16/12/13 22:23:40.53 CAP_USER9.net
択捉島と国後島、色丹島、それに歯舞群島の北方四島は、終戦後の昭和２０年８月から旧ソビエトに占領され、その後、
およそ３年間で１万７０００人余りの日本人が島を追われました。元島民などで作る千島歯舞諸島居住者連盟によりますと、
元島民の数はことし３月末の時点で６３１２人となっています。
ＮＨＫは、日ロ首脳会談を前に、先月、全国に散らばっている元島民と子ども、
それに孫の合わせて１０３７人を対象に郵送によるアンケートを行い、５３％に当たる５５４人から回答を得ました。
ロシアに対する北方領土の返還要求については、
「４島とも返還すべきだ」が３０％、
「歯舞・色丹の２島を返還し、北方領土問題を決着させる」が６％、
「まず歯舞・色丹の２島を返還し、残りの国後・択捉の帰属について協議を続ける」が４２％、
「４島は日本・ロシアの共同所有に」が７％、「４島とも返還要求しない」が１％、
「どれにも当てはまらない」が１０％
今回の日ロ首脳会談によって北方領土の返還交渉が進展すると思うか尋ねたところ、
「進展すると思う」が１７％、「進展するとは思わない」が５６％、「わからない」が２５％と、
「進展するとは思わない」が半数以上を占め、「進展すると思う」の３倍を超えました。
一方、ＮＨＫが去年、戦後７０年を機に行った同様のアンケートに比べると、「進展すると思う」と答えた人は６ポイント上がりました。
日ロ間の経済交流の活発化を期待するか尋ねたところ、
「大いに期待する」が１０％、「ある程度期待する」が３５％、「あまり期待しない」が３６％、「全く期待しない」が１０％、
「わからない」が８％で、「期待する」と「期待しない」がほぼ半々にわかれました。
北方領土の元島民などによるいわゆる「ビザなし交流」の現在の在り方についてどう思うか尋ねたところ、
「今のままでよい」が２３％、「もっと回数を増やし、元島民やロシア人住民の行き来を自由にすべき」が２２％、
「元島民やその家族、関係者などに限られている参加対象者を拡大すべき」が３０％、
「領土問題解決に役立っておらず廃止すべき」が１７％でした。
北方領土問題に詳しい専門家は
今回、「進展すると思う」と答えた人が、去年行った同様のアンケートの結果を上回ったことについて、
北方領土問題に詳しい九州大学アジア太平洋未来研究センターの岩下明裕教授は「これまでの返還交渉の経緯から、
今回も進展しないだろうと心の中では冷めていても、プーチン大統領が来るので何か起こるという期待感もあり、
そのねじれのような心情が現れていると思う」と話しています。
そのうえで、「まず２島を返還」と答えた人が最も多くなったことについて、
「元島民たちの平均年齢が８０歳を超えて残された時間が少なくなり、建前ではなく、
これまで抑えていた本音をはっきり言おうという機運が徐々に高まっていることが見て取れる」と指摘しています。
■ロシアのロシア人に対しての調査では引き渡し反対が７８％
ロシアの民間の世論調査機関「レバダセンター」は日ロ関係に関する調査を定期的に行っていて、
北方領土についてロシア人８００人を対象に行った調査をことし８月、発表しています。
それによりますと、島々の引き渡しについて、「賛成」と答えた人の割合が７％だったのに対し、
「反対」と答えた人の割合は７８％で、日ロ関係が冷え込んでいた５年前の調査に比べて１２ポイント下がりましたが、
依然として引き渡すべきではないという意見が大半を占めています。
また、北方領土問題をどう解決するかについての質問では、
「４島すべてを返すべき」と答えた人の割合は４％、
歯舞群島と色丹島の「２島なら返してもよい」は９％、
「１島も返すべきではない」は５６％と最も多くなっています。
この質問は９１年の調査でも行われていて、当時と今回の結果を比べると４島、２島については大きな変化がないのに対し、
「１島も返すべきではない」と答えた人の割合は１９ポイント増えていて、
島々の引き渡しについてロシア国内では強硬な意見が増えていることがわかります。
こうした背景にはおととし３月、欧米などが強く非難する中、
ロシアがウクライナ南部のクリミアを併合したことでロシア国民の愛国心が高まっていることも影響しているものと見られます。
URLﾘﾝｸ(www3.nhk.or.jp)