、当然イコールフィッティングでなければおかしいのでは
ないですか、学生の立場から見て。

/////////////////////////// 福井 秀夫 (著) ///



183: ◆RRvyEK5G6s
07/11/07 21:57:20 rF4lGX5R

/// 国公立学校・学校法人至上主義の破綻 81 /////

【栗山雅秀文部科学省私学助成課長】 一条校だったら、今でもすべて
もらえるという仕組みではありませんから。

【福井専門委員】 理由ですよね。特区で認められた株式会社等は何でだめで、
学校法人なら何で一律にオーケーになるのかという、その違いです。

【栗山課長】 要するに、今、一条校でももらえるところと、もらえない
というのもおかしいという前提のご発言……。

【福井専門委員】 そんなことは言っていません。要するに今問題にしているのは、
特区で認められた株式会社等と学校法人とのイコールフィッティングです。
どららもある意味では公共性があるということで、政府の方針のもとに認められた
質の高い学校だという前提なはずですよ。なのに、なぜ一方は一切私学助成は
出しませんという非常に不平等な措置にさらされなければいけないのかという
合理性をお聞きしたいのです。

///////////////////////// 日本経済新聞社 ///



184: ◆RRvyEK5G6s
07/11/12 22:32:50 mSrCC4ai

/// 国公立学校・学校法人至上主義の破綻 82 ////////

【栗山課長】 現行でも設置主体とか、学校種によって違うわけですから、
そこは必ずしも。

【八代主査】 根拠を示す義務はあるのではないですか。

【福井専門委員】 今の制度が合理的なものであって、合理的な今の制度の
中にある一条校の中での違いと同等のものに、今回の株式会社学校と学校法人
学校とは匹敵するのだ、相当するのだということが論証できない限り、今あるから
いいじゃないかという乱暴な議論は到底なり立ちません。

【栗山課長】 同等な条件をしたいという要望に対しては、設置条件を緩和して
学校法人になりやすくしている。

////////////////////////////// 2004年8月発行 ///




185: ◆RRvyEK5G6s
07/11/15 21:25:49 oMRF0lKr

/// 国公立学校・学校法人至上主義の破綻 83 //////////

【福井専門委員】 全く質問なり要望に答えていないので、そんなことをここで議論
するつもりはないのです。なぜ別でなければいけないのかと、学校法人になれば
いいじゃないか、という議論は別次元です。NPO法人自身、あるいは株式会社学校
自身が私学助成の対象にしてほしいと言っているのだから、正面切って、できないなら
できないで、まともな合理的な論拠をお答えいただく義務があると思います。

【栗山課長】 要望主体の要望というのは、そもそもそういうことだというふうに
思っています。要するに補助がもらいたいということであれば、今までの制度を
緩和してやりやすくしたということですから、要するに形を変えた……。

【福井専門委員】 株式会社の学校では、学校法人にはなりたくないけれども、
平等に補助を与えるべきだと現に主張しているところがいますし、規制改革会議も
その主張が正当だと思うからこういう議論をしているのです。

/////////////////////////////// ¥1,680(税込) ///




186:実習生さん
07/11/15 21:26:48 9pXFPGMH
2002年のアメリカの新卒平均年収です。。。

・高卒で275万円
・大学卒で 536万円
・大学院卒で653万円
・ドクターで950万円

1USD=110円換算だそうですが・


187: ◆RRvyEK5G6s
07/11/17 19:47:00 KkONU1VK

/// 国公立学校・学校法人至上主義の破綻 84 ///////

【栗山課長】 憲法論で憲法八十九条の問題さえクリアしていないわけですから、
それは今まで議論していて、十分に認識がかみ合っていないようですけれども、
そういった問題自体まだ解決していないという認識は当然あると思います。

【福井専門委員】 憲法論は、ある場では法制局が判断するから、自分の省では
答えられないとおっしゃったり、憲法論が片づいてないからとまだこの場では議論
できないとおっしゃったりされる。憲法論はとりあえずさておいていい。実質的な
論拠なり、また別の意味での憲法論、憲法十四条の平等原則なり、法の下の平等
ということに照らして問題はないのかということについて実質的にどうお答えになる
のですか。

【久保課長】 憲法上問題があるというのは、実質的な問題はないということで
片づけられる話ではないと思いますけれども。

///////////////////////////////// 官の詭弁学 ///



188: ◆RRvyEK5G6s
07/11/22 22:47:44 V80VkAlC

/// 国公立学校・学校法人至上主義の破綻 85 /////

【福井専門委員】 その件については別途議論しています。別の論点ですから。
ほかにあるのだったら教えてくださいと申し上げているのです。

【八代主査】 制約は憲法論だけというふうに理解してよろしいのですか。

【福井専門委員】 要するに内閣法制局が憲法八十九条に違反しないという見解さえ
出せば、じゃ、ぜひ出したい、こういうふうに理解していいですか。

【久保課長】 少なくとも、そこはクリアされていないのに……。

【福井専門委員】 少なくともじゃなくて、あるのだったら今ちゃんとフェアに全部
論拠を提示してください。政策判断として何かまずいと、そういう政策をとるべきでない
という何か非常に気になっている具体的で説得的な論拠があるなら、この場で
おっしゃっていただくのが筋じゃないですか。さっきからお聞きしていると、一つも
見当たらないのです。それについて議論しましょう。

//////////////// 誰が規制を変えたくないのか ///




189:実習生さん
07/11/23 01:36:42 BgzqDVo0
だから、公立学校はすべてなくして、私立か株式会社立の学校にすればいいんだよ。

市場原理の導入とは、利潤につながらない生徒は、客でないと判断することだ。


190: ◆RRvyEK5G6s
07/11/24 19:34:50 yinV6jPu

/// 国公立学校・学校法人至上主義の破綻 86 /////

【久保課長】 基本的には憲法論です。

【八代主査】 基本的じゃなくて、憲法論だけですかということを聞いているのです。

【久保課長】 あとは政策論は、今申し上げたように若干あるかもしれませんが、まず
入り口のところで、これは六月に特区法を改正して、制度設計した段階で公的財政援助が
欲しいという団体の要望をかなえるためには学校法人になりやすくするしかない。
それは憲法上の問題があるから、そういう制度設計をしたので、政策判断をどうするかは
ともかく、その前提としてそれをクリアしなければ何ともできない。

/////////////////////////// 福井 秀夫 (著) ///




191: ◆RRvyEK5G6s
07/11/28 21:21:41 C2uw4MF2

/// 国公立学校・学校法人至上主義の破綻 87 /////

【八代主査】 ですから、憲法論議はまた法制局とやりますけれども、それ以外の若干の
政策的問題ということを今聞いているわけなのですよね。それについてはお答えは
まだいただいていないと思いますけど。

 (二〇〇四年二月二日総合規制改革会議第三回構造改革特区提案および規制改革
全国要望に関する意見交換会議事概要より)

 要するに文部科学省は、自分では責任を持って答弁のできない憲法八十九条以外には、
学校法人以外の主体に私学助成をすると実質的な弊害があるという主張の根拠について
思いつきすら述べることができないのだ。
 自ら実質的な理由も示せないのに学校法人以外への私学助成はまかりならぬとひたすら
連呼し続ける組織に、日本の教育の責任が預けられているとは、寂しいことだ。

///////////////////////// 日本経済新聞社 ///




192: ◆RRvyEK5G6s
07/12/11 21:43:16 ZWmw9aME

/// 国公立学校・学校法人至上主義の破綻 88 //////

 本章で見た医療、農業、教育のいずれの分野でも、「官」や、「官」が規制や許認可を
通じて深く関わっている組織や個人は正しく立派であって、手厚く金銭援助をしなければ
ならない一方、株式会社やNPO法人など、「官」の統制の弱い「民」は資質が劣り、
非倫理的だから、冷遇の限りを尽くしてよい、という官尊民卑の決め付けに満ちている。
しかも建前の「公共性」とは裏腹に、厚遇対象は官の関係者の「私的」利益と密接に
関わっている。だからこそ官尊民卑の執拗低音は鳴りやまないのかもしれない。
 権力そのものであることや権力との距離の近さを権威の基準とし、その偏重を他者に
強要する。それで守るものの多くがしょせんインナーサークルの私利にすぎなくても
恥じるところはない。福澤が赤裸々にえぐり出した百数十年前の「権力の偏重」は、
形を変え、より巧妙に、より深く今も続いている。・・・・・

//////////////////////////// 2004年8月発行 ///




193: ◆RRvyEK5G6s
07/12/13 23:25:00 DaTr/XJy

/////////////////////////////// 官の詭弁学 ///

 官の詭弁学―誰が規制を変えたくないのか
 福井 秀夫 (著)、価格:¥1,680(税込)
 日本経済新聞社、2004年8月発行、 ISBN:4532351049

URLリンク(item.rakuten.co.jp)
URLリンク(www.bk1.co.jp)
URLリンク(bookweb.kinokuniya.co.jp)
URLリンク(www.amazon.co.jp)
URLリンク(www.7andy.jp)

/// 日本経済新聞社より絶賛発売中! ///////////



194:実習生さん
07/12/13 23:52:23 MeU1VfVr
消費者主権とか、もう透けてるよ
まだ、煽ってるんかい

195:実習生さん
07/12/16 20:32:05 n6WyKXbx
★あなたのお金は、直接民主主義の一票です  1
ワタミ社長渡邉美樹の「もう、国には頼らない。」
URLリンク(business.nikkeibp.co.jp)

「やっぱり民間ではダメなんじゃないか」
 訪問介護最大手のコムスンが、事業所指定の不正取得などで摘発されたときに、
こう思った方は多かったかと思います。「公共性の高い事業に関しては、
金儲け第一主義の民間に任せてはいけないんだな」と。
 介護ビジネスを手がける者として、私は、コムスンがやったことを弁護する気は
まったくありません。同時に、「公共性の高い事業で、民間に任せてはいけないことなど、
何もない」と思っています。「民間にできることは、民間で」が、「行政改革」を
旗印にしていた小泉純一郎前首相のキャッチフレーズのひとつでしたが、私ならば
さらにこう言うでしょう。「民間にできないことなど、何もない」と。
 今回の事件を例に取るならば、民間に任せる前に、厚生労働省が競争のルールを
きちんと決めていなかったことが最大の原因だと私は思います。事業者が収益を
上げることが、利用者のメリットにつながるような設計図がなかったのです。
それどころか、費用削減を安易に図り、事業者の利益を減らす方向へ走ったことが、
あのような逸脱につながってしまった。
 官がすべきことはたったふたつだけだと私は思います。自由競争のためのルールを
決めて、違反した者を厳しく罰すること。そして、セーフティーガードをきっちり組むことです。
それがきちんとできていれば、今回のような事件は起きなかったでしょう。
 ところが、そう思っていない人たちがいます。官僚の方々です。
 「公(おおやけ)の仕事は、すべて官がやるもの」。これが長い間、日本の“常識”でした。
「公=官」というわけです。



