18/09/19 14:52:49.14 CAP_USER.net
政府は「働き方改革」や「生産性革命」を掲げて生産性向上に躍起だが、日本の生産性が低いといわれるのはなぜなのか。国際的に比較することで、現状と課題を考えてみた。
日本の生産性は
70年代からG7で最下位
日本生産性本部が、OECD加盟国35ヵ国で比較した時間当たりの労働生産性は、2016年のデータで20位である。
日本の生産性を100とすると、米国は151、ドイツが148、フランスが145、イタリアが118、イギリスが115、カナダが110となっている。これら7ヵ国を先進7ヵ国(G7)としてまとめると、日本はG7の中での生産性の順位は、データが遡及可能な1970年以降でずっと7番目(最下位)なのである。
私たちは、日々、生産性を上げるために働き方を工夫して、時間当たりの能率を高めようとしている。しかし、マクロの集計値から割り出した生産性は、国際的に見ると、思った以上に低い。こうした「低生産性の構造」は克服できるのだろうか。
上で述べたOECD加盟国の1時間当たりの労働生産性を示したのが、下の図表1だ。
日本の低生産性の犯人と考えられているのは、高齢化が進んで、消費が弱くなっていることだ。
確かに、単身世帯を含んだ全世帯のうち40%が無職世帯として増えてくようになると、消費者の傾向が節約志向になってしまう。年金生活者は、収入が固定的であり、かつ、所得水準も低い。厚生年金が月16.5万円で、年収ベースで約120万円の世帯が標準だとすると、そう高い買い物などはできないから、おのずと小売・サービス産業は付加価値の獲得が難しいと思われる。
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サービス業の生産性の低さは
どの国も共通する
そこで、日本の生産性を業種別に分解して、さらに主要国で同様の業種別生産性を計算してみた。(図表2)。ここでは、為替変動をなるべく排除して考えるために、OECDの購買力平価(PPP)で表示する加工を施した。
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まず、気がつくのは、卸小売、個人サービスの生産性水準は、日本だけでなく、米国やドイツでも同様に低いことだ。
個人サービスの内訳をさらに詳しく見ても、相対的に宿泊・飲食サービスは低い。この点は各国で共通している。
日本の場合は、ヘルスケア・社会支援といった分野の生産性は4.10万ドルと特に低い。これは医療・介護・福祉が労働集約的な産業である上、財政状況が厳しいため、サービス単価が極端に抑え込まれているせいだろう。
日米欧を比較する限り、日本だけがサービスの生産性が低く、それが高齢化によって引き起こされているという要因だけではなさそうだ。どの国も、サービスの生産性は相対的に低くて、日本は高齢化や財政難によってそのことに拍車がかかっていると見た方がよい。
製造業は非価格競争力が弱点
牽引する産業がない日本
産業別の生産性を見たとき、日本の製造業は確かに相対的に高い生産性を誇っている。米国には及ばないが、ドイツとイギリスとは並んでいる。
ただ日本の場合、産業の中で、製造業が突出して生産性が高いというわけではない。米国では、全体平均に比べて製造業の生産性は1.47倍と高い。日本は1.39倍であり、米国ほどではない。
ドイツは、就業者1人当たりの製造業の生産性は米国ほど高くはないが、総労働時間は日本の約8割であり、時間当たり生産性は日本の25%ほど高い。また、時間当たり賃金は7割も高い。
日本の製造業は、生産性はそこそこ高いのだが、ドイツや北欧諸国に比べて非価格競争があるとはいえない。このことは、労働費用の安い新興国との価格競争に巻き込まれやすいことを暗示している。
また産業別に見た生産性の高さのランキングでは、日本は図表2の7ヵ国の中で、製造業が3位であることを除くと、電気・ガス・水道の4位で、他の業種は軒並み下位である。
このことは、日本で突出した生産性を誇っている産業がないことを示す。つまり、日本の生産性を上位に引っ張っていく産業の不在が、低生産性の特徴といえるのだ。
以下ソース
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