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南海トラフでの史上最大とされるマグニチュード(M)8・6だった江戸時代の宝永地震(1707年)よりも強力な津波が紀伊半島南部を襲っていたことを確かめたと、産業技術総合研究所などのチームが12日、発表した。和歌山県串本町の橋杭岩周辺に散らばる巨石が津波で動いたかを分析した結果。発生時期は分からないが宝永以前とみられ、津波は水位4~6メートル、流速は毎秒8メートル(時速約30キロ)程度だった可能性がある。
巨石は橋杭岩から15メートル以上離れた場所に散らばる約1100個で、長さ約0・6~6メートル。最も重いものは85トンだった。
橋杭岩からはがれて落ちていた巨石がその後の津波で運ばれたと推定し、どれだけのパワーがあれば巨石が動くかをシミュレーションした。
江戸時代の宝永地震を想定して高さ約4メートル、流速毎秒約4メートルの津波で巨石が動くかどうかをみたところ、重さ10トン超を含む約4~21%は動かないと判明。さらに大きな地震を仮想してシミュレーションすると、流速毎秒約8メートルでほとんどの巨石が動くと分かった。
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