09/10/25 14:49:06
「トップに気に入られるのは難しい」…そんな言葉をよく聞く。
たしかに、例えば大きな職場で一番の上司に気に入られることは余程の能力と個性を持ち備えて
いなければ難しく、また、お金を支払ってドキドキを求めるキャバクラで30歳の冴えないブルーカラーが
ナンバーワンの姫に好かれることなど至難の業だ。
要はトップの人間は、下の者にも、「上」を求める、つまりは自身にない魅力・個性、あるいは自身に
迫るほどの能力を求めるのであり、その求めるところに合致する一部の人間は選び愛され、
そうでない人間は一般・平凡のなかに埋もれるのである。
それもそのはずである。頂点に立つ者は魅力溢れる才者であり、一度に多数の者を相手にできるはずがない。
これは人間の例のみならず、色々な例に当てはまり、たとえばわが国のトップである「東京」にも実に見事に当てはまろう。
実際、東京で例えば「大宮」「高崎」「宇都宮」「那須」「横浜」「茅ヶ崎」「箱根」「熱海」
「川崎」というと、誰もが知り、その地に思い入れがある者も多いが、東京で「加須」「沼津」「松崎」
というと、「どこ?」、「名前ぐらいは聞いたことがある、えっーと、愛知のほうだっけ?」という
反応も多いだろう。
この違いが、前者と後者の本質的な「異なり」を示しているといってよく、本質的に異なるからこそ、
選ばれなかった者は、身分を弁え、手が届かないものを速やかに諦め、凡庸を全うするほかないのである。
みな、そうして生きているのであり、低評に甘んじ凡庸のなかにも一定の幸せがある。
選ばれし者とそうでない者、本質を異にするがゆえに……。