196:実習生さん
07/12/16 20:38:27 n6WyKXbx
★あなたのお金は、直接民主主義の一票です  2

 「小泉行革」はその“常識”を変えようとして、道路事業や郵政3事業の民営化を
進めたわけですが、建前では民間に開放されていながら、事実上「官」が牛耳っている
「公」的な事業が日本にはまだまだたくさんあります。
 それが、私が現在「民」の立場で取り組んでいる「教育」「医療」「介護」「農業」「環境」です。
いずれもあらゆる人々が安心して暮らしていくために必要不可欠で、誰もが等しく
受ける権利を持っている、真に「公」的な事業です。同時に、典型的な「官」配下の
「行政産業」がはびこる分野でもあります。
 ご存じのとおり、これらの分野がいま、崩壊の危機に直面しています。
 なぜ、子どもたちを育てるための学校で、いじめが起き、自殺者まで生んでしまうのか?
 なぜ、患者を治療するための病院で、たらい回しや医療過誤がなくならないのか?
 なぜ、高齢者の終のすみかとなるべき老人ホームが、お年寄をぞんざいに扱うのか?
 なぜ、日々口にする農産物が、安全・安心ではないのか?
 なぜ、科学技術を極めた人間が、地球環境を悪化させ続けるのか?
「官」になくて「民」にあるものは何か?
 「官」の立場に立つ人たちは、公的サービスは、民間に任せるとどうなるかわからない。
だから「官」が徹底して管理しなければいけないのだ、と主張し続けてきました。その結果が
このていたらくなのです。「官の論理」の行き着く先が、こんなお粗末な社会なのだとしたら……。
日本の未来は暗澹たるものです。
 私は思います。本来、「公」の仕事は「民」のためにあるものだ。ならば「官」任せにせず、
「民」が自らの力で、「公」の仕事にかかわっていくべきではないか、と。
 では、「官」になくて「民」にあるのは、なんでしょうか。
 それは、「経営」です。
 私は「学校」「病院」「老人ホーム」「農業」「環境」の分野で事業を展開していますが、その
手法はきわめてシンプルです。要するに外食産業でやってきたように「経営」をしただけなのです。



197:実習生さん
07/12/16 20:44:31 n6WyKXbx
★あなたのお金は、直接民主主義の一票です  3

 逆にいえば、「官」が仕切った世界は、「経営」が不在だったのです。市場を「官」が
コントロールしているために、競争が生まれない。ゆえに、ライバルと切磋琢磨しながら
顧客によりよいサービスを提供したり、より魅力的な商品を開発することで、売り上げを伸ばし、
収益を上げる、といった「経営」努力がまったく必要のない世界だったのです。
 その結果どうなったか。
 いま、私立学校の半数が赤字経営です。病院では医療過誤が頻発しています。
少子高齢化が進むというのに老人福祉サービスは一向に充実しません。日本の
食料自給率は先進国で最低のパーセンテージです。
 私自身、実際に自分で学校や病院、老人ホームを経営するまでは、きちんとしたサービスを
提供しながら黒字化するのはさぞや難しいのだろうな、と思っていました。ところがさにあらず、
いざ参入してみると、自分で思っていた以上にすぐ黒字化を果たすことができたのです。
 何が違うのか。繰り返し申し上げます。それは、私が外食産業でさんざんやってきた
「経営」を行った。それだけなのです。
「経営」があるかないか、それだけで状況は変わる
 まず、誰がお客さまであるか、はっきりさせること。それぞれのサービスを受けるお客さまに
とって最大の幸せとは何か、はっきりさせること。そして私と理想を同じくする人たちと、
仕事を改善していくこと。以上です。これは、まさにワタミでやってきた経営手法です。
それで十分改善できるのです。
 自らの経験を通じて、いまや確信を持つようになりました。「経営力で、社会は変えられる!」と。
そしてそれは、「消費者(=国民)主導による、直接民主主義の始まりである」と。だからこそ、
国民ひとりひとりに「もう、国には頼らない」という気構えが必要なのだと。
 1984年、居酒屋チェーン「つぼ八」のフランチャイズ店オーナーとして経営者人生を
スタートした私は、以来、外食サービス業一筋に歩み続け、創業したワタミは2000年に
東証1部上場を果たしました。



198:実習生さん
07/12/16 21:01:07 n6WyKXbx
★あなたのお金は、直接民主主義の一票です  4

 その一方で、私は「いつか学校を経営して、自分の理想とする教育を実践したい」という
夢を抱き続けてきました。私は、仕事を通じて、みんなが人間性を高め、自分はもちろん
他人を幸せにできるような世界を理想だと考えていました。その意味では、あらゆる仕事は
人が自分を成長させる、まさしく「教育の場」なのです。そのことに気づいた私は、
いつの日か直接教育に携わりたい、と思ったのでした。
 2003年、そんな私の夢がかないました。
 私立の中高一貫校の理事長に就任したのです。それをきっかけに、私は、病院、
老人ホームと続けざまに「公的サービス」事業の経営を手がけることになりました。農業や
環境対策についても、お客さまの幸せを考える外食産業の立場から、早い時期に取り組みを
始めています。2006年からは、安倍晋三内閣が立ち上げた教育再生委員会と、私の
地元である神奈川県教育委員会の委員も務めることになりました。
 当初はシンプルに「自分が理想とする教育の場を創りたい」と思っていた私ですが、
いつのまにか、「官」が仕切っていた「公的サービス」の世界にさまざまな方面で参入
していたわけです。そして、正直、あきれてしまいました。なんとも不思議な“常識”が
まかりとおる世界だったからです。
 どんなに重大な問題が起こっても、改める仕組みのない世界でした。問題を隠そうとさえ
する世界でした。より良くしていこうという気概のない世界でした。
 なぜそんなことに? それは、既存の枠組みを守ることに固執し、ミスをしないことを
最高の処世術とする、まさに官僚主義的な考え方が横行していたからです。
 肝心なものがそこからは抜け落ちていました。こうした公的サービスがそもそも
「誰のためにあるものか」という本質的な問いかけです。いいかえれば、これらの
公的サービスの本当の「お客さま」は誰なのか、という視点です。



199:実習生さん
07/12/17 20:59:27 rIITcGXB
★あなたのお金は、直接民主主義の一票です  5

   教育の「お客さま」は誰か

 学校教育は誰のためにあるのでしょうか。教師? 文部科学省? いいえ。そこで
学び育つ、子どもたちのためにあるのです。病院は誰のためにあるのでしょうか? 
医者? 厚生労働省? いいえ。そこで治療を受ける患者さんのためにあるのです。
老人ホームは? お年寄のため。農業は? 食事をとるあらゆる人たちのため。
 そう、話は単純にして明快なのです。サービスの本質に官民の違いなどありません。
お客さまがどうすれば幸せになるのか。それだけを考えて仕事に邁進すればいい。
 ところが、「官」が仕切っている行政産業の世界では違う“常識”がありました。
仕切っているお役所、利権を持っている政治家、そして彼らがつくった仕組みに群がって
利益を得よう、立場を守ろうという人々の利害が、最優先されるようになってしまったのです。
 「官」主導による体制は、昨日今日できたものではありません。背景には、明治維新以来、
日本という国を主導してきた官僚システムの長い歴史があります。その過程で、
官が上に立ってルールを決め、民がそれに従う、という構造ができあがりました。
 けれども、官僚になる人間たちがベスト・アンド・ブライテストだった時代ならばともかく、
いまや政治家や官僚が日本で一番優れた人材であるなどと考えている人が、
いったい何人いるでしょう。
 世界から評価されている日本人は、経営者であり、技術者であり、科学者であり、
芸術家です。官僚でも政治家でもありません。マンガやアニメやゲームといった
サブカルチャーを世界に通用する日本文化を創り、育て上げたのは、知的好奇心にあふれた
一般庶民です。そこに「官」の出る幕はありません。

200:実習生さん
07/12/17 21:13:24 rIITcGXB
★あなたのお金は、直接民主主義の一票です  6

「官」に任せない“直接民主主義”の視点で

 あらゆる人々があらゆる情報にアクセスすることができ、世界中から集まるモノや
サービスに接することができます。こんな時代に、一握りの政治家や官僚に、私たちが
受けるべき公的サービスのあり方を一任する必要があるのでしょうか。私たちが預けた
税金の使い道を、彼らに恣意的に決めさせていいものでしょうか。
 私は思います。これからの日本は、基本的に間接民主主義ではなく、直接民主主義の
視点でものごとを決めていくべきではないか、と。
 たかだか4年や6年ごとの、超低投票率の選挙で、それも公共投資や補助金目当ての
支持者の票を得て当選した政治家や、そもそも国民から選ばれてすらいない官僚に、
私たちの人生を託す意味はあるでしょうか。この国の民主主義は、「民」から「間接」
どころか「断絶」しているとさえいっていい状態なのに。
 実は、私たち日本人はすでにある分野で直接民主制を採用しているのです。そう、
普段の経済活動です。資本主義市場経済社会における消費者とは、直接民主主義の
体現者にほかならないのです。そう考えれば難しいことはありません。私にも読者の
皆さんにも、直接民主主義を具現化する能力が備わっているのです。あふれるモノと
サービスの中から、自分に一番ふさわしい、自分がもっとも必要としているものを、
自分の価値観に見合ったプライスで購入するという能力を有しているのです。
 私たちは、損をしないよう、慎重に情報を集めます。徹底的に見比べます。結果が
期待はずれなら、二度とその企業のモノは買いませんし、サービスは受けません。
 こんな高感度の消費者と向き合うのですから、私たち民間企業の経営者は、4年や
6年ごとどころか、毎日のように選挙を受けているようなものです。コインや紙幣や
クレジットカードという投票権を持った、消費者という名の選挙民に常に選ばれ、
あるいは落とされている。そして落選が続けば、市場から退場させられるのです。


