18/06/11 21:04:56.07 CAP_USER.net
安倍晋三首相は11日、第24回国際交流会議「アジアの未来」(日本経済新聞社主催)の晩さん会で演説した。インド洋と太平洋をまたがる地域のインフラ整備に向けて今後3年で官民で約500億ドル(約5兆4000億円)を投融資する仕組みをつくると表明した。12日の米朝首脳会談を注視する考えを示した。
新たな投融資の仕組みを設けるのは、首相が掲げる「自由で開かれたインド太平洋戦略」の一環だ。関係国から日本に同戦略に基づく具体的な計画を示すよう要望が出ていたのに対応した。
名称は「質の高いインフラ環境成長ファシリティ」で、国際協力銀行(JBIC)が7月1日から実施する。主に環境や社会問題に配慮したインフラ事業が対象。風力・地熱発電など再生可能エネルギー施設や地下鉄やスマートシティー(環境配慮型都市)などの建設支援を想定する。
原資はJBICがドル建て債券の発行などで市場から調達する。補完的に日本の外国為替資金特別会計の外貨準備からも最大半額を支出する仕組みだ。
財務省によると、外貨準備は130兆円程度ある。その一部を活用し、JBICが市場から資金を調達しやすくする。JBICがアジア開発銀行(ADB)など国際開発金融機関や国内金融機関と協調融資をする。
日本による海外でのインフラ整備は中国などに比べて初期費用が高いとみられ、途上国から敬遠される場合がある。首相は日本のインフラ整備について「初期費用とは別の、ライフタイムコストで考えると、むしろ格安になる」と強調した。インド太平洋地域で活発なインフラ整備を進める中国に対抗する狙いがある。
首相は米朝首脳会談に関して「北朝鮮が正しい道へと、大きな一歩を踏み出すことを念願する」と語った。「北朝鮮が、平和と法の支配と安定に向けた道へと踏み出すことの効果は、世界経済全体へ及ぶに違いない」と指摘した。
北朝鮮が日本人拉致問題などを解決すれば、日本として「不幸な過去を清算して国交正常化し、経済協力を行う用意がある」との認識を改めて訴えた。「北朝鮮には手つかずの資源がある。勤勉に違いない、豊富な労働力がある」とも述べた。
日米関係は日本外交の「土台」と表現した。日中関係は「今年、来年は新たな高みに到達することだろう」と語った。首相の年内訪中や19年中の中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席の来日を念頭に関係改善に意欲的だ。
人材育成支援は2018年以降、国際協力機構(JICA)が中心となってアジアやアフリカなどの行政官らを日本の大学に無償で招いて勉強するプログラムを始めると明らかにした。5年後をめどに毎年2000人ほどが常に日本で勉強している状況を目指す。
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