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今回の脱税スキームにも、こうした牧野昌哉社長の「セコさ」が遺憾なく発揮された。脱税に使われたのは
二つの関係会社。一つは2002年の設立で、「ア〝バ〟ンギャルド」とは一字違うだけの不動産会社「ア〝ヴァ〟ンギャルド」。
そしてもう一つが、金属加工販売会社の「マテック」。
法人登記をみると、両社とも本業に加えて芸能
プロダクションの業務を持っているが、もちろん活動の実態がないダミー会社だ。
「マテック」は本来、牧野社長の父親の会社だったもので、アバンギャルド設立2年後の1994年、芸能
プロの業務を付け足して社名変更したようだ。役員は「アヴァンギャルド」が牧野社長と父親、それに
実の姉の3人で、監査役には実の妹が就任。「マテック」の役員は父親だけで、「外部にはカネも情報も
漏らさない」という徹底ぶりだ。
脱税の手口も実に込み入ったもので、査察に入った東京国税局も「当初は解明に手を焼いた」
(国税関係者)という。最大のものはアバンギャルドが関係会社に支払ったように見せかけていた
“移籍金”。実際にはアバンギャルド所属のタレントなのに、
関係会社から引き抜いた(小倉優子と浜田翔子を「マテック」に所属させていた)ように装って
“移籍金”の名目で架空の経費を計上していた。
そしてもう一つが“撮影協力費”。アバンギャルドと関係会社との間でタレントを派遣しあい、
派遣された側が派遣した側に“撮影協力費”と称する費用を支払っていたが、実際にはタレントは
アバンギャルドの所属で、関係会社にはいないのだから、これまた架空経費だ。
さらに念入りだったのが、国税関係者の間で“グルグル回し”と呼ばれる「架空経費の付け回し」だ。
「アバンギャルド」「アヴァンギャルド」「マテック」の決算期はおのおの異なっており、この三つの
会社の間で「決算期が近づくと別の会社に“撮影協力費”など架空経費を支払って所得を減らす」という
経理操作を繰り返していた。
このほかにもタレントや事務所スタッフの「カラ出張」、社長自身の私的な旅行への流用など、まさに
悪質な所得隠しのオンパレード。さすがのマル査も、踏み込んでから刑事告発に至るまでに
約10カ月もの期間を要した。