【奈良】ファビョ チョン 田村仁寿 スレ 15【ネモ】at JISAKU
【奈良】ファビョ チョン 田村仁寿 スレ 15【ネモ】 - 暇つぶし2ch301:1/2
19/03/21 05:57:36.02 oLMfdIcwd.net
吹き付けた風で砂塵が舞い上がる。
かつて東京と呼ばれた都は、今や砂の世界だった。
「このあたりでいい、この砂を触媒にする」
「ここは、新宿のあたりですかね、さすがは博士。この地の砂なら、魔性が宿っていますよ、たくさん。」
酷薄を気取り、俺の助手を気取るこの女が、俺は大嫌いだった。
この女を見ていると、衣服を引き剥がして挿入し、張りのある乳房を握り潰して絞め殺してやりたくなるのだ。間抜けそうな色白の顔も、生意気に伸びた背筋も、全てがカンに触った。
全てが終われば、殺して触媒にしてやるつもりだった。今は、まだダメだ。
俺は鞘から短刀を抜いた。刃を掌に当てる。
「こんなことが、造魔が、好きか?」
酒と血。それを砂にかけていく。
「こいつらで、もっと人が死んでほしいです。だから好きです。なんか気持ちがいいし。」
人が自分の意見をはっきり述べる姿も、大嫌いだった。困り、気を遣い、悩んだ末に頭が回らず黙るような人間が俺は好きなのだ。
助手を無視して砂を揉んだ。砂に、語りかける。
互いの魔性を擦り合わせ、合意に至る。
俺は殺人のコードを与える代わりに、魔性を含んだ砂は活性し、コードに従う造魔として生きる。人にとっての遺伝子のようなものだ。
時折、殺人のコードを読み込んだとは思えない意外な活動を見せる触媒個体もあったが、東京の魔性を含んだ砂ならば、単純な殺人活動を、風に吹かれる砂のように、世界に及ぼしていくだろう。
この女は造魔を世界に放流していく俺の手伝い役でしかなく、奴隷であれば誰でも良いのだが、この女が持つ哀れな腐性は、造魔を生成する際の縁起担ぎにでもなるような気がして、傍に置いていた。
「あの、博士。なんか軍みたいな群れ、南の方から。騎馬隊かな。キャラバンなら荷物あるだろうし、軍だわ、軍、騎馬隊、30ぐらい。」
「ちょうどいい。世界に広がる魔性、それと戦う騎士、もはや聖戦だこれは」
人よ死ねゴミクソのように。砂。蠢いた。
俺は、後ろに下がった。女も、下がった。己の身の危険は配慮するつもりなのだろう。食事の栄養を気にしたりもするのだ。
砂、揺れている。砂同士が結合し始めた。吸い込まれそうな感覚もある。それはすぐに止んだ。
砂の怪物。魔性を帯びた造魔。人の世の魔性と、俺の血と、安酒と、殺人コードと、女の祈願で出来ている、人類の天敵。


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