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「サラリーマン芸人。」 竜兵会 (双葉文庫)
第4章 上司の転がし方/有吉弘行
僕は『自分にプライドは持たない』というのがあるんで。
だからこびへつらうことも、嫌われるのも平気。こびへつらっても、腹の中では
「なんだこいつ」とか思ってるし、自分的には全然ストレスにはならないですよ。
心のバランスはしっかり保ててる。
子供の頃からそうでしたから。ずっと人の顔色見て生きてきましたから、
体に染みついてます。本音で話したこととかないですもん。
本当の自分なんかいらないと思ってます。ずっとウソつき通すっていう、だからそれが
本当の自分なんですかね。厳しい芸能界で生き抜くためにはプライドなんか持っちゃいけないんです。
僕って、土田さんが言うには「有吉は顔で助けられている」って。自分の顔に感謝します。
僕ってよく笑うんですよ。特に芸人さんって、笑う人に弱いんですよね。
あとは人の話を聞くのが苦じゃないんです。実はそんなに聞いてるわけでもないんですが、
話してる方からすれば「真剣に聞いてるよな」と思ってくれるらしいんです。
巨人師匠クラスの芸人になると、それを見抜かれて「おまえ、相づち打ちすぎだ」って怒られましたけど
上島さんクラスだと「こいつ真剣に聞いてくれてるな」って顔で聞いてますもん。
それで信用してて、上島さんなんか、自分の秘密までしゃべっちゃって、僕に弱みを握られるパターンです。
自分で言うのもなんですが、つくづく『聞き上手』『笑い上手』っていうのは得しますね。
僕は、どこか(誰か)に寄生して、その寄生した先の宿主を全部食べて
栄養にしちゃうみたいな生き方がいいかなと思います。
だから上島さんのことは、全部吸い取ってやろうと思ってます。吸い取れるものは全部吸い取って、
上島さんがやせ細って、そのぶん僕がまるまる太りたいっていうのはあります。