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「これほど離れていても火山活動が引き起こされる例はほかにありません」
トルコは3つの大きなプレートの間に挟まれたアナトリアプレートの上に位置しており、世界でもとりわけ地震活動が活発な地域だ。2023年2月にトルコとシリアを襲ったマグニチュード7.8と7.5の地震は、アナトリアプレートが南に隣接するアラビアプレートに対してずれることによって発生した。
だがこの地域には、長年科学者を悩ませてきた謎がある。それは、トルコの内陸部になぜ火山があるのかという問題だ。一般に火山活動はプレートの境界付近で起こるが、トルコの内陸部はプレートの境界から遠く離れているのだ。
2023年1月19日付けで学術誌「Geochemistry, Geophysics, Geosystems」に論文を発表した研究チームは、その答えを発見したと考えている。地下の地震波と地表の岩石から得られた手がかりから、アナトリアプレートのすぐ下に、マグマが水平に流れる流路がある証拠を発見したのだ。このマグマは、地球の上部マントルにある周囲の物質よりも高温かつ速く移動するため、地表近くにとどまって火山活動を引き起こす。
研究チームはまた、このマグマ流の発生源が、約2500km離れたところにある東アフリカ地溝帯であることを突き止めた。同地溝帯はアフリカプレートとソマリアプレートが分離する場所だ。この発見が示唆するのは、同地溝帯の地下から上昇するマントル物質(マントルプルーム)によって、水平方向に流れるマグマが勢いを与えられ、ほとんど温度を下げることなく地下を移動して、経路にある火山に流れ込んでいるということだ。
「プルーム物質がプレートの底部に沿って水平方向に素早く長距離を移動するという現象は、たとえばアイスランドのプルーム周辺の観測結果などとも一致します」と、ドイツ地球科学研究センター(GFZ)の地球物理学者ファーガス・マクナブ氏は言う。「ただし、トルコの場合は距離がさらに長いうえ、これほど離れていても火山活動が引き起こされる例はほかにありません」。氏は今回の研究には関わっていない。
水平方向へのプルームの移動は、ハワイの地下や太平洋各地などですでにモデル化が行われている。これらの発見が示唆しているのは、マントル物質はこれまで考えられてきたよりもはるかに遠くまで、熱をあまり失うことなく移動できるということであり、意外な場所で火山活動が起こる原因の解明につながる可能性がある。
※以下省略。記事全文はソース元にて
2023.07.05
URLリンク(natgeo.nikkeibp.co.jp)
■論文
Long-Distance Asthenospheric Transport of Plume-Influenced Mantle From Afar to Anatolia
URLリンク(agupubs.onlinelibrary.wiley.com)