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東京電力福島第1原発事故の収束作業に従事した際、東電の被曝(ひばく)対策が不十分だったため白血病を発症したなどとして、北九州市の元原発作業員の男性(42)が22日、東電などに約5900万円の損害賠償を求める訴えを東京地裁に起こした。厚生労働省は昨年10月、この男性について「白血病は被曝が原因」と判断し、労災を認定。原告側弁護団によると、原発事故をめぐって労災認定された労働者が東電を訴えるのは初の事例という。
訴状によると、男性は平成23年10月~25年12月、原発事故の収束作業などに従事し、少なくとも約20ミリシーベルトの放射線を浴びた。26年1月に急性骨髄性白血病と診断され、その後、鬱病も発症したとしている。
放射線被曝による白血病は、年間5ミリシーベルト以上被曝し被曝から1年を超えて発症した場合、他の要因が明らかでなければ労災認定するとの基準がある。
提訴後に男性は会見し、「今後も多くの作業員が被曝する恐れがある。私が前例として他の作業員の励みになればと思った」と提訴理由を説明した。一方、東電は「訴状が届き次第、適宜適切に対処する」とするコメントを発表した。