11/12/08 14:39:50.90 BupjNyEJ
ボクサーなんかは、相手のパンチを受けてもダメージが少ない様に脇腹を鍛えている。
勿論、パンチを繰り出す為にも、上半身を俊敏に捻る必要が有るから、それにも役立っている。
私の場合は、ボクシングでも野球でも声楽でも、脇腹を鍛えた経験が充分にある。
弓道の縦横・三重十文字には、この脇腹の筋肉群が必要不可欠だと思う。
足踏みから腰までは、接地点が2つ有るから、からだの不要な回転は起こり難い。
しかし、腰から上の上半身は、特に肩線に現れるのだが、肩線が回転したり水平が崩れたりし易い。
腰の上の腹部には、脊柱以外に骨格が無いからだ。
これを防ぐのが、腰線を基にした脇腹の締めだと思う。
弓道教本では、足踏みの線、腰の線、肩の線が平行で重なるというようにと、出来上がった型を示している。
しかし、各射手は、筋肉群の使い方を模索して、その型を自分の形にする努力が必要である。
胴作りのときに、見た目で三重十文字が出来ていても、形だけではない内実、
つまりその形を維持する筋肉群の使い方が備わっていてこそ、
その後の動作によって胴作りが崩れないのである。
脇腹に適度な力が入り、締まっている様にするには、下腹部を使う呼吸法も不可欠と思われる。
また、脇腹が締まっていると、体幹の縦線も伸張して、射が大きくなる。
浦上系には、確立した呼吸法がなく、自然に任せているようだ。
こうした射になると脇腹の締めが不十分な為、縦線が伸びず、
大概猫背で上半身だけの力で射る射になってしまうと考えられる。
浦上系の射が身近に有れば、検証してみて下さい。
範士の中にも、離れて残身になると、頭や上半身が的から退いているのが散見される。
こういう射は、からだが戻っているので、矢勢が落ちている。
それは、胴作りの要である脇腹の締めが出来ていないからだ。
例えば、大三が最も肩線が狂い易いのだが、
からだがよじれない様に、左足に多少の重心移動をしつつ、
脇腹の締めを呼吸と共に強化していき、
足踏みの線と腰の線に、肩の線の重なりを維持するのだ。