17/04/06 12:28:34.85 CAP_USER.net
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2012年12月に始まった「アベノミクス景気」が、1990年前後のバブル経済期を抜いて戦後3番目の長さになった。
世界経済の金融危機からの回復に歩調を合わせ、円安による企業の収益増や公共事業が景気を支えている。
ただ、過去の回復局面と比べると内外需の伸びは弱い。雇用環境は良くても賃金の伸びは限られ、「低温」の回復は実感が乏しい。
景気回復の期間を見る代表的な指標が景気動向指数だ。
内閣府が7日に公表する2月の指数は景気が回復局面にあるとする「改善」になる見通し。
専門家は「3月の経済情勢をみても、回復している」(第一生命経済研究所の新家義貴氏)との見方で一致する。
第2次安倍政権が発足した12年12月に始まった景気回復は17年3月までで52カ月となった。
86年12月~91年2月の51カ月間だったバブル経済期を抜き戦後3番目になる。
今年9月まで回復すると、65年11月~70年7月の57カ月間に及んだ「いざなぎ景気」も抜く。
14年4月の消費増税後は景気が一時的に落ち込んだ。
しかし、景気回復の期間を判定する内閣府の研究会メンバーである三菱UFJモルガン・スタンレー証券の嶋中雄二氏は
「落ち込みの深さや長さなど総合的に考えて景気後退までは至らなかった」と見る。
米国が09年7月からの長期の回復局面にあり、海外景気も比較的安定していたことが、日本の景気回復を支えた。
足元の景気は米国や中国をけん引役に、企業の生産や輸出が持ち直している。
企業業績も底堅く「世界的な金融ショックなどがなければ、18年中は回復が続く」(新家氏)との声は多い。
これまでの回復は緩やかで「低温」だ。
戦後最長の回復期だった00年代の輸出は8割伸びたが、今回は2割増。
設備投資も1割増と00年代の伸びの半分だ。賃金の伸びは乏しく、個人消費は横ばい圏を脱しきれない。
「アベノミクス景気」を象徴するのが公共投資だ。
東日本大震災からの復興予算や相次ぐ経済対策で、回復の期間中に1割ほど増えた。
小泉政権の予算削減で3割減った00年代とは対照的だ。
「低温」の背景には、中期的な経済成長の実力である潜在成長率の低下も背景にある。
内閣府の推計で16年は0.8%。人口減少で労働力が増えず、企業が国内の設備投資に慎重なためで、景気回復の足腰が弱い。