23/01/19 21:02:50.85 KSimW9er.net
楽天モバイル社員による46億円着服疑惑の影響で、下請け企業が経営危機に陥っている。楽天がその社員と関係の深かった取引先との契約を解除したため、そこに連なっていた下請けの資金繰りが連鎖的に悪化しているのだ。発注元の不正が、立場の弱い下請けにしわ寄せされた格好だ。
楽天モバイルが、不正に関わった社員の解雇を発表したのは2022年9月2日のことだった。関係者などによると、この社員は取引先である物流会社「日本ロジステック」(東京都千代田区)と「TRAIL」(港区)の2社の役員らと共謀し、コンサルティング料などの名目で楽天モバイルに水増し請求していたとされる。損害は46億円に上るとみられる。不正発覚を受け、楽天は2社との取引を停止した上で裁判所に預金口座の仮差し押さえを申請し、認められた。
「楽天モバイルから契約を解除された」「明日からは仕事は休みになります」
社員解雇が発表される2日前の22年8月31日。全国にある楽天の携帯電話基地局の建設現場や、部材の保管倉庫などでは、下請けの従業員らが上司や元請けから一斉にそう宣告された。
◇工賃回収できず 救済も拒絶
日本ロジは基地局設置工事に使う部材の管理・輸送事業を楽天から委託されていた。楽天からの発注事業が売り上げの大半を占め、多くの下請けも抱える。同社は預金が差し押さえられた直後に民事再生法適用の申請を余儀なくされた。基地局設置工事を楽天から委託されていたTRAILも取引の大半を楽天が占めており、事業停止に追い込まれた。これにより、2社にぶら下がっていた下請けが次々に連鎖倒産の危機に追い込まれることになった。
九州一帯の基地局設置工事を担う1次下請け「信和」(福岡県)は昨年8月末、TRAIL社員から「工事を停止し、すぐ現場を離れて」と突然命じられた。TRAIL側からは、預金が差し押さえられたことを理由に、完工済みの工賃計約1億4000万円は「支払えない」と伝えられた。
工事のために確保した部材や人手は宙に浮いた。部材倉庫の賃料や取引先への支払いなどで資金は払底。従業員ら約30人も解雇せざるを得なくなった。堤信太朗社長(42)は何度も楽天やTRAILに救済を求めたが、なしのつぶてだったという。
昨年12月、信和はTRAILを相手取り未払い金約1億4000万円の支払いを求め提訴。堤社長は「楽天社員による不正のつけを、なぜ真面目に事業を支えてきた下請けが負わなければならないのか」と憤る。
日本ロジからTRAILを通じて部材の管理・輸送業務を任されていた2次下請け「IMAX」(相模原市)も不正のあおりを受け、昨年末に破産した。全国で約500人の従業員が解雇されたとみられ、給与や休業補償の未払いが相次いでいる。一部社員が東京都労働委員会に救済を申し立てるなど、混乱は収まらない。
IMAXの契約社員だった千葉県の女性(51)は、昨年8月分の給料約20万円を今も受け取れていない。解雇された同9月以降、求職活動を続けているが再就職先はまだ見つからないという。女性は「こんなずさんな取引を許した楽天にも責任がある」と指摘し、救済措置を求めている。
◇楽天「対応や関与する立場にない」
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