18/02/18 03:47:56.77 CAP_USER.net
アルツハイマー病とは脳が萎縮することに伴い、認知機能の低下や人格の変化といった症状を引き起こす病。
現代の医療ではアルツハイマー病を完治させることは不可能で、
ビル・ゲイツ氏が総額113億円をアルツハイマー病の研究に投資するなど、
多くの人々が治療法の発見を待ち望んでいる病でもあります。
そんな中、「アルツハイマー病にかかったマウスの脳を元通りにした」と
クリーブランド・クリニック・ラーナーリサーチ研究所の研究チームが発表しました。
Scientists Reverse Alzheimer's in Mice
URLリンク(futurism.com)
Researchers successfully reverse Alzheimer's disease in mouse model
URLリンク(medicalxpress.com)
BACE1 deletion in the adult mouse reverses preformed amyloid deposition and improves cognitive functions | JEM
URLリンク(jem.rupress.org)
アルツハイマー病の初期症状の一つに、
脳内にタンパク質の一種であるベータアミロイドペプチドが蓄積した「アミロイド斑」を生み出すというものがあります。
アミロイド斑はアルツハイマー病患者の神経細胞を徐々に殺していき、
脳機能に重大な影響を与えていると考えられています。
研究チームはアミロイド斑の形成に関わるベータアミロイドペプチドの生成に関わっている、
BACE1という酵素に着目しました。BACE1はアミロイドに働きかけ、
有害なベータアミロイドペプチドを生産してしまうため、
「BACE1自体の働きを阻害すればアミロイド斑の生成を防げるはずだ」と研究チームは考えたのです。
しかし、BACE1はアミロイド以外のタンパク質に働きかける役割も持っており、
働きを阻害することで重大な副作用を引き起こしかねないとも考えられています。
そこで研究チームは誕生後75日でアミロイド斑を形成し、やがてアルツハイマー病の発症に至るであろう遺伝子を持つマウス群に対し、
成長するに従って徐々にBACE1の働きを阻害する遺伝子を組み込みました。
その結果、75日齢時点で脳内にアミロイド斑を形成していたマウスが、
10カ月齢時点ではアミロイド斑の形成がストップし、
すでに形成されていたアミロイド斑も消失していたという研究結果が得られたとのこと。
アミロイド斑が除去されたマウスはアルツハイマー病を発症することもなく、
認知機能に問題はなかったそうです。
「今回の研究により、BACE1の阻害によって新たなアミロイド斑の形成を防ぐだけでなく、
一度形成されたアミロイド斑を消失させることもできると判明した」と研究チームは発表しています。
また、BACE1を阻害することによる副作用が心配されていたマウスでしたが、
目に見えて健康に問題があるとは確認できなかったそうです。
研究者たちはこの結果を一定の成果としながらも、
「現状ではマウスの実験でしか成功しておらず、人間に対して治療を施したときにどのような影響が出るのかは未定だ。
BACE1は体の形成に寄与する物質でもあり、完全に抹消したときに起こる副作用を懸念する必要がある」と述べ、
今後も慎重に実験を進める必要があるとしています。
しかし、アミロイド斑を形成し始めた生後75日の時点では、
マウスはまだ「アルツハイマー病を発症していた」状態であったとは言い切れず、
あくまでも「今後アルツハイマー病を発症するであろう」と推定される状態に過ぎなかったとのこと。
人間の場合も、アミロイド斑の蓄積が必ずしもアルツハイマー病の発症に結びつくわけではなく、
アミロイド斑が一定以上蓄積されてもアルツハイマー病を発症しないケースがあります。
今回の研究も「アルツハイマー発症後のマウスを回復させた」というよりは、
「将来アルツハイマー病の発症が予想されるマウスに介入し、蓄積されたアミロイド斑を除去したことで、
アルツハイマー病の発症を予防した」というべき。
ですが、この研究結果は「マウスにおけるアルツハイマー病の発症因子が決して不可逆なものでなく、
将来の発症が予想されると診断した後に介入可能」であることを示した点に意義があると考えられます。
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