16/12/13 18:24:53.26 CAP_USER9.net
ロシアのプーチン大統領は15日からの日本訪問を前に、モスクワのクレムリン(大統領府)で
読売新聞、日本テレビとのインタビューに応じ、平和条約の締結問題を中心に対日政策の基本方針を明らかにした。
プーチン氏は平和条約の締結には「条件整備が必要」と指摘し、山口県長門市での安倍首相との会談で、
北方領土での「共同経済活動」や人的往来の拡大について合意を目指す考えを示した。
プーチン氏はウクライナ情勢を巡り日本が行うロシアへの経済制裁を批判した。
プーチン氏は大統領府の「代表の間」で約1時間20分にわたり、質問に答えた。
日本との関係について、プーチン氏は「完全な正常化を求めている。平和条約がない状態が続くことは時代錯誤だ」と語った。
そして平和条約の締結交渉で「日ソ共同宣言」(1956年)を基礎とする立場をあらためて強調した。
日露間では国後、択捉、歯舞、色丹の北方領土の帰属問題が最大の懸案だ。
日本は4島の帰属問題の解決を平和条約締結の前提とする。一方、「共同宣言」は歯舞、色丹の2島だけを平和条約の締結後に
「引き渡す」と明記している。
プーチン氏は2島に国後、択捉を加えた4島の問題を提起することは「共同宣言の枠を超えている。
全く別の話で別の問題提起だ」と指摘し、4島を対象とする交渉には応じない考えを明らかにした。
またプーチン氏は「第2次大戦の結果は、しかるべき国際的な文書によって確定していることを理解しなければならない」と述べ、
北方領土はロシアの領土として国際的に承認されているとの主張を展開した。
そのうえで領土問題の解決には、両国民の「信頼と協力」の雰囲気を高め、平和条約を締結する「条件」について合意することが重要との考えを示した。具体的には「南クリル(北方領土)での大規模な共同経済活動」の実施や元島民の墓参り、ビザなし交流などを挙げた。ただし「共同経済活動」はロシアの主権のもとで行うとけん制した。
安倍首相が提案した医療や極東開発など「8項目の経済協力プラン」については、
平和条約を締結する「条件ではなく必要な雰囲気作り」との認識を示した。
さらにプーチン氏は「制裁を受けたまま、どうやって経済関係をより高いレベルに発展させるのか」と日本の対露制裁を批判した。
一方、プーチン氏は米国のドナルド・トランプ次期大統領について「露米関係の正常化に賛成の立場だ。
これを支持しないわけにはいかない。当然それに賛成だ」と歓迎の意向を表明。核拡散の防止や国際テロ対策などで協力し、
対米関係の修復を図りたいとの考えを表明した。中国との関係については、
「真に友好的な関係が形作られた。多くの主要な分野で戦略的な性格を持った関係だ」と述べ、「特権的な戦略パートナー」と評価した。
インタビューは7日に行った。プーチン氏のロシア語での発言を和訳し、精査を重ねた。
◆インタビューのポイント◆
▽日本と完全な関係の正常化を求め、平和条約の締結を目指す
▽対露経済制裁が、平和条約の締結交渉や経済協力の進展を阻んでいる
▽共同経済活動について検討する用意がある。ただしロシアの主権の下で行う
▽安倍首相が提案した「8項目の経済協力プラン」は、平和条約締結交渉のための雰囲気作り
▽米国のトランプ次期政権との間で、露米関係の改善を目指す
◆ウラジーミル・プーチン大統領=1952年10月、旧ソ連レニングラード(現サンクトペテルブルク)生まれ。
大学卒業後、治安機関の国家保安委員会(KGB)に勤務。ソ連崩壊後、サンクトペテルブルクの第1副市長などを務めた。
連邦保安局(FSB)長官を経て99年に首相就任。99年末にエリツィン大統領が辞任し大統領代行に就いた。
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