201:実習生さん
07/12/18 23:43:56 0AQLv9hW
★あなたのお金は、直接民主主義の一票です  7

 よく勘違いされるのですが、私はいわゆる市場原理主義者ではありません。市場経済は、
人間が幸せになるための手段にすぎない。市場原理が当てはまらない問題、市場原理
だけで解決できない問題はいっぱいあります。

    「市場原理主義者」ではないが「官」にも任せられない

 たとえば私がすでに参入している日本の農業の再生は、耕地面積や人件費や土地の
コストを考えれば、何らかの公的援助を施さない限り、世界市場で競争するのは難しい。
また、人間の経済が生み出した負の遺産である地球環境問題の解決にいたっては、
行き過ぎた市場経済にブレーキをかける必要があります。「官」がやるべき仕事は、
こうした枠組みをつくり、国民に成り代わって市場に不公正がないか監視すること、
そして社会全体を見渡して不幸な人ができないようなセーフティーネットを設けることでしょう。
 ただし、「官」自身がプレーヤーとして行政産業をかたちづくり、「民」の参入を妨げる
という構造は、もはや時代遅れです。行政産業は消費者の目で選別されないだけに
文字通り構造腐敗を招いているのは周知のとおりです。
 市場のルールは、「官」が勝手に定めて構造腐敗をしているルールに比べれば、
はるかに公正ですし、柔軟です。だったら、もっと積極的に利用したほうがいいのでは
ないでしょうか。私は、ただそう申し上げているだけなのです。
 「官」が仕切っている公的サービスは、いい教育、いい医療、いい介護、いい食べ物が
欲しいという、「消費者」にとってごくごく当たり前のニーズにさえ応えようとしません。
同業者同士の競争も、切磋琢磨もありません。なぜなら「公的サービスは平等でなくては
いけないから」「格差を生んではいけないから」。それで仕事の水準を一番低いところに
合わせるのですから、サービスの水準が向上することはありません。
 このように消費者をないがしろにして、では、学校や病院や老人ホーム、農業が大儲け
しているかといえば、ほとんどが青息吐息なのですから、もはや何をかいわんやです。

202:日の丸君が代が嫌いな左翼教師の味方、キムジョンイルです!!
07/12/19 00:06:55 iqe+JhKM
    醴醴醴醴]['.                                        : `:゙{[醴醴
    層醴醴蠶[l'         .、,,..______、            _____. ';゙(}醴醴†
    濁醴醴鏖《'         'f『゚゚゚゚゚゚゚゚゚゚゚゚閂昃'!!       . -忌『『『『門愬タ!i'゙(i層躑
    ..f[醴醴醴』'       _.          ...`:゚'.:     (Jl}~゚       .'.^'゚(li、.'僧歉
    . '體醴醴廴,。r、':'`'「.... _,gg豐齟籬gjljl;ilド   .:゙l:','。;i,g豐醯踰gz.(.(.( i.j|]「
    . ;tqi_゚゚醴†`      } ii填閇゚゚゙゚゚゚゚゚『『摂'''^' .   .::、'ヌ}們゚゙゚゚門門轡埣l゙(|遁
    . ゙}}' ゙マl'. $.       ` .  . !!!!!!!!!!!''''^ .. .     . il。゙(`゙゙'゚''''''?ヘ'''''`` ''、ii濬
    、 !) .:..jg_゚[Ii;. .                  _,     . `?)j、         . ._,(,(:ア
      ′、(|『゜.'゚li' .       丶、.,,__.,.,___v!゚` .      '''?テliuv- ..、...、r!i゚(.(0i
        .,゚''' -. '               .、.;,(jIj.....__,._._..,xs,iiu_,..,,I詬i;。.、....、... .(i゙(I    左翼同士たちよ!       打倒自民党政権 北朝鮮マンセー!
        ``               _._,(ii.lI}l゚(゙'ヲ増嚇jg]獅嬲叛l゚(}}IIID,;';゙;iiIi;ii゙(|  
            、           ::.ミ浴?゚(. .     ``'゚タ'゚''''゚''''.!''.(lI泪||I}i.[(l}}Il゙(
          一' .           :゙(}l}シ.、;;、....、,,__.,uu,。,,,,,ggggj_j,(I}'゚(勿l.[(','i}ソI.   北朝鮮の為に一緒に、自民党に反対するのだ!!
                    . .   ' .(.(.(.()l瘟尸゚゙゚゙゙゙゚゙゙゙゚゚゙゚゚゚゚゚゚゚層鬱浴)).'';ミi.(,(l;ミ.  
              . .     . . ::、.、..:.(,(:、''゙゚『咐':'・!・    f負鄂、.:'.(.(>.(,(3i゙(}|I' 
              '、..  .、:.、'.:、'.'.'.、.(`' .       : : : : ー;;,(,(i','i.(.(.(.(.(lIIIIIiIIIl゚  そう・・・北朝鮮の為に マンセー 北朝鮮マンセー
                、...、'.:.'.、.'.、.'.、::、.      . `'゙(!!i'ill}ヌミ(i゙'''.、::.(.(iI|}}I||肝


203:実習生さん
07/12/21 21:37:37 ynptAOEj
★あなたのお金は、直接民主主義の一票です  8

老人ホーム、学校、病院で見いだした希望
 けれども絶望するのはまだ早い。私は、この数年間で希望を見いだすことができました。
私が経営に参加した時点で破綻の危機にあった学校や病院はわずか数年で収益が
上がるように改善できました。老人ホームと、自分たちで始めた農業も、破淀の
心配のない水準に改善できました。そしてなにより、各サービスの「お客さま」たちから
「たくさんのありがとう」をいただけるようになったのです。
 私のこうした思いをまとめた『もう、国には頼らない。 経営力が社会を変える!』は、
この数年間、私が取り組んできた公的サービス改革プロジェクトの、いわば
中間報告書のようなものです。
 この日経ビジネスオンラインの連載では、本書の中から主に学校経営の部分を
ご紹介します。書籍では学校(郁文館夢学園)に加えて、病院(岸和田盈進会病院)、
老人ホーム(ワタミの介護)、そして農業・環境(ワタミファーム・ワタミエコロジー)の
4事業について、ケーススタディの形で、具体的な経営手法などをお話ししています。
 繰り返します。「公」の仕事はもはや「官」任せでは動きません。ただ、これまでは
「官」に頼りきりだった私たち日本人ひとりひとりが甘えていた、ともいえます。本来、
「公」の仕事は、あらゆる人間がサービスの受け手であると同時にサービスの
担い手であるはずだからです。
 次回の連載では、「競争」というと必ず出てくる「格差」について、お話ししたいと思います。

※この連載は単行本『もう、国には頼らない。 経営力が社会を変える!』から抜粋し、
Web向けに再構成したものです。書籍には学校を始め、介護、農業など個別の分野についての
具体的なエピソードが盛り込まれています。興味を持たれましたらぜひ、ご一読下さい。
『もう、国には頼らない。 経営力が社会を変える!』(渡邉 美樹著、日経BP社、1365円 (税込)

URLリンク(business.nikkeibp.co.jp)

204:実習生さん
07/12/22 03:01:58 y+zNdDnv
教育って消費なの?

205:実習生さん
07/12/24 21:18:02 HRvTchkZ
★国公立大学は、私立に比べて学費が安い学校が大半ですよね?
国公立大学は、
私立に比べて学費が安い学校が大半ですよね?
でもどうしてですか?
私立は商売でやってるから、
学費を高く設定してる学校が多いのは理解出来るのですが、
裏を返せば、
学費は自由に設定が出来るのですよね?
薄利多売で運営して行こうと考える私立がほとんどないのはどうしてですか?
実際に、
国公立大学よりも学費が安い私立は、
日本で存在するのですか?


★回答日時: 2007/10/19 06:55:37 回答番号: 41,708,009
国立の学費には税金が使われているから安いのです。
商売だという問題ではありませんね。
学校が商売と思っているかどうかは別として、商売つまり経営が最重要視に
ならないように「学校法人」が指定されるのです。
国立大学より安い私大が実際存在するかどうかは自信がありませんが
夜間・通信制などはかなり安く、国立並みだと思います。

★回答日時: 2007/10/19 23:17:31 回答番号: 41,733,276
国立大学の場合、人件費(教員の給料)や、研究費のかなりの割合が国から出されます
(つまり、税金から支払われます)。
私立大学は、少しは税金も使われますが、大部分は学生が出すお金(授業料や、入学金、
その他)でまかなわれます。
私立の場合、高くしないとやっていけないのは当たり前の話です。
ですから、沢山の人数を集めて講義だけをすればよい文系の場合は授業料が比較的安く、
実験などの関係で、機械の費用もかかるし、多人数の授業が出来ない理系では高いのです。
解剖で、死体の数に限りがあるのですごく少人数の医学部で、授業料がべらぼうに
高くなるのも、まあ、仕方が無いのでしょう。

206:実習生さん
07/12/25 22:15:44 wluWrt+d
★税金も含めると公立高校の方が私立校より教育費は高い
2007年09月13日

 私立中高も公教育の一環であることは疑いのないところですが、公立校と比較したとき、
各家庭の教育費負担額となると、非常に大きな差異があります。
 公(国)立中学校が無料であるのは当然としても、高校段階でたとえば都立高校は
年額11万円程度です。対して私立学校の場合には、アケ兄の高校1年次には100万円
程度の学納金を要したそうです。(高校にはいるときに中高一貫校でも入学金を新たに
納入するのが普通のようです。)
 となると、公立の10倍弱はかかることになります。
 一般には私立が高い、と言われていますが、じつは違います。
 統計によれば、都立高校生1人あたりにかかる教育費は年額150万円余です。
つまり、授業料相当額を引いた140万円ちかくが公費から支出されているわけです。
 これにたいし、私立校には公費から30万円ほどが支出され、約120万円から130万円以下で
1人の生徒を教育しています。
 公費からの支出という観点では、こうも大きな違いがあり、税金からの私学助成が
いかにも少ないために、保護者負担が大きくなってしまっています。
 私学に子女を出している家庭の場合、税金で公立校生徒の教育費を負担し、かつわが子の
授業料を出しているので、教育費の二重払いを余儀なくされてもいるわけです。
 「お金があるから、私学に出す」という時代ではないのでえすから、より公費から私学への
助成を増やしていくべきでしょう。
 ちなみに、東京都は比較的公費助成額が多く、神奈川県は全国最下位に近いのだとか。

URLリンク(ukaru123.seesaa.net)



207:実習生さん
07/12/28 23:31:07 Jw5o6UoC
ドナドナド-ナドナ、子牛を乗せて

208:実習生さん
07/12/29 01:58:28 H2JGvOv2
キチガイ 負け組みは
自分の人生を反省しろ
自分の息子の病み具合をみてみろ
おまえの責任だよ

209:実習生さん
07/12/29 02:56:51 bkgiultj
>>204
消費じゃないよw
消費されるものでしか価値生産できないと思ってる?

