17/06/02 01:00:26.74 CAP_USER.net
5/30(火) 13:42配信 ウォール・ストリート・ジャーナル
URLリンク(headlines.yahoo.co.jp)
Bottom’s down(飲まずにグラスを置こう)―。
1日にグラス1杯のアルコールを飲むだけでも、乳がんの発生リスクが高まることが新たな研究で分かった。
アルコールの種類は関係ない。ワインも、ビールも、蒸留酒も、全て同じリスクをもたらすという。
この研究リポートは、米国がん研究協会(AICR)と世界がん研究基金が共同で取り組んだもので、
食事や身体活動が閉経前および閉経後の女性の乳がん発生リスクにどう影響するかに関する119件の
研究を精査した結果だ。これらの研究が対象にしたのは、合計1200万人の女性と26万件の乳がんの
症例データだ。これらの研究は、アルコール摂取と乳がんの発生に因果関係があるとは
結論していないものの、関連性があることを示している。
今回のリポートの執筆者たちは、1日に小さなグラス1杯のワインないしビール(アルコールにして約10グラム)を飲むと、
閉経前の女性の乳がん発生リスクが5%増加し、閉経後の女性のリスクが9%増加したと結論した。グラス1杯に
含まれるアルコール量は14グラムとして飲酒量の基準が設定された。
リポートの主執筆者であるフレッド・ハッチンソンがん研究所のがん予防研究者、アン・マクティアナン博士は、
「私が驚いたことの1つは、これほどの低量であっても、飲酒が統計的に有意な差をもたらしたことだ」と話した。
専門家たちは、なぜアルコールが乳がんリスクを高めるのかはっきりしないとしている。1つの説は、アルコールが
血中のエストロゲン量を増やすというものだ。エストロゲンは、乳がん発生のリスク要因の1つだ。アルコールが
DNAに損傷を与え得るという説もある。これは、がんの前兆の1つだ。
マンハッタンにあるマウント・サイナイ・ベス・イスラエル病院のスーザン・K・ブールボル乳腺外科部長は、
多数の研究結果をプールすることが、不完全な分析につながりかねないと指摘する。これらの研究は
遡及的なものであるため、女性たちに飲酒量を振り返ってもらう必要がある。このため、データが常に
信頼できるとは限らないのだという。
ブールボル氏は、全ての種類のアルコールが同等に有害だという点が重要だと指摘。「私はこれについて
患者たちと常に話している。患者たちは『ワインしか飲まない、もしくはビールしか飲まない。だから、
これは(アルコール摂取の)勘定に入れない』などと言う。だが、今回のリポートでは、
すべて勘定に入れるべきことが極めて明白になった」と話す。
それでも同氏は、アルコールを完全に断つよう患者に勧めるのは非現実的だと言う。
「現実に即した対応をする必要がある。『あれをするな、これをするな』と言い始めると、
患者がわれわれの声を聞き入れなくなる。適度というのが重要だと思う」
このほか、今回のリポートから分かったことは、積極的な運動が乳がんのリスクを低減することだ。
閉経前の女性の場合、運動せず最も活動的でない女性と比較して17%低かった。
閉経後の女性の場合は同様に10%低かった。
ガーデニングのような一般的な身体活動さえ効果があった。閉経後の女性の場合、
活動的な女性はそうでない女性に比べて乳がん発生リスクが13%低くなっていた。
一方、閉経前の女性の場合は、統計的有意な差が見られなかった。
MDアンダーソンがんセンターの予防センターで医長を務めるテリース・ビバーズ博士は、
閉経前の女性と閉経後の女性との間で運動の効果に差があったことに驚いた。「私自身、
閉経前の患者の一人に異なった助言をしたばかりだ」と述べた。同博士はこの患者に対し、
乳がんリスクの低下と関連づけられているのは激しい運動であり、中程度の運動では同じ効果が得られないと告げたという。
この研究リポートによると、体重過多や肥満が閉経後の女性の乳がん発生リスクを大きくしていた。
マクティアナン博士によると、ボディマス指数(BMI)が5ユニット増えるごとに、乳がん発生リスクが12%上がった。
驚いたことに、閉経前の女性の場合、体重過多および肥満が乳がん発生リスクを逆に低下させており、
BMIが5ユニット増えるごとに18%下がっていた。だが専門家たちは、だからといって女性に体重を増やすよう
勧めることにはならないと話す。体重が増えれば、その他の健康上のリスクが増大するからだ。
By Sumathi Reddy