18/03/17 11:23:07.89 CAP_USER.net
“社会の木鐸”として隆盛を極めたテレビと同様に、
ラジオも『radiko.jp(以降ラジコ)』でネット配信する番組が増加しており、その存在意義が再評価されている。
そんな中で文化放送の土日の番組表を見ると、ほとんどが声優がパーソナリティーを務める番組で埋め尽くされている。
土曜日の『A&Gメディアステーション こむちゃっとカウントダウン』、『神谷浩史・小野大輔のDear Girl~Stories~』、
日曜日の『新テニスの王子様 オン・ザ・レイディオ』、『水樹奈々 スマイルギャング』などだ。
どこよりも早くコアな視聴層を鷲掴みする作戦に出ているようだ。
2001年8月からラジオ界ではTBSラジオがトップに君臨し続けている今、文化放送の振り切った編成とその狙いを聞いた。
(中略)
◆90年代からすでに始動 声優ラジオ番組の数は近年急増
文化放送が声優をパーソナリティーに起用し始めたのは1990年代からのこと。
当時、声優・日高のり子、林原めぐみなどの“第二次声優ブーム”が起き、
金土日の深夜帯を声優を中心に声優番組を編成。
日高出演で現在も続く『ノン子とのび太のアニメスクランブル』のほか、『魔神英雄伝ワタル』、
『ガイア・ギア』などの番組を集めて放送することで、
当時人気が出始めた“アニラジ(アニメラジオ)”のゾーンを拡大していった。
当初はアニメの物語をラジオ化した “ラジオドラマ”が多かったが、
次第に声優が自分の言葉でアニメの裏話や日常生活を語る内容へと変化していった。
その後も、A&G(アニメ&ゲーム)の番組編成を強化した『A&Gゾーン』や『超機動放送アニゲマスター』、
『アニスパ!』などの生ワイド番組を編成。さらに、2007年からは、ほぼ1日中すべての番組がアニメ、
声優関連のインターネットストリーミングラジオ『超!A&G+』を開始。番組数は急増していった。
2001年8月からラジオ界ではTBSラジオがトップに君臨。各局、王者打倒に向かい策を打ち出しているが、
文化放送はいち早く“声優ラジオ”に目を付けて、独自の路線を打ち出し、固定のリスナーを確保してきたのだ。
現代ではWEB動画やSNSでのライブ配信などもあり、テレビ以外の娯楽を楽しむ傾向が強いため、
ラジオも目的をもって聴取するリスナーが増えているはず。
声優ラジオを全面に打ち出した理由について文化放送取締役メディア開発局長の片寄好之氏は
「声優の主舞台はやはり“アニメ”です。
しかしその中で活躍している声優はあくまでその台本に沿った演技をしているのであって、生身の声優とは違います。
声優自身にあこがれを持つファンにとって、声優の生の声、フリートークを聞きたいというニーズがありました。
アニラジはそうしたニーズに応え、同時に声優自らの発信力を高め、
声の新しい魅力を引き出すことに成功したと考えています」とコメント。
声優が“自分の言葉”で主体的に話す貴重な機会としてラジオは最適な場所であり、その番組を集中的に編成することで、
「1日中文化放送を聴く」という聴取習慣を作っていった。
◆打倒TBSラジオ!「声優ラジオ=文化放送」の確立した文化放送の次なる一手は?
現在、ほかのラジオを見ても群を抜いて声優番組が多い文化放送。
その一方で、逆にTBSラジオでは、声優の起用は『林原めぐみのTokyo Boogie Night』程度となっている。
まさにこれはコアな層を取り込むという独自路線を独走している文化放送スタンスがよく分かる構造だ。
その点について前述の片寄氏は
「『声優ラジオ=文化放送』というイメージはターゲットにはしっかりと確立していると考えます。
今後はさらにそのブランドイメージをキープしつつ、
ターゲット上下の世代にもしっかりと浸透していくような展開に取り組んでいきたいと考えます。
またA&Gリスナーは新たなテクノロジーへのキャッチアップも早いので、常に新しいプラットホーム作りや、
コンテンツの開発に歩みを進めていきたいです」と
ハードとソフトの両面から今後もアニメ路線を拡大していくことを力説した。
『ラジコ』の普及もあり、タイムフリーで聴取できるなど、新しい楽しさを見出されているラジオ。
その中でもいち早く若者の間で人気のアニメ、ゲームの流行を取り入れる冒険に挑み、
成功を収めている文化放送による次なる一手に注目したい。
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