教育は社会的な価値を生産できる人間を、生産するところだね。
プリンを生産するための蒸し器を作るようなものだ。

210:実習生さん
08/01/01 18:54:17 rvIbys5g
★教育“委員会”を再生せよ   1
ワタミ社長渡邉美樹の「もう、国には頼らない。」
URLリンク(business.nikkeibp.co.jp)

 教育委員会をお役所、あるいは準お役所的組織だと思っている方は、意外に
多いのではないでしょうか?
 けれども、実はまったく逆なのです。
 教育委員会は、都道府県単位、市町村単位の独立した執行機関で、メンバーも
役人ではなく一般市民から選ばれます。といっても、いわゆる市民団体からではありません。
市民の立場から行政に参加する公職、本来の意味での「オンブズマン」。それが教育委員会です。
 こう書くと、ほう、教育委員会って、実は素晴らしい仕組みじゃないか? と思いますよね。
そのとおり。「官」の暴走を「民」が防ぐためのきわめて民主的な仕組みなのです。
 ところが、いまでは教育委員会の本来の意味がすっかり失われているようなのです。
 私は2006年から、神奈川県教育委員会に委員として名を連ねています。おかげで私は、
月に1回、必ず教育委員会でひと暴れすることになってしまいました。
 先日も、団塊世代の教師の大量退職に伴う新規採用という、大変重要な問題を
話し合いました。何千人もの先生が一斉退職したら、教育現場ではすさまじい人手不足に
見舞われます。そこで今後、学校の現場では新人教師が大量採用されようとしているわけです。
 人手不足が叫ばれている時代に闇雲な大量採用をすると、被雇用者の平均的な質が
下がるのは、官民どちらもいっしょです。早い話、教師の質が下がるおそれがあるのです。
 しかも、現在の教員採用制度にはそもそも不備があります。なぜなら大学を出て、そのまま
20代前半で教師になってしまう。新人教師がベテラン教師と肩を並べて、いきなり生徒たちを
教育するわけです。
 以上の問題を現状に照らし合わせるとどうなるか? ベテラン教師が大量に抜けたあと、
大量採用の、しかも何の訓練もされていない新人教師が大量に入ってきて、学校教育を行う。
どう考えても、教育の質は低下してしまいます。そうなると学校教育の主人公である
生徒たちが大きな被害を蒙ることになってしまう。


211:実習生さん
08/01/01 19:02:53 rvIbys5g
★教育“委員会”を再生せよ   2

 そこで私は、教育委員会でこんなアイデアを出しました。
 ……まず2年間なり3年間なりのインターンシップ制度を設ける。そして教員志望者は、
大学を出たら教育現場できちんと研修を受け、インターンをちゃんと務めたうえで初めて、
生徒を単独で教えることができるようにする。
 医者と同じです。必ず2年間、指導医の先生について、研修医という立場で勉強してから
独り立ちする。教師だって見習いの期間があって当たり前ですし、現に私が経営する
郁文館夢学園では、こうしたインターンシップ制度を取り入れています。
 ところが私の主張に対して、委員の方々はこうおっしゃいます。
「そんな厳しい制度をつくったら、先生方がほかの県に行ってしまう。神奈川の学校には
来てくれなくなる」
 もちろんこの程度の反論は織り込み済みです。そこで私は持論その2を開陳しました。
「いまの先生たちがかわいそうです」に絶句
「だったら、教員免許を持っている社会人の方、あるいは免許のない方でも、優れた知識や
経験、技能を備えた社会人を新人教師として採用すればいいじゃないですか?」
 実は特別免許状制度というのがあって、都道府県教育委員会の教育職員検定を受ければ、
免許のない人でも教師として採用できるのです。また、特に専門知識や技能を要する
分野に限って教えることができる、特別非常勤講師という制度もあります。
 けれども彼らは、こんなあきれたロジックで反論してきたのです。
「それでは一生懸命勉強して免許を取ったいまの先生たちがかわいそうだし、教師を
目指して勉強している学生さんが意欲をなくしてしまう」
 なんてことはない、彼ら教育委員会にとって大事なのは、生徒たちではなく、自分たちと
利害の一致する既存の教師とその予備軍だったわけです。生徒のためを思って教師の質を
上げるよりも、既得権益を守るほうが大事、というわけです。
 かくして私の提案は潰されてしまいました。
 この件に限らず、教育委員会というのは何のため、誰のために存在するのだろうと思う
瞬間が、多々あります。

212:実習生さん
08/01/02 17:12:46 mDAtmW1j
★教育“委員会”を再生せよ   3

 たとえば教育委員会の学校訪問というのがあります。学校がちゃんとした教育を行って
いるかどうかをチェックするためにある制度です。
 ところがこの学校訪問、訪問先の学校に日時と場所を予告してから行くわけです。
予告して行ったら、学校側はその訪問日だけ「よそ行き」の顔をするに決まっている。
教育現場の真実なんか見えるわけがない。
 それを知った私は教育委員会の会議で、「意味がないからやめなさい」と発言しました。
すると、他の委員は「いや、これは学校との優良な関係を保つためにやっているのだから、
抜き打ち検査のようなことはしたくない」と反論する。
 ちょっと待ってくれ。学校との優良な関係を保つことが「学校訪問」の目的なのか? 
学校にその場限りのいい授業をさせるのが目的なのか?
 私はそう主張すると、結局出席された方たちはしぶしぶ承諾し、ようやく予告なしの
学校訪問が実現したのです。
不偏不党のために、教育委員会の意味は大きい
 残念ながら、民主主義の理想のもとに生まれたはずの教育委員会は完全に本来の
目的を見失っています。
 教育委員会の制度疲労は全国各地で起きているようです。最近のいじめ問題に対する
対応のまずさや、教育現場の混乱の元凶として、教育委員会を批判する声は世間的にも
高まっています。「教育委員会不要論」もあちこちで聞かれます。
 ただし、私自身は、教育委員会をなくすことには反対なのです。教育再生会議の場でも、
「教育委員会は残すべきだ」と発言しています。
 冒頭でもちょっとふれましたが、戦後、教育委員会が生まれた背景には、「教育というものは
政治、政党に一切とらわれてはいけない。だから権限を知事から離そう。国からも影響を
受け過ぎないようにしよう」という崇高な理念がありました。学校というガバナンス(統治)の
利きにくい場をいかに市民がガバナンスしていくのか、そんな発想が根本にありました。



213:実習生さん
08/01/02 17:19:57 mDAtmW1j
★教育“委員会”を再生せよ   4

 教育が国から独立していないと、戦前の日本のように、時の政府が軍国主義化したとき、
学校教育もその流れに追従し、子どもたちを戦地に追いやるような、そんな悲劇が起こり得る。
この愚を二度と繰り返さないように、いかに教育の場で国の権限を小さくするのか、
いかに特定政党の意見を排するのか、ということで考えられたのが、オンブズマン的な
教育委員会の仕組みだったのです。
 では、なぜその教育委員会がうまく動かなくなったのか。委員会のメンバーを見ると
原因が見えてきます。とにかく教育関係者に偏りすぎなのです。大学の先生、地域の
校長先生やその候補者、教師OB、それ以外だと地元の名士、有力者というのが、
一般的なメンバー構成です。議論の前提が、既存の学校や教師の権益をいかに守るか、
となってしまうのも当然です。
 かくして教育委員会は、生徒たちの幸せよりも、教師の既得権益や立場の擁護に
終始する組織に成り下がったといっても過言ではないと思います。
 逆にいえば、こうした旧弊を一掃して、市民参加の合議機関という教育委員会本来の
姿に立ち返らせれば、絶対に素晴らしい組織になるはずなのです。
 教育界以外の民間人の方、当たり前の社会通念や常識を備えた、さまざまな立場の
人が集まって、わが市町村、都道府県でそれぞれの独自性を持った教育カリキュラムを
組みましょう。地域、地域の特色性を持ちましょう。子どもたちに良い教育をしましょう。
 皆で力を合わせてこうした努力をするのは、とても有意義なことだと思いませんか?
 そのために、私自身はこれからも月に1度、ひと暴れもふた暴れもさせてもらうつもりです。
 次回は、私がなぜこうした「国には頼らない」考え方を持つにいたったかを、外食産業
という業種の特性から、お話ししようと思います。

URLリンク(business.nikkeibp.co.jp)


214:実習生さん
08/01/02 17:41:03 wCC83PRJ
甘ったれたスレだな

消費者主権市場原理???
そんなの、あるわけないじゃん。

経営者主権市場原理ならわかるんだけどな。


215:実習生さん
08/01/02 17:47:16 wCC83PRJ
>213
既存の公立学校に、あれこれイチャモンを付けるんじゃなく、
自分たちで理想の学校を作ればいいじゃないの。

そして、そういった学校に多くの生徒が集まり、既存の公立学校に
入学する児童生徒が減少すれば、必然的に、学校統合、縮小化していき、
公立学校が不要ということになれば、なくなっていくことになるだろう。

公立教師の新規募集もなくなり、現職の教師は、他の職種に転換していけば
よいだけの話だ。


216:実習生さん
08/01/02 17:53:22 +R3Lx4Vs
リベラルな学校でいじめが起きるのは、いじめは加害者がおかれた環境がよくないからであって
加害者は悪くないという考えがまかり通っているからである。
加害者はかわいそうだ、だから被害者は我慢すべきだ、ということになる。
これがリベラルの考えだ。

リベラルが弱いものの味方というのは嘘である。
リベラルは加害者の味方に過ぎない。

いじめが起きたとき、教員に相談したら逆にしかられたことがある人は多いだろう。
加害者である○○君は恵まれない環境だからいじめたくなるのは当たり前。
彼が悪いのではないから我慢しなさい、ということだ。

このリベラルの思想こそが教育を破壊している。
リベラルを教育現場から追放しろ!

