17/12/11 12:49:12.97 CAP_USER.net
命に関わることもある糖尿病を患う人のうち、90%は予防が可能な「2型」に分類されるものとなっています。
その主な原因は食べ過ぎや運動不足など、生活習慣に由来していると考えられているのですが、
イギリスで進められてきた研究ではカロリーの摂取を減らして体重を落とすことで、
実に9割もの患者が症状の改善に成功したことが明らかになっています。
Primary care-led weight management for remission of type 2 diabetes (DiRECT): an open-label, cluster-randomised trial - The Lancet
URLリンク(www.thelancet.com)(17)33102-1/fulltext
Radical diet can reverse type 2 diabetes, new study shows | Society | The Guardian
URLリンク(www.theguardian.com)
ニューカッスル大学とグラスゴー大学が進めてきた研究の結果では、
カロリー摂取を減らして体重を減らすことにより90%の患者で2型糖尿病の症状改善が確認されたこと、
そしてその後も症状が再発せず、治療を行う必要もない状態が続いたことが明らかになっています。
調査では、スコットランドとイングランドに住む2型糖尿病を6年以上患う20歳から65歳の患者が無作為に選ばれています。
被験者の肥満度を示すBMI(ボディマス指数)は「27から45」というもので、標準数値の上限である25から大きくオーバーしたものとなっています。
また、被験者はいずれも血糖値を下げるインスリンの投与は受けていないとのこと。
研究チームでは、被験者に対して3か月から5か月間にわたり、1日あたり825kcalから853kcalの食事を与えました。
これは、成人が1日に摂取する標準的なカロリーの半分ほどであり、長期にわたって続けることで減量効果が期待できるもの。
カロリー制限期間を終えた患者には、数週間にわたって徐々にカロリー摂取量を増加させるケアが行われ、
期間中は医師によるカウンセリングなどが実施されています。その結果、被験者は15kg以上の減量に成功しています。
研究を率いたニューカッスル大学のロイ・テイラー教授はこの結果について
「非常に心躍るもので、2型糖尿病の治療法に革命を起こすこともあり得ます。これは病気の原因に関する調査の結果であり、
今後の効果的な病気の管理を可能にするものです」と展望を語っています。
また、テイラー氏によると、しっかりとした減量によって腹部についた脂肪を落とすことで、
肝臓及びすい臓の機能が元どおりに復活する効果が期待できるとのこと。
これにより、一時的な症状改善にとどまらず、持続的な健康状態の維持にもつながるとしています。
糖尿病の治療には手術によって原因を取り除く肥満症治療法がありますが、一定の費用と術後のリスクが存在しています。
しかし、カロリー制限による減量で症状を改善させることには、リスクはほとんど存在しないとのこと。
テイラー氏はこの結果について「この方法による減量目標は多くの人が実現可能なものです。最大のチャレンジは、
その後も長期にわたってリバウンドを防ぐことの難しさです」と語っています。
GIGAZINE
URLリンク(gigazine.net)