09/11/11 17:59:56 Nl+wQ/19O
京都競馬場にある調整ルームの割当てられた自室でアンカツはタバコをくゆらせていた。
ターフのほうから大勢の人の声が聞こえてくる。「そういえば今日は本馬場開放の日だったな」
開催最終日のこの日、京都競馬場では全てのレース終了後にファンに本馬場を開放するというイベントが行われていた。
人々の喧騒を遠くに聞きながらアンカツはゆっくりとたばこの煙をはきだした。
ふと廊下に足音が響いた。
アンカツが聞くともなく聞いているとその足音は自分の部屋の前で止まった。
間髪をいれずに扉をノックする音がする。
「アンカツさん、まだいらっしゃいますか?」
「ああ・・・」
アンカツが言い終わらないうちにその声の主は扉を開けて顔をのぞかせた。
「すいません。お疲れのところ」
「いや・・・」
アンカツはおもいもかけぬ訪問者にいささか驚いていた。