217:実習生さん
08/01/03 19:43:04 lmEoyZF7
「生活者・消費者が主役の社会に」福田首相が年頭所感 (読売新聞)

 福田首相は1日付で年頭所感を発表した。住宅や食品の偽装事件が相次いでいることを受け、
「今年を『生活者・消費者が主役となる社会』へと転換していくスタートの年にする」と述べ、
現在取り組んでいる行政や法律の「国民の目線での総点検」の結論を出来るだけ早期に
得たいとの考えを強調した。

 内閣支持率低下の要因となった年金記録問題については、昨年12月中旬から発送を
開始した「ねんきん特別便」による記録確認への協力を国民に呼びかけたうえで、
「問題の多い年金制度を根本から見直し、これ以上ないというくらい確実な制度へと
改める」と訴えた。

 また、環境問題について、「日本は環境分野では世界最先端の技術を有している。
『環境力』は日本が成長していくうえで大きな強みだ」と指摘。そのうえで、今年7月7日から
開催予定の北海道洞爺湖サミット(主要国首脳会議)を挙げ、「七夕の日には、洞爺湖に
世界の首脳が集う。天の川を見上げながら、きれいな空を子どもたちに引き継ぐために
私たちに何ができるのか、日本が世界の議論をリードしていきたい」と述べた。

[ 2008年1月1日10時55分 ]


218: ◆wjEnDx0nv6
08/01/04 19:27:17 tgvvjGtU

/// はじめに 1 ////////////////////////

 堺屋 太一 , リチャード・C. クー , R.ターガート マーフィー , ピーター タスカ (著)
 「未来はいま決まる―ビッグバンの予測と現実」 フォレスト出版 1998年発行より
 ISBN: 4894510537, 価格: ¥1,600

    はじめに

 本書に収めたのは、それぞれに個性的な三人の外国人エコノミストとの、
「ビッグバン」をめぐる対論です。日本と日本人の未来に関する深い示唆に富んだ
対論をお読みいただくに際して、まず「ビッグバンとはそもそも何なのか」という
根本的な問題について、私の基本的な考え方を申し上げておきましょう。

////////////////////// フォレスト出版 ///





219: ◆wjEnDx0nv6
08/01/04 19:31:16 tgvvjGtU

/// はじめに 2 ///////////////////////////

 ビッグバンが目指しているものを一言で要約しますと、日本社会を本当の
意味での「自由競争社会」に改革していくことにほかなりません。
 戦後五〇年、私たち日本人は、自由競争、自由経済の原則の下に経済を
発展させてきたつもりでした。しかし、じつの日本の経済システムは自由競争や
自由経済の原則に基づくものではなく、じつのところ官僚が主導する自由経済の
「まがいもの」に過ぎないのではないか、と世界から見られるに至っています。
日本人が自らを見る目と世界が日本を見る目の間に横たわるこの巨大な落差
こそが、いまビッグバンが日本にとっての最大課題として登場している真の
理由なのです。

//////////// 堺屋 太一, リチャード・C. クー ///





220: ◆wjEnDx0nv6
08/01/05 19:06:10 +e5YUcXC

/// はじめに 3 ////////////////////////////////

 では、世界の人々のいう「本当の自由経済」とはどのようなものでしょうか。
それは日本人がこれまでやってきた自由経済とはどう違うのでしょうか。
 経済の歴史をさかのぼって考えてみましょう。自由経済、自由競争という
思想の歴史的根源をたどると、一八世紀後半のイギリスに至ります。
一八世紀後半とは、すなわち産業革命の始まった時代です。
 産業革命が始まったとき、イギリス中を風靡したのは一大発明ブームでした。
世界史の産業革命の項をひもとけば、ワットの蒸気機関、ハーグリーブスの
多軸紡績機、スチーブンソンの蒸気機関車など偉大な発明が、産業革命の成果
として次々と登場してきます。たった数十年の間にイギリス人が実現した偉大な
発明の数々に、現代の私たちは深い感銘を覚えざるをえません。しかしこれらの
大発明は、この時代に生まれた無数の発明のうちの数少ない成功例だったのです。

//////// R.ターガート マーフィー , ピーター タスカ ///





221: ◆wjEnDx0nv6
08/01/06 17:23:47 5UE6FvD0

/// はじめに 4 /////////////////////////////

 当時、イギリス人が発明したものは、蒸気機関や自動織機のような人類史上に
残る有用な機械だけではありませんでした。「がらくた」と呼んでもよいような、
とんでもない製品もたくさんありました。その一部は、大英博物館の地下室に
今日も保存されています。「ベッドの上で寝ころんでいてもコーヒーが飲める機械」
などという奇怪な品物が、当時の遺品として残されているのです。
 こういう奇怪でいかがわしい発明品が、産業革命の記念物として現在まで
残されているということは、この時代にはあらゆる分野でじつにさまざまな発明が
行われたことを示しています。そればかりではなく、これらの奇怪な発明品の
生産に出資をし、製品の販売活動を行った人々が大勢存在していたことをも
物語っています。

///////////// フォレスト出版より絶賛発売中 ///





222:実習生さん
08/01/07 22:31:41 1Tps/BWy
★区立中で、進学塾の講師による有料の特別授業【東京】

 東京都の杉並区立和田中学校(藤原和博校長、生徒数379人)
は来年1月9日から、2年生を対象に平日の夜や土曜日を利用して
進学塾の講師による有料の特別授業を始める。

 進学塾とタイアップして高校受験の勉強を支援する異例の試み。
杉並区教育委員会は「地域の求めに応じた創意工夫の一つ。
従来できなかった限界に挑んでいる」としている。

(以下ソース)

※元記事: URLリンク(sankei.jp.msn.com)
産経新聞 平成19年12月29日

223: ◆yCQpkrbAP2
08/01/11 21:22:16 T/Vm0Xgx

/// 新装版刊行に当たって 1 /////////////

  堺屋太一、渡部昇一著 「競争の原理」,
  竹井出版1987年刊、〔新装版〕致知出版社 1996年刊 より

    新装版刊行に当たって―渡部昇一

 最近、ダーウィンの『ビーグル号航海記』の初版が手に入った。この本は二版
以後のものは容易に手に入るが、初版は珍しい。というのは初版にかぎり、


224: ◆yCQpkrbAP2
08/01/11 21:23:44 T/Vm0Xgx

/// 新装版刊行に当たって 1 /////////////

  堺屋太一、渡部昇一著 「競争の原理」,
  竹井出版1987年刊、〔新装版〕致知出版社 1996年刊 より

    新装版刊行に当たって―渡部昇一

 最近、ダーウィンの『ビーグル号航海記』の初版が手に入った。この本は二版
以後のものは容易に手に入るが、初版は珍しい。というのは初版にかぎり、
船長の記録なども一緒になっていて、全四巻をなしており、ダーウィンのものは
その第三巻である。四巻揃っているものは滅多に市場に出ることがない。そして
珍しい図版はすべて「艦長の巻」にあって、ダーウィンのものには一枚もない……
などなど面白いことがいくらでもある。
 なぜダーウィンか、と言えば、私は子供の時から進化論に興味があり、ダーウィンや
ウォレスのものは随分読んでいるし、その著作も集めているうえにルコント・デュヌイの
本の翻訳まで出している。だから進化論の発生やら発展についてはまずまずの
知識があるつもりだ。

堺屋太一 ・渡部昇一著


225: ◆yCQpkrbAP2
08/01/11 21:26:48 T/Vm0Xgx

/// 新装版刊行に当たって 2 /////////////

 ところが日本では妙なことが起こった。「棲み分け理論」というものが出て、
「それはダーウィン以上のものだ」と言うのである。しかし「棲み分け」などという
現象は、ダーウィンやウォレスの時代から観察されている。これをデュヌイは
進化が行きどまった状況であると明快に説明している。
 ダーウィンが観察した頃のガラパゴス諸島では「棲み分け」が行われていた。
この島は地質学的に早い時代に南米大陸から切り離されていたからである。
 ニュージーランドでもそうだった。ユーラシア大陸から早い時代に切り離されたため、
哺乳類がおらず、鳥たちは飛ぶ必要がなく、羽根を退化させてしまったほど完全に
棲み分けていた。ただし白人と共に鼠や猫や犬などの哺乳類が入ってくるまでは、
の話しである。(ちなみに初代のニュージランド総督はダーウィンの乗った
ビーグル号の艦長だったフィッツロイであった)。
 外敵が入って来たとたんに平和な棲み分けの世界はこわれる。飛べない鳥の
多くは絶滅して、今残っているのは絶滅寸前に保護されたものばかりである。


226: ◆yCQpkrbAP2
08/01/11 21:32:59 T/Vm0Xgx

/// 新装版刊行に当たって 3 /////////////

 人間の社会と動植物界は全く同じではないが、共通点がないわけでもない。
戦国時代の大名たちは弱肉強食であり、そして最終的に徳川が勝ち残った。
徳川幕府のやったことは、戦国の弱肉強食をなくすことであった。
 戦国時代なら隣国の大名が間抜けであれば攻め込んで国盗りをしても良かった。
幕藩体制ではそれはできない。大名も武士も棲み分け状態に入ったのである。
そして二百数十年の平和が続いた。
 そこに黒船が来たのである。それはニュージーランドの飛べない鳥を、また
ガラパゴス島の象亀を、哺乳類が襲うのに似ていた。対応できないのである。
 かくして幕府はもろくも崩壊し、外様の下級武士という「新種」が中心となって
明治政権を作り上げた。この政府は見事に進化の本流に入ることに成功し、
日露戦争の勝利をもって列強の一つになったのである。

〔新装版〕致知出版社 1996年刊 ///


227: ◆yCQpkrbAP2
08/01/11 21:37:58 T/Vm0Xgx

/// 新装版刊行に当たって 4 /////////////

 しかし日露戦争後の日本の軍隊では新しい棲み分けが始まった。明治の日本では
陸軍中将・陸軍卿、つまり陸軍大臣であった西郷従道が、日清戦争のために
海軍整備の必要が生ずるや海軍大臣になるという適応力があった。これは
陸軍出身のチャーチルが、海軍大臣となって対ドイツ戦のために海軍を整備
したのに似ている。
 昭和の軍官僚は、棲み分け状態になった。陸軍と海軍のみでなく、部内でも
能力よりも卒業年次とか、卒業時の席次とかを重んじて、その後の不断の向上、
変化する状況への適応力などを軽視、あるいは無視する傾向が強かった。
この点でアメリカとの対比は著しい。

