【動物/生態】道具作るカラス、「リバースエンジニアリング」で作製 研究[06/29]at SCIENCEPLUS
【動物/生態】道具作るカラス、「リバースエンジニアリング」で作製 研究[06/29] - 暇つぶし2ch1:しじみ ★
18/07/01 10:42:45.00 CAP_USER.net
【6月29日 AFP】
南太平洋のニューカレドニア(New Caledonia)に生息するカラス「カレドニアガラス」は、
小枝をかぎ針のような形に細工したり、
その他の道具を作ったりするのに心的イメージを利用しているとする研究論文が発表された。
進化生物学の議論を刺激する今回の研究結果は、
賢いことで知られるカラスが有益な道具のデザインを次世代に伝承することを示唆している。
情報の伝承は文化の顕著な特徴の一つとされる。
 論文の共同執筆者で、ニュージーランド・オークランド大学(University of Auckland)言語認知文化研究所の所長を務めるアレックス・テイラー(Alex Taylor)氏は、AFPの取材に「われわれが『心的テンプレート照合』と呼ぶ特定の種類の模倣行為の証拠が見つかった」と語る。
「つまり、カラスは道具の心的イメージだけを用いて、その道具がどのように作られたかを分析するリバースエンジニアリングを行うことができる」

 進化生物学者らの間では、カラスの道具製作能力はどのくらい遺伝子にプログラムされているかや、
学習と記憶を通じて習得、伝達されるのはどの程度かなどをめぐり長年論争が続いている。
 道具製作の学習に関しては、カラスは自分が目の当たりにした作り方をまねていると考える専門家グループと、
カラスがより高度なアプローチを取っていると主張するテイラー氏を含むグループとの間で、意見が分かれている。
 この違いは、紙飛行機の作り方が次の2通りあることに相当する。
「中央で二つに折る、次に角を折るなど、指示リストに従って作ることも可能だ」と、テイラー氏は話す。
「もう一つの方法では、最終的にどのような外見の紙飛行機にしたいかについて、頭の中にイメージを浮かべ、
その目標に向かって作業を進める」
■文化的伝承
 長い間明確な答えが出ない状況を打破するために、テイラー氏と研究チームは野生のカラス8羽を捕獲し、
ご褒美の餌を自動給餌機から取り出すために、大きさがさまざまに異なる紙片を給餌機に投入するように8羽を訓練した。
 その後の実験でカラスは、大型のカードを与えられると、
ご褒美の獲得に成功した紙片に近い大きさと形状の紙片を作るために、そのカードを引き裂いた。
「カラスは参照基準なしで、道具の大きさや形を再現できた。
カードから『道具』を作る際に参考にできる道具は存在しなかった」と、テイラー氏は指摘する。
 カラスによる対象の再現を可能にしたと考えられる唯一の方法は
「道具の大きさと形の心的テンプレートを記憶に」留めておくことだ。
 実際、ニューカレドニアのカラスは野生において、他のカラスの道具の作り方を注視したり、
手本にしたりしてはいないように見える。
 だが、このことが、カラスが考案する道具が文化的に伝承される可能性がないことを意味するわけではない。
「累積的文化進化は、アイデアの自然淘汰(とうた)だ。最善のアイデアをまねて、さらに改良を加える」と、
テイラー氏は説明する。「改良の中には、うまくいくものもあれば、いかないものもある。
そして最良のものが模倣され、継承されていく」(c)AFP/Marlowe HOOD
■小枝を使って、穴から虫をかきだそうとする、南太平洋のニューカレドニアに生息するカラス「カレドニアガラス」
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AFP
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