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山口利勝氏の「中途失聴者と難聴者の世界」-見かけは健聴者、気付かれない障害―
一橋出版には、中途で聴覚を失うことの困難さが、実体験をもとに書かれて、難聴者の
こころをありありとわかる本です。
今まで聞えの世界に住んでいた、著者は、コミュニケーション不全から、周囲で起こって
いる様々な出来事を不完全にしか認知できないことを記述され、この状況意味失認状況
下では、意識下・自動的認知機構を働かせる事が出来ずに、意識上・随意的認知機構
ばかりを働かせるので、パーティー、や授業などの後では、非常に疲れるという。
①「当たり前のことがわからなくなる」:自明性の喪失
②経験していくことの困難:青年期に耳を悪くしてから経験したことが、「いくら経験
をつんでも、経験済みにならない」ように感じる。この場合、成人後の社会経験が非常
に不足していると感じるからだと述べられている。
③自立ができない:「成熟できない、経験がつめない、自立できない」と感じる。集団
に属することは、自己の独立を少なくとも一旦は放棄して、集団にあわせるしかなくな
る。健聴者が笑えば、理由が分からなくても笑ってしまうという心理は「自分が無い」
という状態という。
④他者との係わりが変化する:著者を苦しめるのは、健聴者のコミュニケーソンの自然
さで、健聴者に備わっている自明性を見せ付けられて、健聴者に戻れない自分に絶望を
感じていた。
⑤現実との生ける接点が失われる:中途失聴者はコミュニケーションが困難なために、
必然的に環境に対して積極的に関わっていこうとする、同調性よりも、環境から距離を
おいて関わろうとする分裂性が優位になりやすい。
これらの事項は統合失調の特徴として記載されている。また同じ感想を述べている、ア
メリカ留学者の体験にも通じるという。
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