10/01/10 12:19:12 AUKGF7+s0
いい感じだったね、「咲く花」の初回。
璃子ピンの初時代劇がこういう小品ながらも良品というものでよかった。
時代考証とかも、平岡祐太の髪型を除けば、おおむね適切だったんじゃないかな。
徳川260年の間、日本人の辞書に戦死という文字はなく、前後の好戦的政権とは同じ民族と
思えないぐらいに平和で安定した時代が続いた。
だからこそ、庶民階層が百人一首かるたを楽しめるぐらいに国民全体の識字率が、
そしてひいては文化水準が高かった・・・ということは、実は世界史的にも偉大なことだよね。
何しろ、一般庶民の大半が強制もされないのに初等教育を受けていたなんて国は、同時代の
どこを探してもない。
一昔前の捕物帳みたいにしょっちゅう殺人事件が起こっていたなんてこともないし、
一昔前の教科書みたいに飢饉と一揆と打ち壊しに明け暮れていたということも決してない。
おそろしくマイペースでエコロジーなのに、瞠目すべき知的文化レベルの高さ!
それが本当の徳川時代じゃなかろうか、
一酸化炭素中毒になりかけたお師匠様の家も、こいたちの家も、いっさい鍵なんてかかってない、
それぐらい治安もよくて、「普通の人々」が安心して生きられる時代だったんじゃないだろうか。
などと、スレ違いの長演説をしてみたくなるような作品だった。
璃子ピンがはじめて出会った時代劇が、現実にはあり得なかったようなチャンバラなどでなく、
「ほんとうの江戸の空気」が見えるこんな良心的作品でよかった。・・・と、一回目だけで言うのは早いかな。