堺屋太一 //////////////////////////

228: ◆yCQpkrbAP2
08/01/11 21:50:18 T/Vm0Xgx

/// 新装版刊行に当たって 5 /////////////

 戦後は灰の中から立ち上がった。しかしオイルショックも円高も乗り切るころ
になると、またぞろ「棲み分け理論」という奇怪なものが進化論以上の進化論と
銘打って出てきた。これはたとえば金融業界における護送船団方式に
わかり易い形で見ることができる。官庁による規制の多くは、業界内の
棲み分け理論である。
 ところが日本は白人来航以前のニュージーランドの鳥みたいになっているわけに
いかない。アメリカからも東南アジアからも弱肉強食の原理にもとづいた
挑戦を受けるのだ。資金量では絶対的な巨大さを誇る日本の銀行がいかに
パフォーマンスが悪いものであるか、われわれはいやになるほど知った。

渡部昇一 //////////////////////////////








229: ◆yCQpkrbAP2
08/01/11 21:55:28 T/Vm0Xgx

/// 新装版刊行に当たって 6 /////////////

 図体が大きいだけの象亀とか、図体が大きいが飛べないドードー鳥を
連想させるものがある。護送船団方式という棲み分け方式が、いかに
企業の適応力をなくしてしまうかの痛烈な実例である。
 堺屋さんとの共著『競争の原理』は十年前に出版されたものであるが、
『棲み分け理論の終った時代』という形で読んでいただけると今日でも
少しも古くなっていない、と思う。
 学校も病院も役所も会社も銀行も、「漬れっこない」という前提でやっていては、
世界の進化の主流から外れて、象亀やドードー鳥みたいになるであろう。
これからはすべてが「潰れっこある」という前提で新しい事態に
立ち向かわなければならないであろう。「棲み分け」という一見気持ちの良い
誤謬から抜け出すことが大切である。

竹井出版1987年刊 /////////////////////




230:実習生さん
08/01/11 22:01:51 T/Vm0Xgx

歴史が示す競争の原理 1

  堺屋太一、渡部昇一著 「競争の原理」,
  竹井出版1987年刊、〔新装版〕致知出版社 1996年刊 より

Ⅰ 歴史が示す競争の原理
    四K問題は何を示唆しているか

【渡部】 いま、うまくいっていなくて、いろいろと問題になっている分野が
いくつかありますね。たとえば、教育などです。こういう問題の根底に
あるのは、競争原理の有無なのではないでしょうか。

【堺屋】 まさにそのとおりです。現代ほど競争の効果が明確に出ている時代は
ないと思います。競争のない分野あるいはない国と、競争の厳しい分野あるいは
激しい国が、はっきり色分けされている。日本国内で見ると、問題になっているのは、
いわゆる四Kといわれるものです。教育、国鉄、米、健康保険。この四つの
共通点は、競争を排除していることです。本当は競争がないわけじゃない。
だが、少なくとも当事者たちは競争がないと思ってきたんですね。



231:実習生さん
08/01/11 22:04:53 T/Vm0Xgx

歴史が示す競争の原理 2

たとえば国鉄。近距離輸送では私鉄やマイカーとの競争があるし、長距離輸送では
飛行機、貨物輸送ではトラックやフェリーとの競争がある。だが、当事者たちは
その競争を意識していなかった。一方の私鉄や飛行機やトラックは、競争を
意識して改善、向上を図るから、どんどんよくなる。その格差はたちまち現れて、
国鉄はあらゆる分野で敗退しているわけですね。

【渡部】 僕らが大学にはいったころは日本の連輸は国鉄オンリーでしたね。
僕は山形の出ですが、東京に布団を送ろうとすると、鉄道のチッキしかない。
途中の道路事情が悪いから、トラックなんてこないわけです。
本を送るのは郵便局から小包です。これも国鉄の汽車で運ばれる。国鉄なしでは
人間も荷物も全然動かない。競争無敵という感覚。つぶれっこないという感覚。
こういう感覚は大変気持ちいいですからね。そこにひたりきっていると、競争が
出てきているのに気づかない。国鉄がふとそれに気づいたのは、
長期ストライキですね。


232:実習生さん
08/01/12 05:25:43 qvXyg0Gm
ストライキやると貨物が全部止まり、国民生活に多大の影響があるはずと
思っていたら、貨物の動きは全然止まらず、誰も困らなかった。無敵観の上に
ふんぞり返っているうちに、貨物はすっかりトラック便に蚕食されてしまっていた、
というわけです。

【堺屋】 米も全部政府が買いあげてくれるから、一見競争がないかのようだが、
実は小麦との競争がある。小麦の方はパン屋でもラーメン屋でも競争が
激しいから、次つぎと新製品の開発を図る。で、その結果は米の需要量が
どんどん減っている。米の需要量減は食生活の変化によるという意見があるが、
これは間違いです。
 世界的に見ると、所得が増えれば、必ず米の需要が増えて小麦の需要が
減るんです。アメリカでも中国でもそうなっている。日本だけが逆になっているのは、
政府買いあげという保護策に甘えて、新製品開発といった努力を怠った、
そういう能力がなかった、ということです。
教育。これは一番競争をなくした分野だが、実は競争がなかったわけじゃない。
塾とか予備校とかとの競争があった。だが、当事者が競争はないと思っている。
だから公立学校はどんどん悪くなっていって、競争にしのぎを削っている
塾や予備校がはやっている。
【渡部】 ユニークな方法で塾のチェーンをやっている経営者とたまたま
知り合ったんだが、その人がいうには、いろんな人を教師に雇ってみたが、
現職の教員が一番使えない、というんですね。現役の先生は副業が禁じられている
ということはあるが、それがなくとも、現役の先生は教え方がへたで駄目だ、と。
塾では使いものにならない、というんです。年取ったお医者さんで、理科を
教えてみたいとか、商社にいってた人で数学を教えてみたいとか、そういう
人の方がわかるように教えるんだそうです。プロの先生が駄目だというのは、
競争をなくすと、いかに堕落するかという例証でしょうね。

233:実習生さん
08/01/12 05:26:28 qvXyg0Gm
【堺屋】 もう明らかですね。競争のない分野はどんどん駄目になる。競争を
なくしたと思っても、実は違った競争があって、競争がないと思っている人たちは
衰退していく。今日の全国的世界的傾向ですね。

【渡部】 日本の軍隊もね、清国やロシアが強いと思っているうちは競争意識を
燃やして努力した。それが日露戦争で、あのナポレオンさえも勝てなかった
ロシア陸軍に、見事に勝っちゃった。日本海海戦でもバルチック艦隊をパーフェクトに
やっつけた。こんな強い陸軍や海軍は、スエズ運河の東、パナマ運河の
西にはない、という無敵観が、以後の日本の軍隊を弱いものにしていく。
競争の切実さが希薄になり、出世するのは部内のうけのいい人ということになり、
結局、無茶な戦争をやって、惨憺たることになっちゃった。

    現代教育が示す競争の大切さ

【堺屋】 しかし、現在の日本で競争がない分野といえば、何といっても
公立学校ですよ。ことに小中学校は完全に競争がないようにしてある。
 「世界を考える京都会議」で教育改革の提言をしたんです。その提言の
一番のポイントは、教育の自由化。教育の場に競争を取り人れること。
ところが、これに反論する人がいるんです。いまでも受験競争が激しいのに、
これ以上競争を持ち込んだら大変なことになる、というわけです。
私はこういうことをいう人の常識を疑うんですけどね。競争という場合、
普通、供給者の競争をいうんです。自動車メーカー数社がいろんな車を
つくって販売競争をする。出版社がいろいろな本を出して売り上げ
競争をする。こういう状態を競争という。こういう供給者の競争は、
それによって消費者が利益を受けるのだからいい状態です。


234:実習生さん
08/01/12 05:27:30 qvXyg0Gm
 だが、その逆、消費者に競争があって、供給者に競争がないと困ったことに
なる。自動車メーカーが一つしかなくて、車といえばそのメーカーのものしかない、
となったら、どうだろう。メーカーは何をつくっても売れるから、努力しない。
消費者は行列をつくって買うとか、運転技術の試験をして優秀な人だけ買う、
とかいうことになる。これは悪い状態です。ところが、教育に関する限り、
競争があるのは消費者、つまり生徒の側であって、供給者である先生や
学校の側には競争がない。特に小中学校は通学区域を決めて、消費者たる
生徒を割り当てている。こんな驚くべき残酷な状態を当然のことと思っている
教育関係者が多いのだから、これまた驚くべきことです。供給者の競争ということに
思い至らない典型的で極端な保護当然主義者が、教育界のほとんどを占めている。
考えてみると、教育の荒廃というが、この状態でいまの程度で止まっているのは、
むしろ不思議なぐらいです。
【渡部】 それはね、多少なりとも補うものがあるからなんです。一つは私立。
それから塾。こういうものがカバーしてるんです。塾はサービス業だから、
文部省ではなく通産省なんです。つぶれても誰も保護しない。税金で助けてくれない。
だから、つぶれないために錬磨に錬磨を重ねて、教え方がうまくなった。
最近も新聞に出ていたんだが、公文の数学教室がオーストラリアに出た。もちろん、
オーストラリアにいる日本人子弟のために、というつもりだったんだが、
これにオーストラリア人の子どもが四十人も集まってきたというんです。塾は
隠花植物だ、教育の徒花だと公の教育関係者はいっているが、錬磨して、
外国に輸出できるシステムを開発しているわけです。いま、日本の公立学校で、
外国人の子どもがお金を払って教えてください、といってくるようなシステムを
持っているところがありますか。


