11/02/07 09:49:30
アドレナリンとエピネフリン
アドレナリンの事をアメリカではエピネフリンと言う。
学術的な場で「アドレナリン」の呼称を使うと、「エピネフリン」に訂正される。
日本やヨーロッパではアドレナリンと呼ぶのが一般的であるが、
アメリカでは意図してアドレナリンという語を使わない。それは何故だろうか・・・。
そもそもアドレナリンは1900年に高峰譲吉によって最初に精製されて同定された。
その後に、エイベルが似た物質を同定してエピネフリンと名付けたが、これは後で
微妙に違う物だとわかった。そして結局高峰らが世界で最初にアドレナリンを発見した
ことは動かなかった。
すると後にエイベルは、高峰らのアドレナリンの発見は自分たちの研究成果を盗んで
先に発表したのだというデマを雑誌に発表した。実際、1899年に確かに高峰らはエイベル
の研究室を訪問しているのだが、それを根拠にして高峰らの成果に「盗作」のレッテル貼り
を行ったのだ。このレッテル貼りキャンペーンは、ちょうど太平洋戦争の頃の話だった。
日米が戦争中という時期が時期だけに、この発表をアメリカ人は何の疑いもなく受け入れ、
意図的にアドレナリンの語を使わず、もともと間違いであったエピネフリンという語を使うようになった。
その後、高峰らの研究ノートの分析から、彼らの無実は証明されたが、アメリカでは
ほとんど知られていない。
いまだにアドレナリンの語を使った論文はアメリカの雑誌では受理されず、エピネフリンと
訂正するように求められる。
彼らの心の底にはやはり偏見があるのだろう。日本人が自分たちに勝るには反則をする
以外にあり得ないと思うらしい。