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地球から約40光年離れた系外惑星「かに座55 e」が厚い大気に覆われており、
その組成が地球のものに似ている可能性を示す観測結果が発表された。
【2017年11月21日 NASA JPL/Spitzer】
「かに座55 e」は、40光年彼方の6等星、かに座55番星「コペルニクス」の周囲に見つかっている5つの惑星のうちの一つで、
直径が地球の2倍、質量が8倍のスーパーアース(巨大地球型惑星)だ。
「ヤンセン」と名付けられたこの惑星は炭素が豊富で温度と圧力が共にとても高いとみられており、
内部に大量のダイヤモンドが存在するかもしれないと話題になったこともある
かに座55 eは、サイズや温度が太陽に似た中心星からわずか230万km(太陽から地球までの65分の1)の距離を、
18時間足らずで公転している。その近さのために潮汐固定が起こっており、惑星は常に同じ面を中心星に向けている。
NASAの赤外線天文衛星「スピッツァー」による観測データから、この惑星上の昼の半球では溶岩が自由に流れ、
夜の半球では固まっているかもしれないと推測されていた。
そして、観測されている惑星の温度は、昼側の溶岩が星の光を反射した結果であると考えられていた。
米・カリフォルニア大学バークレー校のIsabel AngeloさんとNASAジェット推進研究所のRenyu Huさんが同じデータを詳しく分析したところ、
かに座55 eに厚い大気が存在し、しかもその組成が地球のものに似ている可能性が示された。
惑星に大気が存在していなければ、直接宇宙空間にさらされる溶岩によって高温領域「ホットスポット」が形成されるはずだが、
観測結果はそうなっていなかったのだ。「溶岩は厚い大気によって観測から隠れているのでしょう」。
さらに、どのようにエネルギーが循環し宇宙へ再放射されているのかを最新モデルで調べたところ、
惑星の夜側はこれまで考えられていたほど低温ではないことが明らかになった。夜側の温度は摂氏1300度から1400度ほどと計算され、
地球基準であれば非常に熱いが、中心星からの光を絶えず受けている昼側の平均温度は約摂氏2300度とさらに熱い。
そして、もし惑星に大気がなければ、昼側と夜側の温度差はもっと極端になるはずなのだ。
「この惑星に地球や金星のような大気が存在するのか、あるいは水星のように核が岩石質なだけで大気は存在しないのか、
議論が続いてきましたが、大気が存在する可能性はこれまで以上に高くなりました」。
大気には窒素や水、酸素も含まれているかもしれないという。
かに座55 eについては、なぜこれまで大気が惑星から引きはがされることがなかったという疑問をはじめ、未解決の問題が多い。
「この惑星を理解することは、岩石惑星の進化に関するより大きな問題の解決に役立つことでしょう」
イメージ図:「かに座55 e」(右)と中心星「かに座55番星」の想像図
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