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斎藤由多加 | ゲームクリエーター,アップル研究家
7/29(月) 12:19
今から20年前の今日、「シーマン」というゲームが発売された・・・
1999年7月29日、世界で初めての音声認識を使った会話型ゲーム「シーマン~禁断のペット~」がセガから発売になってちょうど20年が経つ。そんな明日にこれまで開発に没頭してきた、自律型会話エンジンのプロトタイプを発表しようと思い立った。 その発表を控え、これまで会話ゲームの開発を通じてどんなを体験してきたか?そこからどんな発見をし、どんな成果としてきたか?についてお話ししたいと思う。
耳に入る言葉には二種類ある。
私たちの耳に入ってくる言葉には大別して2種類ある。1つは情報として耳に入ってくる言葉、そしてもう一つは自分に向けられた言葉。この二つは似て全く異なるもので、テレビやDVDから流れてくる音は全て前者となる。そこに出てくる演者らはあなたのことを認識していないし、そこで語られる内容はあなたに対して向けられたものではない。こういうものはうつらうつら聞いてていい。
ところが日常生活ではそれとはことなる種の言葉がある。それは、命令であったり、質問であったり、あるいは、相槌を求めるものであったり、とにかく、「あなた」に向けて放たれた言葉であり、アナウンサーが読み上げるニュースのようにぼーっと聞き流すわけにはいかない。「受け手」として何か反応行動が求められるからだ。
ドラマに出演している役者さんには1つのルールがある。それはカメラを見てはならないと言うこと。フィクションの世界には、観客やカメラは存在してはならないのだ。しかしシーマンは個々の観客(ユーザー)の性別や年齢を聞き出し、それにコメントをするキャラクター、つまり慣例の逆をするゲームキャラとして完成された。その態度は、上からの態度、だった。そしてシーマンはユーザーこう呼びかけた。「おい、おまえ」と。
都庁からの電話
シーマンがブームになってしばらくした、2000年あたりに当時の石原都知事がITの視察の一環で当時流行っているゲームを一通りご覧になられるというイベントがあった。その中にこの「シーマン」があり、若手のスタッフが知事の前でデモを行ったのだった。そのイベントから一ヶ月ほど経過したある日、都庁からうちの会社に一本の連絡が入った。
その内容は、年に1度石原都知事が浩宮殿下とお会いし都政のご報告をする会があるそうで、その年には知事が「シーマン」の話をされた、とのこと。そして先日に、東宮御所から浩宮殿下が「シーマン」をご覧になりたいというご連絡が都庁に入り「ついては再度デモの準備をしてほしい」というものだった。その日から、代表者の経歴書を、だとか、ゲームサンプルを何セット送られたし、など、都庁とてんやわんやの日々が始まったのだが、そのきっかけである知事の直感力にびっくりしたものだった。
===== 後略 =====
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