235:実習生さん
08/01/12 05:28:39 qvXyg0Gm
【堺屋】 競争というと、平等という概念が浮かぶ。日本のいわゆる平等主義者の
主張する平等とは、大概において、結果の平等なんですね。しかし、本来の
平等というのは機会の平等であって、結果の平等などはあり得ないんです。
教育の機会は均等でなければならない。しかし、その結果、できる者とできない者が
出てくるのは、当然のことなんです。みんな同じようにできるなどということは
あり得ない。結果の平等というあり得ないことを求めると、不満が限りなく出てくる。
その不満を解消するために、限りなく統制的になる。すると限りなく停滞する。
結果の平等を求める平等主義とは、こういうことになるんです。
 この典型的な例が、美濃部さんがやった東京都の学校群制度というやつです。
この目的は学校間格差をなくすことだという。そのためにどうしたか。何と
生徒を割り当てて、入学する生徒の能力を一定にしようとした。学校格差をなくす
といいながら、先生の能力はまったく問題にせず、生徒の能力だけを問題にした。
これは驚くべき措置です。こんなことを考えついた人は、よほど残酷な
精神の持ち主だと思うんです。生徒を強制的に割り当てていくという収容所
みたいな発想ができるというのはね。よほど人間的温かみに欠けていないと、
できるものではない。で、その結果はどうなったかというと、都立高校全部が
駄目になった。特定の学校が駄目になる、というのではなしに、全部が駄目になった。
都立高校全部の一流大学合格者を足してもそれ以前の数分の一になって
しまった。結果の平等を求めて競争をなくすと、劇的な崩壊が起こるという
例ですよ、これは。
 最近の落ちこぼれによる校内暴力は消費者の反乱です。供給者、つまり先生や
学校がさっばり競争しないで、消費者である生徒に競争を押しつけてくることへのね。
教育の問題はいろいろいわれているが、たった二つのことさえやれば、
ほとんどの問題は解決する、と私は思っています。一つは学校の設立の自由を
認めること。もう一つは通学区域をやめること。これをやると、いろいろ特色のある
学校ができ、生徒たちは自分がいきたい学校にいけるようになる。

236:実習生さん
08/01/12 05:30:20 qvXyg0Gm
ただし、学校や先生は競争しなければならなくなる。能力のない先生はクビになる。
でも、これが本当の姿なんです。この教育の自由化に反対するのは、駄目な
先生を保護するためなんですね。いまは駄目な先生のほうが、保護されて、
楽をしている。いい先生は負担がかかって、苦労して、ノイローゼになっている。
競争をなくすと、悪貨が良貨を駆逐するんです。良貨が悪貨を駆逐するためには
競争することです。

【渡部】 学校創設の自由化。通学区域の撤廃。確かに教育問題は、この二つの
改革に尽きるね。具体的にいえば、塾をも学校として認めるだけでもよい。
別に予算をつける必要もないし、既存の学校を廃校にすることもないのだから。

    江戸・町人の強さは、どこから生まれたか

【堺屋】 競争がどのような効果をもつかは、歴史的にも明らかです。十六世紀の
日本は戦国時代で、人びとが塗炭の苦しみをなめた暗黒時代のようなイメージで
とらえられている。一方、ヨーロッパの十六世紀はルネッサンスで非常に
輝かしい時代としてとらえられている。だが、日本とヨーロッパの十六世紀は、
非常に似てるんです。ルネッサンスっていうのは、戦争をいっぱいやっている。
要するに、自由競争の時代なんです。そこから、文芸、科学技術、宗教改革、
地理上の発見などの成果が生まれた。日本の戦国時代を象徴する言葉は、
下克上です。日本最初の百科事典には、<民主主義>の項に、<けだし下克上>
と書いてある。下克上とは自由競争のことなんですね。戦国時代も自由競争の
時代なんです。


237:実習生さん
08/01/12 05:31:37 qvXyg0Gm
だから、戦国時代というと、戦争ばかりしていて、農民は被害を被って、
泣きの涙で暮らしていた、と思うかも知れないが、とんでもない誤解でね。
日本の十六世紀は経済成長がすごいし、技術の進歩が大変なものなんです。
大体、応仁の乱から関が原の合戦までに、人口が二倍、GNPが三倍に
伸びている。応仁の乱で室町幕府の支配体制が崩れ、貴族の荘園は地方の
豪族が取っちゃう。その豪族のなかでも力のあるやつは、隣の豪族の土地まで
取る。取られちゃ大変というわけで、無能がトップではやられるからと、家来の
偉いやつが主人を押しのけてトップに立つ。守るためには経済力が必要だなどと
いうわけで土地を開拓し、灌漑などの治水をやる。金・銀・銅の鉱山技術、
精練技術を導入し、製品をつくり、そして商工業が発展する。戦国時代とは
こういう時代なんです。
信長が出現し、楽市楽座をつくる。これは商業の自由競争制度です。これで、
それまでの座の拘束を離れて商業が盛んになり、経済が大発展する。
日本は世界最大の工業国になるんです。関が原の合戦のとき、関が原の
方二里ぐらいの所に、六万挺の鉄砲が集まったというんですね。当時日本には
鉄砲が十万挺あったとされている。これは、当時の全ヨーロッパにあった鉄砲の
数よりはるかに多い。それだけの生産力をつけていたんですね、当時の日本は。
まさに自由競争の成果です。経済が発展し、技術が進歩し、商業、流通が
発展する。そこに安土桃山時代の華麗な芸術が爆発的に花開く。
 結局、自由競争的思想に立っていた信長が大いに勢力を伸ばし、その
後継者の秀吉が天下を取り、家康が引き継ぐ。家康が引き継いでしまうと、
今度は自分が大将だから、自由競争はないほうがいい。権力者は挑戦者が
ないほうがいいに決まっている。で、家康は統制経済に向かう。鎖国をして、
身分制度を固定し、移動を制限する。すると、経済の成長がだんだん鈍って、
享保時代からはまったく停滞経済に陥る。産業、経済、科学技術、文化、
あらゆるものが自由競争によって進歩し、競争をなくすと停滞し退化する。
歴史はそのことをよく証明しているわけです。


238:実習生さん
08/01/12 05:33:28 qvXyg0Gm
【渡部】 目で見える形でいうと、秀吉のつくった大坂城。あんな巨大なものは
規模といい性能といい、あの五十年前には絶対つくれないものですよ。あれは
自由競争の具体的成果です。家康は自由競争の時代だった元亀天正を悪と
断定し、二度と繰り返しちゃならん、としている。これが徳川三百年を象徴している。
確かに徳川家康にとっては、自由競争をなくすことは気持ちのいいことなんです。
挑戦者をなくすんだから、政権授受は安泰です。だが、農業も開発を最初は
やったが、あとは停滞する。武士も競争がなくなって退化する。たった一つ、
競争しなきゃ食えない連中がいた。町人です。競争があるから、町人は成長する。
だが、何代も競争なしでやってきた武士には、町人がなぜ金持ちになるかが
わからない。八代将軍吉宗はちょうど江戸時代の真ん中の人だが、象徴的な
ことが二つある。
 一つは世継ぎの問題。吉宗には長男家重、次男宗武と二人の男の子がいる。
家重は日本語が話せない。白痴です。ワーとかいうと、忠義で野心のない
家来がついていて、これを翻訳して伝えるという状態です。宗武は弓も乗馬も
うまい。それで漢学ができて、国学までできる。文武両道です。だが、吉宗は
九代将軍に躊躇なく家重をあてるんです。競争がないんですから、この安定を
守るためには、優秀な人材より、秩序を守ったほうがいいわけです。もう一つは
お金です。吉宗は和歌山の田舎から出てきた人間で、日光にお参りしようとする。
すると、金がないといわれる。何かしようとすると、金がないとなる。家康が
江戸にはいったときは、金蔵にはいりきらないくらい金があったはずなのに、
あれはどこにいったのか、というわけです。
 調べてみると、金は大名にも旗本にもいっていない。御家人なんてのは
傘張りのアルバイトをやってるぐらいだから、なおさらいっていない。農民は
神代以来泥のなかにいるだけで、同じ状態だ。家康の金はどこにいったのか
というと、町人にいっている。競争のある町人だけが強くなっていたんですな。
しかし、町人には政治的権力も武力もない。で、幕府は町人をつぶしにかかる。
町人はつぶれるわけです。だが、四十年もすると、ちゃんと復活してくる。


239:実習生さん
08/01/12 05:35:22 qvXyg0Gm
幕府は都合三回、町人つぶしをやっている。だが、その都度町人がよみがえって
力をつけるものだから、しまいには"新しい物の工夫をすべからず"などという
御触を出している(笑)。競争にさらされた者は、いかに強いかということです。

    吉宗・定信時代に経済が停滞した真の理由

【堺屋】 競争がないというのは、結果の平等を求めることなんです。当然つぶれる
べきものをつぶさない。非能率温存主義なんです。ところが、不思議なことに、
日本の社会では、競争に反対する人が、常に革新とか改革とかをいうんです。
歴史的にそうですね。たとえば、享保の改革。これは競争社会をやめさせたんです。
勧農抑商といって、農業を勧め、商業を抑える。吉宗は進歩に反対し、東昭神君の
時代に戻れと、家康の時代に戻そうとした。
 それよりひどいのは、水野忠邦のやった天保の改革。水野は江戸がもとの芦原に
なったらいいといって、ずいぶんえげつないことをやっている。

【渡部】 問屋をつぶしたりしているね。

【堺屋】 それでたちまち大飢饉になる。競争をやめさせると、必ず大飢饉になるんです。
享保の改革でも一生懸命農業を勧めたのに、やはり大飢饉の連続だった。なぜそうなるか。
現在の中国を見ればよくわかります。四人組の時代にはいっこうに経済が伸びなかった。
郡小平が出てきて、責任生産制とか自営農業を部分的に取り入れるようになった。
すると、農業生産が向上した。農民は、つくったものを売ってお金がはいるとなれば、
いっぱい収穫しよう、いいものを収穫して高く売り、お金を手に入れようということで、
競争して一生懸命耕すんです。それがなかったら、ノルマ以上に増産しようとなんか
しませんよ。それと同じで、江戸時代の農民も、商業が抑えられて農産物を売ることが
できないから、自分が食べられれば、それ以上につくろうとはしない。だから、ちょっとの
天候不順でも、たちまち飢饉になるわけです。こういうわけで、関が原の合戦から
元禄時代までは人口が二倍になったのに、吉宗の時代から天保時代まで、全然人口が
ふえないんです。江戸も大阪も人口が一番多かったのは元禄時代。それから百二十年
ぐらいは減少傾向なんです。都市の人口はふえない。農村は飢饉。もう大変困った時代です。

240:実習生さん
08/01/12 19:50:00 qvXyg0Gm
 そこで何をいい出すかというと、"貧しきを憂えず、等しからざるを憂う"。みんな同じように
餓死するなら、それでいいじゃないか、という悪平等主義がはびこって、どうしようもなくなる。
でも、いくら抑えても、天から競争は降ってくる。吉宗があんなに抑えたのに、田沼意次の
時代になると、また商業がさかんになる。これはけしからんというので、今度は松平定信が
寛政の改革をやる。また勧農抑商です。それでもやはり自由競争は起こって、文化・文政の
時代を迎える。さかんになった商業を背景にして、あのエロチックな浮世絵などがパッと
花開く。こうして振り返ってみると、元禄時代や化政時代は商業が起こり、自由競争が
あった時代です。この二つの時代に文化人や学者、芸術家も集中して出ている。
活気のある、いい時代だったんです。ところが、これが堕落した時代のようにいわれる。
吉宗や松平定信は聖人君子のようにいわれて評判がいい。事実、賢いし、人間的にも
立派です。だが、その時代は経済が停滞し、少しもよくなかった。競争を排除したことが、
こういうことになったんですね。

