09/05/31 07:05:39 rFRwt6f3
・思想の敵が反対の思想にあると思うのはお目出度い限りである。
思想が闘い鍛えられるのは現実そのものの矛盾によってである。
言いかえれば、思想の敵は己自身にあるのである。
どのような思想も安全ではない。
・自分は利口だと自惚れたり、あの男は利口だと感心してみたりしているが
利口とゆうのは馬鹿との或る関係にすぎず馬鹿と比べてみなければ利口にはなれない。
実に詰まらぬ話しであるが、だんだんと自分の周囲に馬鹿の人数を増やすというやりかた
実に芸のないやりかただが、ただそういうやりかた一つで世人はせっせと利口になる。
・本当に才能のある人は才能を持つ辛さをよく知っている。その辛さが彼を救う。
しかし、そうゆう人は極めて稀れだ。
才能の不足で失敗するより、むしろ才能の故に失敗する、
大概の人はせいぜいそんな所をうろうろしているにすぎない。
全部、小林秀雄