【渡部】 そこに歴史を読むときの盲点があるんです。プロの歴史家は史料を使って
歴史を研究するわけだが、良質の史料というのを問題にするわけです。この良質の
史料とは何かといえば、政府文書が一番質がいい、ということになるわけです。
で、江戸時代の幕府側の文書となれば、将軍家がやったことを悪く書くわけがない。
だから、享保の改革も寛政の改革もすごく評判がよくて、それがそのまま子どもの
教科書の記述に表れている。

【堺屋】 そこが歴史でもっとも注意しなければならない点です。良質の史料、
第一級史料というのは、その時代に書かれ、そのまま伝わっている文書です。
のちの時代の人が書いたものは、第二級史料。こういう発想でいくと、たとえば
新聞などはリアル・タイムで書かれたものだから、第一級史料ということになる。
では、明治以来の総理大臣で誰が一番評判がいいかというと、新聞記事で見る限り、
これはもう、東条英機です。一人だけ飛び抜けている。


241:実習生さん
08/01/12 20:15:02 qvXyg0Gm
東条を悪く書いたり、批判したりした記事は、当時の新聞にはまったく見当たらない。
それに比べたら、吉田茂や佐藤栄作はくそみそに悪□を書かれている。原敬なんかも
評判が悪い。プロの歴史家の第一級史料的発想でいうと、東条英機はナンバー・ワンの
名宰相ということになってしまう。だが、新聞に東条の悪口が出ないのは
当然なんです。厳しい言論統制をやってるんだから。水野忠邦や松平定信は
猛烈な言論統制主義者ですからね。しかも自分でこまめに書くんです。

【渡部】 特に松平定信なんかはすごい。たくさん著書がある。

【堺屋】 言論統制で悪口を封じ、自分で書くのは自分のことを悪く書くわけは
ないんだから、第一級史料では評判がよくなってしまうわけです。特に新井白石
なんてへんなのが出てきましてね。新井白石は偉い学者かも知れないが、経済の
ことはまったくわからない人ですからね。デフレの最中に通貨を引き締めるような、
いまのマネタリズムと正反対のことをやってる。こういう人だから、その書いたもの
によると、柳沢吉保や田沼意次は悪辣非道ということになってしまう。悪口を
書かれている人は言論の自由を認めている人で、言論の自由というのは、
競争の自由につながるものなのです。競争をなくし、言論統制をしたやつが
評判がよくなる、というメカニズムがあることを、忘れてはなりませんね。
 これは中国のような歴史主義の国になると、もっとひどくなる。歴史を見て人を
判断する国だから、為政者は自分の歴史に名をとどめたいと考えて調べてみる。
すると、言論統制し、反自由競争をとった人が評判がいい、とわかる。
で、そうするわけです。明の太祖以後は猛烈な統制主義です。その結果、中国は
発展しなくなったんですね。宋代までは世界一発展した国が、自由競争を統制し、
安定志向に立った結果、明朝二百六十年の間に、よその国はルネッサンスなんか
やっているのに、どんどん取り残され、今日の状態になっているんですね。中国人は
頭もいいし勤勉だし、優秀なんですね。それでも自由競争をなくす政治行政を
長く統けると、経済も技術も停滞して、全然進歩しなくなっちゃうんですね。

242:実習生さん
08/01/16 21:34:01 slXb2Lgv
    孔子の思想の功罪

【渡部】 そういう体制をサポートするのが、孔子の思想でしょう。孔子は魯の国の
人だが、大国の首都にはほとんどいっていない。せいぜい魯とか宋とか小国の
王宮にいっている程度です。そういう社会で生きる道はどうあるべきかを考えた。
それが孔子の思想である、といえるでしょう。だから、孔子の思想は基本的に
小さな領域で生きていく百姓社会の思想なんです。儒教は発生的に農耕社会の
統治法だと思って間違いない。すると、どういうことになるか。能力を競い合うような
ことはまずい。小さな社会の中でみんなから人望を得るようにするのが、いちばんいい。
そういうことになる。能力を競争して中国を統一する、なんて考えるのは覇道で駄目、
ということになるわけです。小さな枠の中で安定することを考える。すると、結果が
平等であるのがいい、ということになる。だから、孔子の説く王道は社会主義の
王道と一脈通じるものがあるんです。

【堺屋】 渡部先生がおっしゃるのが、孔子の思想の本質ですね。で、小さな社会での
生き方を考えると、秩序が保たれていて安定しているのが一番いい、ということになる。
そのための基本原理を考える。すると、長幼の順を基準にするのが一番いい、となる。
確かにそうです。年齢というのは、客観的基準ですからね。誰も異議を唱えようがない。
これを基準にすれば、秩序は保たれ、安定し易いわけです。

【渡部】 だから儒教では孝がなによりの徳目なんですね。

【堺屋】 そうです。忠義よりも孝行が優先する。徳川時代はそれを少しねじ曲げて、
忠義を優先させましたけどね。

【渡部】 人のものを借りてきて、それを自分に都合よくつくり変えちゃうのは、日本人の
得意中の得意だからなあ(笑)。



243:実習生さん
08/01/27 01:57:56 3uL9kn+G
★首相が施政演説「生活者や消費者が主役となる社会」 (読売新聞)

 福田首相は18日午後、衆参両院の本会議で、就任後初の施政方針演説を行った。

 演説で首相は、2008年を「生活者や消費者が主役となる社会」のスタートの年と位置づけ、
各省庁の消費者関連部署を統合した消費者行政を強化する組織の新設を表明した。

 また、環境問題への対応として、「世界の先例となる『低炭素社会』への転換を進め、
国際社会を先導する」と決意を示し、先駆的な取り組みを進める10の「環境モデル都市」を
作るなどの新たな施策を説明した。

 演説ではまず、参院で与野党が逆転している「ねじれ国会」への対応として、「与野党が
信頼関係のうえに立ってよく話し合い、国政を動かすことこそ政治の責任だ。野党の意見も
積極的に取り入れながら責任ある政治を遂行する」との基本姿勢を宣言。政権の五つの
基本方針として、〈1〉国民本位の行財政への転換〈2〉社会保障制度の確立と安全の確保
〈3〉活力ある経済社会の構築〈4〉平和協力国家日本の実現〈5〉低炭素社会への転換―を示した。

[ 2008年1月18日14時29分 ]

244:実習生さん
08/02/16 18:58:46 063Ysp/R
★公務員、消費者窓口で研修・首相指示の「総点検」原案

 食品表示の偽装問題などを受け、福田康夫首相が指示した消費者重視の
行政に関する報告書の原案が26日、明らかになった。
消費者の声を直接、聞く機会がないことが生産者第一の政策立案の原因と指摘。
国家公務員の昇進時に一般の人々の要望や苦情を受け付ける相談窓口での
研修を義務付けるとしている。消費者の利益にかかわるテーマを扱うすべての
審議会で委員の3割以上を消費者代表にする方針も盛り込んだ。

 現在の行政や法制度の総点検に関する報告書は、国民生活審議会(首相の諮問機関)が
3月にまとめる。原案では「公務員の意識改革と人材・組織のあり方」
「政府の審議会や重要政策会議などのあり方」「意見募集(パブリックコメント)のあり方」
などのテーマを設定。首相が創設を表明した消費者行政を一元化する新組織などの
問題については今後、議論を詰める。(16:03)

日経新聞 URLリンク(www.nikkei.co.jp)



245:実習生さん
08/02/16 19:01:00 MESob63C
もう何やったって教育は崩壊するんだから。まったりいこうよ。

見当違いの行政と、親よりマスコミより厄介な、ふんぞり返っているベテラン教師。
教育破壊プロパガンダを真に受けて教師をなめる子どもと親と。

246:実習生さん
08/03/15 22:32:01 cry8bliK

/// 歴史が示す競争の原理 41 ////////////

【堺屋】 漢の時代は儒教が大変尊敬されましてね。孝が非常に強調される。だから、
面白いことがあるんですよ。官僚などもね、孝行を尽くさんやつは風上にも置けん
というわけです。で、親が死ぬと、いかなる高位高官であろうとも、辞職するんです。
それで親が住んでいたところにもどり、盛大に葬式をやる。それだけではすまない。
次は三年間墓守りをする。家から通って墓掃除をするぐらいでは墓を守っていること
にはならないんで、墓のそばに小さな小屋を建てて、そこに住みついて墓守りをする。
三年間が過ぎて、あいつは孝行なやつだということで、御上から召される。でも、
ホイホイと出ていっては駄目なんです。「いや、私は親の墓守りをしたい」といって
固辞しなきゃいけないんですな(笑)。墓石にしがみついて、親の墓を守りたい、
官職にはつきたくない、と泣き叫んで抵抗するのが一番いい。すると、ますます
孝行なやつだという評判があがって、いいポストにつけるんです(笑)。

///////////////////////// 渡部昇一 ///





247:実習生さん
08/03/30 19:46:18 beinodfl

/// 歴史が示す競争の原理 42 ////////////

【渡部】 演技力がないと、漢の時代に生きていくのは難しかったんですね。

【堺屋】 こういう儒教精神を支えにした漢の時代は、それでも武帝のころまでは
まだいいんですよ。それがだんだん衰えていって、光武帝のころに少し盛り返すが、
それからあとは駄目ですね。

【渡部】 長幼の秩序で収まって、競争がないから、衰えるのは当然だ。

【堺屋】 それで最終的に後漢のころになると、どうなったかというと、家庭の崩壊が
起こるんです。孝行を第一の徳にして、長幼の順を重んじるんだから、家庭の基盤は
揺るがないような気がするが、そうではない。ここが面白いところですね。離婚が
増えて目茶苦茶の状態になる。

///////////////// 竹井出版1987年刊 ///






次ページ
最新レス表示
レスジャンプ
類似スレ一覧
スレッドの検索
話題のニュース
おまかせリスト
オプション
しおりを挟む
スレッドに書込
スレッドの一覧
暇つぶし2ch